賃貸物件退去の際に知っておくべきこと

賃貸物件を退去する際には、色々な手続きが必要です。その手続きをしていなかったことによって、転居先で不便な思いをすることもあります。

また、賃貸物件を退去するときには、原状回復の立ち会いなどがあります。この立ち合い状況によって、賃借人の費用負担額が変わる可能性があるので、きちんと理解しておきましょう。

今回は、「賃貸物件退去の際に知っておくべきこと」をテーマに、賃貸物件から退去する人はもちろん、これから賃貸物件に住まう人に向けても解説していきます。

目次

1.退去の流れと注意点
☞管理会社とのやり取り
・解約通告の期限
・解約通告の手段
☞引っ越しについて
・見積もりは複数社へ早めに依頼
・粗大ごみに注意
・エアコンについて
☞手続き関係
・ネット関係
・インフラ関係
・役所など
・各種住所変更

2.原状回復
☞原状回復とは?
☞立ち合い
☞原状回復の注意点
☞特約について
・特約とは
・特約を結ぶ際の注意点
☞クリーニングについて
・クリーニングも「経年劣化」に注目
・特約に含まれている場合

3.退去時の費用は?
☞原状回復費用
・人工(にんく)代
・修繕範囲
☞日割り賃料
☞エアコン撤去費用
・エアコンの撤去費用
☞インターネット関係費用

4.トラブル事例
☞原状回復費用の請求
☞管理会社へ連絡
☞仲介会社への相談
☞消費者生活センター
・クロス
・フローリング
・エアコン洗浄
・粗大ゴミについて
☞見積もりの出し直し
・1回目の見積もり変更
・2回目の見積もり変更

5.まとめ

1.退去の流れと注意点

注意点賃貸物件から退去するときには以下のような流れになります。

・管理会社へ退去旨を伝える

・引っ越し準備など、手続き関係

・退去日までに引っ越しを終わらせておく

・退去立ち合いを行う

・賃貸借契約解除

全体的には以上のような流れになります。上記の流れは、基本的にどんな物件でも変わりません。

管理会社とのやり取り

賃貸物件は基本的に管理会社が賃貸借契約などの手続きを行います。これは、戸建てであっても不動産会社を仲介することがほとんどです。そのため、賃貸から退去したい場合には、まず管理会社に連絡しておきましょう。

また、管理会社に連絡する際には、賃貸借契約書に記載されている「解約通告日」を確認しておく必要があります。賃貸物件を退去するときには、大体の物件が「2か月前までに通告すること」としています。

賃貸物件ですので、再度賃借人を募集する必要があるため、前もって解約通告する必要があるのです。

解約通告の期限

解約通告の期限に関しては、基本的に「厳守」です。これは目安期間ではなく、連絡を入れた日から2か月後(物件によって決まっている期間)でしか解約できません。そのため、仮に更新日をまたいでしまうと、更新料を支払ってすぐに解約するということになるので、必ず「期限」は確認しておきましょう。

解約通告の手段

今では、解約通告はメールでも行える管理会社が多いです。メールで確認した日を解約通告日として、その後に書面を交わすという流れが一般的です。

しかし、オーナーや管理会社によっては、電話やメールではなく、書面でしかやりとりをしないこともあります。解約通告手段は管理会社に確認しておきましょう。

引っ越しについて

引っ越し賃貸借契約が解除される日は、その物件の鍵を返還する日でもあります。そのため、賃貸借契約を解除する日までに引っ越し作業は必ず終わらせておく必要があります。

見積もりは複数社へ早めに依頼

引越し会社への見積もりは、複数社へ早めに依頼することがポイントです。なぜなら、引っ越し会社によって見積額が異なり、引っ越し時期によっても見積額が異なるからです。また、早めに見積もりをすると割引をするなどの特典も選べます。

特に、ファミリータイプの大きな賃貸物件に居住していた方は、引っ越し費用が10万円を超えることも多いです。そのため、引っ越し費用を少しでも抑えるために、見積もりは複数社へ早めに依頼して比較しましょう。

