賃貸入居者が押さえておきたい火災保険の基本的知識!【特約・保険金が受け取れる場合を知っておく】

火災保険とは、主に火災によって建物や家財に損害が生じたとき、それを補償するための保険です。住宅賃貸物件の契約にあたって、当たり前のように何気なく加入しているこの火災保険。

本当にその保険、必要でしょうか?どのような内容のものかしっかりわかっていますか?

火災保険の補償の対象、どのような損害でいくらの保険金が下りるのか、そういった細かい内容を具体的に理解できていなければ、保険金を受け取るチャンスを逃すかもしれません。

いざという時のための安心材料としての火災保険。物件を借りるときに押さえておきたい火災保険のいろはについて解説します。

目次

1.火災保険がおりるとき、おりないとき ~入居者が貰えるお金~
☞<ケース1 火災>火が出た!
☞<ケース2 水災>水道設備の事故で部屋が水浸しに!
☞<ケース3 風災>台風で窓ガラスが割れ、それによって家財が壊れた!
☞<ケース4 落雷>落雷が原因でテレビが壊れた!
☞<ケース5 盗難>空き巣に通帳・現金を盗まれた!
☞<ケース6 盗難>空き巣に200万円のダイヤの指輪を盗まれた!
☞<ケース7 破壊・汚れ>空き巣に部屋の中を破壊され、汚された!
☞<ケース8 大規模災害>地震、津波、火山の噴火が起きた!

2.火災保険も家賃の一つだと思え!火災保険につけておくべき特約
☞1)大家さんが入る火災保険、入居者が入る火災保険
☞2)火災保険の加入は義務ではない
☞3)大家さんや不動産会社が薦める保険に入るべき?断るべき?
☞4)自分は二の次!「他人のため」に入る火災保険特約
・<ケース1 火災>火事を起こしてしまった!
―「借家人賠償責任」―特約大家さんのために入っておくべき火災保険-
・<ケース2 水災>水漏れが下の階まで・・・!
―「個人賠償責任」特約―ご近所さんのために入っておくべき火災保険―

3.火災保険の基礎知識 ~契約時に知っておくべきこと~
1)火災保険の3つの種類+地震保険
2)火災保険の構造 ~基本契約・費用保険・特約~
3)保険料の決まり方と相場
4)火災保険を契約したらすべき3つのこと
5)損害が発生した、どうする?-保険金請求の一連の流れ―
6)案外少ない!?支払われる保険金の算定方法

4.まとめ

1.火災保険がおりるとき、おりないとき ~入居者が貰えるお金~

おりるかおりないか火災保険に限らず、損害保険は「実際に生じた損害のみを補てんする」という考えに基づいて保険金が支払われます。

また、損害額全額が保険金として支払われるわけではありません。損害の原因によって支払われる金額の上限が決まっていたり、損害として「認定」される条件が違うからです。

さらに、申請さえすれば保険金が貰えるのに、「なかなか保険はおりない」という誤解から申請をせずに終わっている人が多い損害もあります。

一般的に入居者が加入する火災保険の対象は入居者の家財及びそれに伴う追加費用です。自分の入居する部屋にある家具や電化製品などに火災などで損害が出た場合や、それによって生活に支障が出た場合に保険金が貰えます。

入居者の火災保険で保険金がおりる事例、おりない事例を具体的に確認しましょう。

<ケース1 火災>火が出た!

火災最も一般的なのは、そして火災保険のメインとなる原因が火災による損害です。このような状況が起きた場合に入っておく保険ですから、火災が原因で借りている部屋に置いてあった家財が焼失した場合、保険金は支払われるのが普通です。

ただし、気を付けてほしいポイントが2つあります。それは、

「家財の購入金額が保険金として払われるかどうかは保険契約による」

「保険会社の鑑定人が損害金額を算定する」

ということです。

基本的に家財の損害に対して支払われる保険金額は、「家財を購入したときの金額」ではなく、「家財を焼失する寸前にその家財を売却したときの金額」である場合が多いです。最近は、保険会社の契約によって「同じ家財を買いなおした時の金額」を保険金額として設定している契約もあります。

また、いくら入居者が「これくらいの損害が出た!」と申告しても、支払われる保険金額は保険会社の鑑定人の鑑定によります。

保険金の算定の詳細については、3.火災保険の基礎知識~契約時に知っておくべきこと~を参照してください。

<ケース2 水災>水道設備の事故で部屋が水浸しに!

