1度は目にしたことがあるはず!?賃貸業界の雄「アパマンショップ」はどんな業者?

「アパマンショップ」という名前を一度は目にしたり、耳にしたりしている人は少なくないのではないでしょうか?
有名人を起用した多くのテレビCMや、街中の看板などは、数多くある賃貸業者の中でも目立っています。そんなアパマンショップですが、意外と知られていない点も多くあります。

賃貸住宅を提供してくれる大手のショップ

アパマンショップは、賃貸住宅を借りる際に仲介を行ってくれる不動産業者です。全国各地に店舗を展開しています。そのため、北は北海道から南は沖縄まで、日本のどの地域で賃貸住宅を借りたい場合でも、アパマンショップに相談することができます。気になる方は、自分が住んでいる、あるいは引っ越そうと考えている地域のショップ情報を検索してみましょう。1,000を超える多くの店舗があることがわかります。

賃貸住宅を借りる際には、業者を通さない方法もあります。業者を通さずに住宅を借りることができれば、手数料がかからないメリットがあります。一方、正式な賃貸契約を結んでおかないと、後からトラブルが発生する可能性が高まります。予期せぬトラブルを避けるためにも、しっかりと仲介業者を経由しておくことが望ましいのではないでしょうか。

もちろん仲介業者はアパマンショップのほかにも多数あります。大手の仲介業者のみならず、地域に密着した仲介業者がある場合もあります。こうした地域密着型の業者を通じて住宅を借りると良い物件が見つかることもあります。しかし、紹介物件数の豊富さでいえば、大手のショップに軍配が上がることも少なくありません。より多くの取扱い物件を持っている業者ほど、自分の希望にあった物件を紹介してくれる可能性が高いといえるかもしれません。

自分が住宅を貸す場合を考えても、大手の会社を通じて貸したほうが、安心感があると考える人も多いです。貸し手が多ければ、それだけ借り手の選択肢が増えます。同じ考えを持つ人がたくさんいると考えると、大手のショップを通す意義が見えてきますね。

店舗形態はFCと直営がある

全国各地に店舗があるアパマンショップですが、実は店舗形態はFC(フランチャイズ)と直営の2種類があります。直営店はアパマンショップが直接経営する一方で、FCはFCオーナーに経営を任せます。FCの仕組みを導入することで、全国各地に店舗ネットワークを張り巡らせることができているのです。

アパマンショップではFC加盟店の募集を続けています。地元密着型の賃貸住宅仲介業者をFC加盟させることで、より地域に密着した賃貸住宅を仲介できることを目指しています。加盟するオーナー側としても、アパマンショップの一員になることで、知名度を高められるメリットがあります。特に、遠距離の引っ越しをしてくる人にとっては、アパマンショップのような全国区の仲介業者の名前が安心感をもたらします。FC加盟することでより遠くの地域の潜在顧客の信頼も勝ち取れるのです。

一方で、アパマンショップ側としては、直営店を特に重要な地域に置くことで、ブランド力の維持を図っています。FC店を増やすと店舗網の拡大が容易になります。その一方で、品質の維持が難しくなります。品質が低下し、アパマンショップブランドの価値を下げないためにも、直営店を一定数確保しているといえます。自社が新たに展開を検討している戦略がある場合も、まずは直営店で実験を行い、結果が良ければFC店へも推奨する、という流れを作ることができます。

FC加盟店数は?

日本全国

FC店を増やすことで、積極的に店舗網を拡大しているアパマンショップ。では、アパマンのFC加盟店はどのくらいあるのでしょうか。
2016年3月末現在で、アパマンショップのFC店は1,066店です。直営店が同じ時期にちょうど100店であることから、FC店の多さがわかります。街中で見かけるアパマンショップの店舗も、多くはFC店ということですね。店舗数の多さや増加ペースの速さを考えると、当然といえるかもしれません。

アパマンがこれだけ多くのFC店を持っているのには理由があります。アパマンショップでは、FC加盟する店舗のオーナーに対して教育などのサポートを行い、FC店の品質を高める手助けをしているのです。では、具体的にどのようなサポートがあるのかを見てみましょう。