粗大ごみに注意

粗大ごみ引っ越し手続きをする際は、粗大ごみには注意が必要です。家具や家電などを処理するときには、基本的に粗大ごみ置き場に置いておきます。ただ、家具や家電などによっては、無料で引き取るか、場合によっては買い取ってもらえることもあります。そのため、引っ越し手続きと一緒に、粗大ごみ回収業者への手続きも行っておきましょう。

また、粗大ごみを出す場合には行政のスケジュールに合わせる必要があります。特に、引っ越しが多い時期には、2~3週間先まで粗大ごみ回収日が埋まっている場合があるので注意しましょう。

エアコンについて

また、エアコンの撤去については、賃貸で良く問題になる点です。賃貸物件に元々設置されているエアコンは、当然そのままで大丈夫です。

しかし、新たに自分で設置したエアコンに関しては、自分自身で取り外す必要があるのです。エアコンの取り外し費用や、原状回復の注意点は後述します。

ただ、退去の際には自分で付けたエアコンは、基本自分で処理する点は認識しておきましょう。

手続き関係

手続きまた、上述した以外にも、賃貸物件退去の際は以下のような手続きが必要になります。

・ネット関係

・インフラ関係

・役所など

・各種住所変更

ネット関係

ネット関係は意外と忘れがちな手続きです。ネット関係は分かりにくいのですが、「回線業者」と「プロバイダ」の2社の手続きが必要です。回線業者とは「NTTフレッツ光」や「AU光」などの業者のことを指します。また、プロバイダとは「OCN」や「So-net」などの業者のことを指します。これらはそれぞれ連絡をして、契約解除する必要があります。また、費用に関しての注意点は後述します。

インフラ関係

そして、電気・水道・ガスの手続きもしておく必要があります。今はいずれもネットで手続きができ、退去日・転居先を伝えることで、今後の請求先が変更されます。

しかし、ガスだけは注意が必要です。

なぜなら、ガスを開栓するときも閉めるときも、ガス業者の立ち合いが必要だからです。そのため、退去の立ち合いの日などや引っ越し日に合わせて、ガス閉めの立ち合いをすると良いです。

役所など

また、役所に行き、転出手続きが必要です。転出手続きをしておかないと、引っ越し先で転入手続きができません。今ではマイナンバーがあれば、郵送での対応も可能な行政もあります。

また、免許証の更新も必要なので、転居した後は最寄りの交番で手続きしましょう。

各種住所変更

さいごに、各種住所変更に関してです。たとえば、通販サイトの住所変更や、証券会社などの住所変更が必要になってきます。

また、郵便や宅配の転送サービスも行っておくと良いです。転送サービスを行っておけば、旧住所に着いた荷物や郵便が、新しい住所に転送されるからです。

2.原状回復

原状回復つづいて、原状回復についてです。原状回復は、賃貸物件から退去する際に、最も重要なポイントなので良く理解しておきましょう。原状回復に関してはトラブルが多いということもあり、国土交通省がガイドライン※1を策定しています。

※1国都交通省 ガイドライン
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html

原状回復とは?

原状回復とは、上述したガイドライン※1によると、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義しています。

このガイドラインによって、賃借人が通常使用していた場合の、いわゆる「経年劣化」した部分は賃借人の負担義務はないという点が明確になりました。つまり、経年劣化と考えられる傷や消耗については、賃料に含まれ、オーナーが修繕するということです。実は、一昔前までは原状回復は「賃借人が入居する前に戻す」のような認識が世間でありました。

しかし、このガイドラインが広まったことによって、上述したような認識に徹底されつつあります。賃借人が原状回復する必要があるのは、通常使用の範囲を超えた故意・過失による傷や汚れのことです。たとえば、明らかにモノを落としてしまった大きな穴や、クロスの破れなどは賃借人の支払い義務が発生します。

立ち合い

原状回復工事が必要かどうかは、管理会社か管理会社の指定業者との立ち合いで決まります。引越しを終えて家具・家電を全て移動した後に、担当者と一緒に部屋を確認するという流れです。

そこで、原状回復が必要であれば、その場で見積もり額を算出します。その見積額と原状回復箇所に合意したら、署名・捺印の上で敷金から差し引かれるか、もしくは別途支払うという流れになります。