賃貸物件でよくあるトラブルが水道の水漏れです。水漏れによって家財が損害を受けた場合、加入している火災保険が「住宅総合保険」なら保険金は支払われます。

しかし、「住宅火災保険」ならば、損害は補償の対象外であるため、保険金は支払われません。

保険金の種類の詳細については、3.火災保険の基礎知識~契約時に知っておくべきこと~を参照してください。

なお、同じ水による損害であっても台風や強風による飛来物が原因で水道に支障が出た場合の水漏れは家財の損害額が20万円以上にならないと保険金は下りません。

さらに、同じ台風でも、大雨で床上浸水したために家財がダメになったというときでは、地面より45センチを超えて浸水していることが保険金支払いの前提です。つまり、地面から30センチの浸水では、保険金は支払われないことになります。

<ケース3 風災>台風で窓ガラスが割れ、それによって家財が壊れた!

台風や竜巻などの強風で家財に被害が出た場合は、保険金が支払われます。ただし、その損害額が20万円を超えた場合に限られます。つまり損害額が19万円なら保険金は出ず、21万円なら保険金が出るのです。しかも、この判定は自分で行うわけではなく、保険会社の鑑定人が行います。

<ケース4 落雷>落雷が原因でテレビが壊れた!

意外と知られていない落雷での家財の損害この損害、火災保険で補償がききます。落雷被害で火災が起き、建物が火事になった場合はもちろん、火災保険で補償され保険金が支払われますが、落雷でテレビや電化製品が壊れたときも火災保険の保険金が支払われます。

他の保険でも同じですが、火災保険でも契約者が保険会社に請求をしなければ保険金は支払われません。忘れがちな落雷での被害、せっかく火災保険に入っているのですから、しっかり請求しましょう。

請求をするときには、被害を受けたテレビや家電製品などの写真や見積書などの証明書が必要になります。壊れてしまったからと言ってすぐに捨ててしまわずに、保険会社に連絡して確認を取りましょう。

<ケース5 盗難>空き巣に通帳・現金を盗まれた!

現金や預金通帳も火災保険の補償の対象ですが、現金については20万円が保険金支払の上限となります。いくら旦那さんに隠れてへそくりをためていたとしても盗まれてしまったのではたまりません。へそくりが20万円を超えるようになったら銀行に預けましょう。通帳などを盗まれ、現金を引き出されたような場合にも、200万円を上限に保険金が支払われます。

最近は、銀行側もセキュリティーに厳しくなり、本人にしか銀行印がわからないように、通帳に銀行印の押印がされなくなったり、ATMの引き出しも暗証番号が必要、銀行窓口では本人確認書類が必要、と通帳が盗まれても預金をそう簡単に引き出せない仕組みが出来上がっています。通帳が盗まれたら、まずは銀行に連絡し、取引を一時中断するとともに被害金額の有無を確認してから、保険会社に連絡するようにしましょう。

なお、盗難にあったとしても、火災保険の対象は賃貸物件の屋内に限られます。火事場泥棒や、屋外にあった家財の盗難は対象外になりますので、気を付けましょう。

ただし、こういった盗難が保険の対象となるのは「住宅総合保険」で、「住宅火災保険」では保険金は出ないことに注意しましょう。

保険金の種類の詳細については、3.火災保険の基礎知識~契約時に知っておくべきこと~を参照してください。

<ケース6 盗難>空き巣に200万円のダイヤの指輪を盗まれた!

家財の中でも、ダイヤなどの宝飾品は盗まれたら保険金が支払われるのでしょうか。実は、タンスやピアノ、家電製品などは「家財」に含まれるのに、それより高額なダイヤは「家財」には含まれません。

火災保険では、1組もしくは1個30万円以上の貴金属・美術品・骨董品などは補償の範囲には含まれていないのです。このような貴重品がある場合、契約時にその内容や価額を申告して、保険証券に明記してもらう必要があります。

しかも、火災保険が適用されたとしても、保険金の支払額は1組もしくは1個100万円までです。こういった貴重品類は火災保険では補償が限定的になることを覚えておきましょう。

<ケース7 破壊・汚れ>空き巣に部屋の中を破壊され、汚された!

空き巣は部屋の中を荒らして金品を奪っていきます。その過程で部屋の家財を壊されたり、汚されたりすることもあるようです。「住宅総合保険」では空き巣により破壊されたり、汚された家財については保険の対象になります。すぐに警察に連絡し、損害を受けた写真などを撮り、もちろん領収書はすべて取っておきましょう。

保険金の種類の詳細については、3.火災保険の基礎知識~契約時に知っておくべきこと~を参照してください。

<ケース8 大規模災害>地震、津波、火山の噴火が起きた!

火災保険では、地震、津波、火山の噴火などの大規模な自然災害による家財の損害は保険の対象外です。もし、そういった災害に備えたい場合は、地震保険などの特別な保険を火災保険に付ける必要があります。

 

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