まず、アパマンショップ全体の経営戦略について、年2回の研修で学ぶことができます。この研修により、自分が営業を行う地域のみならず、全国規模の戦略についても理解できます。また、地域ごとに担当者が置かれており、地域の実情にあった賃貸仲介につなげることも可能です。全国規模での統一戦略と、地域にあった個別戦略を組み合わせることで、より顧客満足度の高い仲介を実現を目的としています。

さらに、インターネット上に賃貸可能な住宅を掲載するなどの際に、アパマンショップのシステムを利用できます。手間が省けるだけではなく、データ分析も行えるシステムなので、より効率よく営業を行えます。営業の成果がどの程度出ているのかも一目瞭然です。

加えて、全国各地に点在するFC店の中から、営業に成功している店舗の事例を伝えてもらうことができます。多種多様なFCオーナーがいることから、他人が考えた良いアイデアを自店舗の営業に生かすことができます。

どれも一個人で経営していると中々得ることの出来ないものと言えると思います。

アパマンショップの強み

アパマンショップは、賃貸住宅を仲介している業者の中で、最多の店舗数を誇っています。そのため、どこに行っても見かけることが多い、というのが最大の強みではないでしょうか。どの地域に引っ越すことになった場合も、とりあえずアパマンショップに行って賃貸住宅の紹介をしてもらえないか検討している人も多いと思います。

単に全国展開しているだけではなく、FC店を多数導入していることもメリットの1つです。FC店の導入によって、利用者はFCオーナーの個性が生かされた店舗を訪れることができます。地域に密着した賃貸仲介業を長年行ってきたオーナーもいることから、細かな要望にも応えてもらえる可能性があります。

さらに、アパマン側としては、FC店を増やすことで、柔軟な店舗展開が可能になっています。コスト削減につながるので、経営状態を安定させるのにも役立っています。

加えて、知名度の高さから、住宅を賃貸に出したいと考えている人から声がかかりやすいとも言えます。結果として多くの賃貸住宅を提供できることになり、住宅を借りに来た人に対してよりニーズに合った住宅の賃貸を仲介できる可能性が高まります。

また、収益が安定していることも強みです。不動産関連のビジネスでは、どうしても先行投資が必要になることがあります。この際に収益が不安定だと、チャンスで思い切った投資ができなくなります。アパマンでは安定した収益をベースに、さまざまな投資を柔軟に行える環境が整っているようです。

情報ネットワークが充実

情報ネットワークアパマンショップは、豊富なFC店と本部を情報ネットワークで結んでいます。こうすることで、相互に情報のやり取りをスムーズに行うことができます。また、FC店のみならず、不動産のオーナーや、アパマンショップが仲介した物件の入居者からの情報も収集しています。これらの情報を常に収集し続けていることによって、新たな仲介提案に生かすことができているのです。

アパマンショップでは、規模の大きさを基盤として店舗数を増やすだけではなく、多種多様な情報をもとに、よりよい店舗展開につなげる。こうすることで、アパマンは量のみならず質の確保をしています。質が確保できていれば、一時的な勢力拡大にとどまらず、大規模な賃貸仲介業者としての地位を安定させることができるのです。

また、入居者が不満を抱いているといった情報も合わせて収集できます。トラブルにつながる事例に早めに気付くことで、顧客満足度を高められます。入居者の満足度が高いと、次に転居する際にもアパマンショップに足を運んでもらえる確率が高まります。リピーターを増やすためにも、情報ネットワークが充実していることが役立っているのです。

事業の多角化を行う

多角化アパマンショップは、賃貸仲介業で更なるシェアの拡大を目指しています。すでに一定の利益が確保できている事業をさらに拡大し、売上高、利益額ともに上積みを図っています。

賃貸仲介業関連でいえば、不動産のバリューアップに取り組んでいます。現在のアパマンは賃貸住宅を仲介するだけではありません。バリューアップでは、経年によってニーズに合わなくなった物件をリフォームするなどして価値を引き上げます。そして、価値が上がった物件を売却することで、売却益を計上します。賃貸仲介業で培った物件の価値判断ノウハウを生かしながら行える事業だといえます。成功すれば大きな利幅を稼ぐことができるので、効率のよい事業です。