原状回復の注意点

注意点まず注意しておくべき点は、上述したガイドラインを一読しておくことです。ガイドラインに沿わず、経年劣化分も賃借人の費用負担を求めてくる業者もいますので十分注意しましょう。

また、上述したガイドラインは、法的効力はありません。あくまで国土交通省が出している「指針」になります。ただ、一般的に以下のような事項は、賃借人に支払い義務は生じません。

・冷蔵庫裏のクロスの汚れ

・日常生活する上でのフローリングの傷

・経年劣化による設備機器の劣化

冷蔵庫裏はどうしてもクロスが汚れやすいです。ただ、冷蔵庫を置いているだけなので、このクロス汚れに関しては経年劣化と捉えられることが通常です。また、多少の傷や汚れも日常生活する上では仕方がないこととして処理されます。

さらに、経年による設備機器の劣化とは、たとえば給湯器のボタンが押しにくくなっていたり、鍵が回しにくかったりということです。

特約について

最近では、上述したガイドラインが認知されてきているので、一昔前よりもオーナーが負担する修繕金が増えました。そのため、賃貸借契約を結ぶときに、特約を付けることが多いです。特に、これから賃貸借契約を結ぶ方はこの特約に気を付けましょう。

特約とは

特約とは、主に以下の内容になります。

・別途クリーニング代がかかる

・特定の修繕費を徴収する

たとえば、特約で「クリーニング代」が決まっていれば、経年劣化による汚れだったとしても賃借人はクリーニング代を支払う必要があります。また、修繕箇所を指定して、修繕費用を必ず請求するという特約もあります。

特約を結ぶ際の注意点

特約を結ぶ際の注意点は、その「内容」です。特約を結ぶということは、上述したガイドラインでは賃借人に費用を請求できない項目ということだからです。そのため、明らかに「経年劣化した部分」の費用負担を求めるというような、上述したガイドラインとは大きく異なる場合は、特約に署名・捺印する前に内容を確認しましょう。

クリーニングについて

クリーニングまた、賃貸物件を退去する際に良く聞かれる質問は、「部屋の掃除をした方が良いか」という点です。結論からいうと、掃除は特にしなくても良いですが、マナーとして軽くフローリングを拭いておく程度はしておくべきです。

クリーニングも「経年劣化」に注目

クリーニングについても、上述したガイドラインに沿って賃借人の費用負担が変わります。そのため、経年劣化とは判断できないほど汚してしまった場合には、重点的に掃除することをおススメします。

仮に、自力で掃除することによって、ある程度汚れが取れれば、賃借人の費用負担は発生しない可能性があるからです。特にキッチンとクロスに関しては、汚れやすい部分ですので、退去の前に一度確認をしてみましょう。

特約に含まれている場合

また、クリーニングに関しては、上述した「特約」に含まれているかを確認しましょう。もし、特約の中にクリーニング費用が入っていれば、二重で支払う必要はないからです。特約の中身を確認しつつ、特約で支払う費用と被る項目がないようチェックしましょう。

3.退去時の費用は?

費用退去時にかかる費用は以下のような費用になります。

・日割り賃料

・原状回復費用

・エアコン撤去費用

・粗大ごみ処理費用

・引っ越し費用

・インターネット関係費用

上記のうち「粗大ごみ処理費用」「引っ越し費用」に関しては、上述した項目と同様になりますので割愛します。

原状回復費用

原状回復費用の概要は上述した通りです。原状回復費用で気を付ける点は、その費用の金額になります。特にクロスやフローリングの場合には、修繕範囲によって費用は変わってきます。

人工(にんく)代

原状回復費用で一番かかる費用は、人工代と呼ばれる人件費です。たとえば、クロスの一部に破れがあったとして原状回復費用を支払うことになったとします。そのときには、たとえば小さい範囲であったとしても、クロスを貼る職人1人を手配する必要があるのです。

つまり、1.5万円~2万円程度は、人工代としてかかってしまうというワケです。そのため、範囲が狭いから安いと思わない方が良いです。一部クロスの張替えだけで2万円以上かかることは多いです。

修繕範囲

また、修繕範囲も認識しておきましょう。クロスに関しては、一部だけでも、その面全てのクロスを張り替えることがあります。これは修繕方法にもよりますが、一部だけクロスをカットする方法もありますが、その方法だと一部だけクロスの色が異なってしまいます。

