• 検索結果がここに表示されます

営業マンが教えてくれない住宅ローン選び5つのポイント

住宅ローンを組んで不動産を購入するときは、不動産会社の営業マンが住宅ローンを斡旋します。 多くの営業マンが、住宅ローンの月々支払い額や諸費用が載っている「資金計画書」を作成し、その資料を見ながら住宅ローンを組む金融機関を決めていくという流れです。

しかし、その資金計画書を作成するときは、営業マンが独自に作成しているので、 必ずしも買主にベストな選択を勧めているワケではありません。

今回は、そんな「営業マンが教えてくれない」住宅ローンについてのポイントを5つ紹介します。

目次

1. 自分にベストな金融機関を探す
 1-1. 営業マンが斡旋する金融機関とは?
 1-2. 審査に通りやすい金融機関を斡旋する理由
 1-3. 何に注目して金融機関を選べば良い?

2. 提携している金融機関以外も検討する
 2-1. 住宅ローン特約の違い
 2-2. 住宅ローン手続きの「手間」が違う
 2-3. 金利の優遇が異なる場合がある

3. 審査書類を預かっておくと早い

4. 元利均等と元金均等を選ぶ
 4-1. 元利均等と元金均等の違い
 4-2. 元金均等返済のメリットとデメリット

5. 固定金利も検討する
 5-1. 変動金利と固定金利
 5-2. 変動金利を勧める理由

6. まとめ

1. 自分にベストな金融機関を探す

金融機関

営業マンが教えてくれない住宅ローン選び1つめのポイントは、「自分にベストな金融機関を探す」ことです。

営業マンは、買主にとって「お得」な住宅ローンではなく、「その不動産を購入するため」に最も審査に通りやすい金融機関を斡旋します。
そのため、買主は営業マンに案内された金融機関を素直に聞くのではなく、色々な金融機関の資金計画書を作成してもらう必要があるということです。

1-1. 営業マンが斡旋する金融機関とは?

金融機関によって、以下のように「審査に通りやすい人」のプロフィールが異なります。

  • ・勤続年数に厳しい条件がある金融機関
  • ・年収の返済比率が緩い金融機関
  • ・勤務先の規模は審査に反映しない金融機関

上記は一例ですが、とにかく金融機関によって審査条件が大きく異なるのは事実です。

たとえば、「年収は高いけれども勤務先の規模が小さい」というプロフィール(Aさん)の人が金融機関を探してるとします。 その場合に、営業マンは多少金利が高くても「勤務先は重視しない金融機関」を選ぶ可能性が高いです。

しかし、仮にAさんが「月々支払い額を抑えたい」という希望が強ければ、その「勤務先は重視しない金融機関」はベストではありません。 本来であれは、審査に通りにくいかもしれないですが、金利が低く月々返済額を抑えられる金融機関に審査してみたいと思うのが心情です。

このように、営業マンが斡旋する金融機関を素直に信じてしまうと、 自分にとってベストな金融機関ではない可能性があるので気を付けましょう。

1-2. 審査に通りやすい金融機関を斡旋する理由

前項のように、営業マンが「審査に通りやすい金融機関を斡旋する」理由は、以下の2点が大きいです。

  • ・金融機関の審査に通らないと不動産の「購入申込」ができないから
  • ・審査をし過ぎると金融機関の心象が悪くなるから

まず、新築不動産も中古不動産も、基本的に住宅ローン審査に通らないと「申込」ができません。 申込ができないということは、ほかの検討者が申込をすれば、その不動産の検討ができなくなるということです。

営業マンからすると、「とにかく住宅ローン審査を早く通して申込をさせたい」ので、審査に通りやすい金融機関を斡旋するというワケです。 そのため、その斡旋した金融機関は「審査に通りやすい金融機関」であり、必ずしも買主にベストな金融機関であるとは限らないということです。

また、複数の金融機関で審査をすると、その金融機関は「ほかの金融機関で審査をしたか?結果はどうであったか?」ということを知ることができます。

仮に、複数の金融機関に審査して否決の履歴があれば、金融機関の心象は悪くなる場合もあります。 たとえば、住宅ローンの審査中で審査承諾か否決かの当落線上であれば、その「心証の悪さ」だけで否決になる可能性もあります。

この2点の理由から、営業マンはなるべく審査に通りやすい金融機関を斡旋するというワケです。

1-3. 何に注目して金融機関を選べば良い?