さらに、バリューアップ事業では、不動産を多く所有する人物と接触する機会があります。この機会を生かして、賃貸に出してもらえる物件が見つかる可能性があります。多くの物件に触れる機会を自ら積極的に作り、よりよい物件探しにつなげていることがわかります。
加えて、事業の多角化にも挑戦しています。具体的には、コインパーキング事業や自販機事業に参入しています。これらの事業はまだ小さなものではありますが、今後、賃貸仲介業の成長に限界が訪れた際にも、アパマンショップが発展を続けられるよう取り組んでいるといえます。

こうした事業の多角化に成功すれば、本業といえる賃貸仲介業でも積極的な投資が可能になります。常に各地域の実情に合った賃貸仲介を行うことが、安定した地位を築くためには不可欠です。投資を定期的に行える資金を確保するためにも、多角化により新たに挑戦する事業の成功がカギを握っていると言えるかもしれません。

複数事業間の相乗効果に期待

アパマンショップでは、リスク分散の観点から事業の多角化を行っています。多角化と聞くと、全く異なる事業を進めているように思えるかもしれません。しかし、アパマンでは複数の事業が相互にプラスの影響を与え合っているケースがあります。

例えば、不動産のバリューアップ事業を行えば、賃貸に出せる物件が見つかる可能性が高まる、と先述したケースのほか、エリアの特性を把握できれば、自販機事業に生かすことができます。どのような層の人が暮らしている地域かが良くわかっていれば、自販機に入れる飲料の種類を工夫できるからです。駐車場事業についても、自家用車を利用する人が多い地域をうまく見つけやすいといえます。

複数事業間で相乗効果が出れば、単なるリスク分散にとどまらず、リターンの拡大にもつながります。もちろん、事業間の相互依存度が高まりすぎると、リスク分散という本来の目的が失われてしまいます。各事業がある程度、独立性を保つ必要はありますが、相乗効果を発揮して収益を拡大できればなお良いといえます。

リスク分散については、すべてを1つの会社で行っているのではなく、持ち株会社のアパマンショップホールディングスを筆頭に、サブリース会社などさまざまなグループ会社が存在します。会社がそれぞれ独立していることによって、過度な相互依存を避ける効果に期待できます。

アパマンショップの競合

image55 (1)いい部屋ねっと
大手賃貸仲介業者のアパマンショップですが、独占や寡占状態とは言えません。競合他社が多く存在するのが現状です。そこで、アパマンショップにはどのような競合が存在するのかを見てみましょう。

まず、アパマン同様に全国展開している業者の1つに、エイブルが挙げられます。エイブルは昭和54年に設立された会社で、平成11年に設立されたアパマンよりも長い歴史を誇っています。アパマンが急速に勢力を拡大したのに対して、エイブルも勢力を保っています。昔から賃貸住宅を借りる機会が多かった人に取っては、アパマンよりもエイブルのほうに強い親しみがあるかもしれません。このように、歴史が長いことによって、中高年の層を中心に、エイブルの知名度のほうが高いことが考えられます。アパマンとしては、店舗展開や広告宣伝をさらに拡大し、より多くの層に親しまれる仲介業者となることが求められます。

さらに、「いい部屋ネット」ブランドを展開する大東建託も、CMを多く流している業者です。大東建託にはあまりなじみがなくても、「いい部屋ネット」というフレーズは聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。大東建託は、CMのほか、LINEやFacebookといったSNSを積極活用し、若年層への浸透を図っています。一定の知名度があることに加え、知名度アップの努力も重ねていることから、アパマンショップの有力な競合といえます。

これらの競合に対して、アパマンショップは一気に店舗を拡大してシェアを奪い、知名度と品質を高めることが求められます。シェアが高まればそれだけ顧客のニーズに合った物件を紹介できる可能性が高くなります。FC店へのサポートを充実させ、加盟店を増やすことが、業界首位の地位をより確固たるものにするために必要といえるかもしれません。

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- 2016年05月16日