そのため、クロス修繕の際は、一部だけでなく、もっと広い範囲での修繕になることも多いです。これらの人工代や修繕範囲はプロである管理会社に基本は従います。ただ上記の点を認識しておくことで、法外な請求を防ぐことができます。

日割り賃料

日割り賃貸物件は、次月の家賃を前納するという支払いフローが一般的です。賃貸物件を退去する際には、退去日を起点として日割り計算になります。たとえば、4月15日に退去するとしたら、4月1日~4月15日までは費用負担が発生します。

そのため、仮に賃料が月額10万円の場合、4月分の賃料は5万円になり、3月に請求されるということです。

基本は日割り計算で前納が多いですが、日割り計算でなく、更に後納の場合はまた支払いフローが変わります。そのため、退去すると決まったら管理会社に確認することをおススメします。

エアコン撤去費用

賃貸物件の退去時は、エアコンを撤去する費用に気を付けましょう。上述しましたが、エアコンを新たに設置する際には撤去する義務があります。

エアコンの撤去費用

エアコンの撤去費用は、1台1万円程度かかります。引越し会社がそのまま撤去してくれることもありますが、引っ越し会社が撤去できないと、別の会社に発注することになります。

また、事例としては少ないですが、オーナーによってエアコンは設置したままでも問題ないことがあります。いずれにしろ、撤去が必要なときは管理会社に確認してみましょう。

インターネット関係費用

LANケーブルインターネット関係費用としては、中途解約料を請求される場合が多いです。多くのプロバイダや回線業者は、2年契約で結んでいます。その2年契約を「更新する月」以外で解約をすると、「一律6,000円」などの解約手数料がかかることが多いのです。

そのため、インターネットの解約月は事前に確認しておき、違約金がかからないタイミングで解約することがベストです。たとえば、解約した1か月後に退去するときなどは、1か月間はポケットWi-Fiレンタルなどでしのぎましょう。

4.トラブル事例

トラブル事例最後に、賃貸物件退去に伴うトラブル事例をご紹介します。いくらケアしていてもトラブルが起きる可能性はあるので、トラブル事例から対処法を学んでいきましょう。今回紹介するトラブル事例は、賃貸退去時に最も多い「原状回復費用」に関してです。

原状回復費用の請求

賃料14万円の2LDKの部屋に1年間住んでいたAさんですが、退去に伴い、立ち合いの元、原状回復費用を請求されました。その金額は22.8万円を超えていて、内訳は以下の通りでした。

・クリーニング費用:45,000円

・ペット消臭:10,000円

・エアコン洗浄×2台:30,000円(15,000円×2台)

・フローリング張替え12㎡:65,000円

・クロス張替え40㎡:55,000円(リビング・ダイニング、洋室1、廊下)

・戸当たりゴム付け替え2か所:8,000円(リビング・ダイニング、洋室2)

・粗大ごみ撤去費用:15,000円

この費用に関しては、そもそも入居時点からの劣化していた部分もあり、Aさんとしては納得いくような内容ではありませんでした。

管理会社へ連絡

Aさんは、原状回復を手配した管理会社に連絡を入れて、見積もりの詳細を確認しました。

しかし、見積金額は管理会社で今まで行った見積もりを基に作成をしているため、正確な数字をはじき出しているとの回答でした。また、クロスやフローリングに関しては、元々入居前からの傷や汚れだったとも主張しました。

しかし、その点も「入居前はキレイな状態でした」の一点張りです。

仲介会社への相談

管理会社と話をしても、話は平行線をたどってしまうので、Aさんは賃貸物件を仲介した仲介会社に相談をしました。仲介会社の担当者に見積もりを見せると、「これはさすがに高い」という意見が返ってきました。ただ、仲介会社はその物件の仲介を「請け負っている立場」であるので、仲介会社が管理会社に指摘するワケにはいきません。

そのため、仲介会社が紹介してくれた「消費者生活センター」に連絡をしてみました。結論からいうと、消費者生活センターへの相談のおかげで、最終的には見積額から大幅に減額する結果になりました。

消費者生活センター

そもそも消費者生活センターとは「商品やサービスなど消費生活全般に対する問い合わせなどを受け、公正・中立な立場で処理に当たる場所」になります。今回の件も、管理会社と「原状回復」について相談することができます。

Aさんが消費者生活センターに連絡したところ、見積もり書のFAXを送ってくれれば、消費者生活センターの担当者がチェックをしてくれるとのことでした。早速FAXを送りチェックしてもらったところ、以下の点で交渉できるとのアドバイスをもらいました。

・クロスの修繕費用

・フローリングの交換費用

・エアコン洗浄費用

・粗大ごみ処理費用

クロス

クロスは経年劣化していき、一般的には「6年」で価値がなくなるとされています。つまり、元々クロスは経年劣化しやすい商品であるということです。見積もりから考えるに、経年劣化分を考慮していない可能性があるとのアドバイスをもらいました。

フローリング

フローロングもクロス同様です。「経年劣化」の観点がなく、普通に暮らして消耗した分を請求されている可能性があるとの指摘でした。

エアコン洗浄

エアコンの洗浄については、管理会社からペットを飼っている人用に「脱臭」を目的として請求しているといわれました。ただ、「ペット脱臭費用」は別に請求されているので、二重支払いになっているとの指摘でした。

粗大ゴミについて

粗大ゴミは、そもそも戸棚1つを撤去依頼しただけでした。ただ、人件費がかかるので1つでも1.5万円かかるといわれていた費用でした。

しかし、本当に専門業者を呼んで撤去したのであれば、「作業報告書や領収書など」があるはずだから見せてもらうようにとの指摘を受けました。

見積もりの出し直し

見積もり上記の点を踏まえ、もう一度管理会社に連絡をして、見積もりの出し直しを求めました。最初は誰かに相談したとは言わずに、「経年劣化分は賃借人の支払い義務はない」「ペット消臭の件は二重請求になっている」「粗大ゴミの詳細を教えて欲しい」と主張したところ、見積もりが以下に変更になりました。

1回目の見積もり変更

・クリーニング費用:45,000円→【変更なし】45,000円

・ペット消臭:10,000円→【変更なし】10,000円

・エアコン洗浄×2台:30,000円(15,000円×2台)→0円

・フローリング張替え12㎡:65,000円→35,000円

・クロス張替え40㎡:55,000円(リビング・ダイニング、洋室1、廊下)→【変更なし】55,000円

・戸当たりゴム付け替え2か所:8,000円(リビング・ダイニング、洋室2)→0円

・粗大ごみ撤去費用:15,000円→0円

上記のように、83,000円も減額した見積書になりました。この件でさらに不信感が募ったため、もう一度連絡をして「消費者センターに連絡をした。経年劣化分がまだ含まれているのではないか」と指摘したところ、さらに以下の見積書が出てきました。

2回目の見積もり変更

・クリーニング費用:45,000円→【変更なし】45,000円→30000円

・ペット消臭:10,000円→【変更なし】10,000円

・エアコン洗浄×2台:30,000円(15,000円×2台)→0円

・フローリング張替え12㎡:65,000円→35,000円→0円

・クロス張替え20㎡:55,000円(、洋室1、廊下)→【変更なし】55,000円→27,500円

・戸当たりゴム付け替え2か所:8,000円(リビング・ダイニング、洋室2)→0円

・粗大ごみ撤去費用:15,000円→0円

上記のようにさらに77,500円減額になり、トータルで160,500円も減額になりました。22.8万円から67,500円になりました。

このように、きちんと指摘をしたところ、当初の見積もり額の1/3以下になったという状況です。これは消費者生活センターへ連絡して、きちんと検証してもらった結果になります。

5.まとめ

賃貸物件から退去するときには、以下の点に注意しましょう。

・賃貸物件の退去に関する一連の手続きを理解する

・原状回復はガイドラインを一読する

・基本的に「経年劣化分」の原状回復に関する費用負担はない

・事前に退去に伴い発生する費用を認識しておく

特に、退去に伴うガイドラインは良くチェックしておきましょう。原状回復の定義を知っているかどうかで、原状回復にかかる費用は大きく変わってきます。

- 2017年02月09日