前項までを踏まえて、以下の点に注目して金融機関を選びましょう。

  • ・自分の中での優先順位を決め営業マンに伝える
  • ・複数の金融機関で資金計画書を作成してもらう

まずは、自分の中で優先順位を決め、それを営業マンに伝えることが大切です。

優先順位とは、たとえば「月々返済を抑えることが最優先」や「この部屋に申込を入れることが最優先」などのイメージです。 前者の「月々返済を抑えること」が最優先と伝えれば、金利が低い金融期間を斡旋してもらえます。

一方、「この部屋に申込を入れることが最優先」であれば、自分のプロフィール的に審査に通りやすい金融機関を斡旋してくれます。

とにかく、自分の希望を伝え複数の金融機関で資金計画書を作成してもらうことが重要です。 その資金計画書を比べることで、月々返済の違いや諸費用の違いが分かり、自分にとってベストな金融機関を選択しやすくなります。

2. 提携している金融機関以外も検討する

選択肢

営業マンが教えてくれない住宅ローン選び2つめのポイントは、「提携している金融機関以外も検討する」という点です。

営業マンは基本的に不動産会社が提携している金融機関しか斡旋しないので、もしかしたら提携していない金融機関の中に自分にベストな金融機関があるかもしれません。

ただ、提携している金融機関にもメリットがあり、提携していない金融機関にはリスクもあります。

そのため、以下の点を踏まえた上で提携していない金融機関も検討してみましょう。

  • ・住宅ローンの特約が違う
  • ・住宅ローン手続きの「手間」が違う
  • ・金利の優遇が異なる場合がある

2-1. 住宅ローン特約の違い

住宅ローン特約とは、「住宅ローンの本審査で否決になったら売買契約は白紙解約になります」という特約です。 この特約は、新築不動産も中古不動産も含め、不動産の売買契約には基本的に盛り込まれている内容です。

ただ、提携していない金融機関は「プライベートローン(プロパー)」になるので、借入者(購入検討者)主導で手続きします。

借入者が主導で手続きするということは、営業マン自身がコントロールすることができなくなります。 そのため、プロパーでは「住宅ローン特約」を利用することができず、本審査で否決になれば手付金没収の「違約」になります。

この点は、プロパーを利用する際の最も大きなデメリットになるので、プロパー利用者は必ず覚えておきましょう。

2-2. 住宅ローン手続きの「手間」が違う

提携している金融機関とプロパーでは、以下3点が異なるため「手続きの手間」などが異なります。

  • ・必要書類の提出
  • ・審査時間
  • ・自ら金融機関とやりとりする

住宅ローン審査のときには、その不動産の「資料」が必要です。 なぜなら、金融機関は、融資する不動産に担保価値があるかを確認する必要があるからです。 提携している金融機関であれば、この必要書類は不動産会社の方で既に提出済みです。

しかし、プロパーは自分で資料を集め、自分で金融機関に提出する必要があります。 さらに、金融機関は必要書類が手元に届いてから担保価値があるかの審査をして、その後に住宅ローンの審査をします。 そのため、プロパーの審査は時間がかかることが多いです。

また、提携している金融機関であれば営業マンが金融機関とのやり取りをしますが、プロパーの場合は全て自分でやりとりします。 時には、窓口に出向く必要もあり、手間が取られる点はプロパーのデメリットです。

2-3. 金利の優遇が異なる場合がある

提携している金融機関とプロパーの金融機関では、金利の「優遇」に違いがあります。 優遇とは、金融機関が金利を「マイナス」してくれることなので、優遇金利が高いほど金利は安くなります。

提携している金融機関は、「いつも住宅ローンを斡旋してくれる〇〇不動産会社の物件であれば・・・」という前提で、高く優遇金利を設定していることが多いです。 そのため、提携している金融機関の方が金利は低いことが多いのは事実です。

しかし、不動産会社の「提携している金融機関が少ない」場合には、プロパーは検討した方が良いでしょう。 提携している金融機関が少なければ、さらに金利が低く自分に合っている金融機関がプロパーにあるかもしれません。

金利は0.1%でも異なれば、長い目で見れば総返済額に大きな違いが出てきます。 上記のように、プロパーの方がリスクは大きく手間もかかります。

しかし、時にはプロパーの方が良い条件であることもあるので、提携金融機関以外を自分で探してみると良いです。

3. 審査書類を預かっておくと早い

書類の提出

営業マンが教えてくれない住宅ローン選び3つめのポイントは、「審査書類を預かっておくと早い」ということです。

上述したように、金融機関の審査を同時にすると、金融機関はその事実が分かるようになっていて、心象が悪くなります。 そのため、複数の金融機関へ審査するときには、金融機関の審査は1つずつ、審査結果が出てから次の金融機関へ審査書類を提出します。

しかし、提携金融機関の住宅ローン審査申込は、所定の申込書類へ記名・押印する必要があります。 つまり、わざわざ不動産会社の事務所などへ出向き、申込書に記名・押印する必要があるということです。

しかし、上述したように、住宅ローン審査に承諾しないと購入申込はできません。 仮に金融機関の審査が否決になれば、迅速にほかの金融機関へ申し込む必要があります。

そのときのために、申込書類とレターパックなどの郵送できるものを預かっておくと良いでしょう。 そうすれば、仮に1つ目の金融機関が審査否決になっても、その連絡を受けてすぐに申込書に記名・押印して不動産会社に郵送できます。

2つ目の金融機関へ迅速に審査することができれば、少しでも早く承認可否が分かります。 そのため、申込も迅速に行えますし、たとえ2つめの金融機関で否決になっても3つ目の金融機関へチャレンジするという選択も可能です。

このように、住宅ローン審査は「迅速さ」が大切になってくるので、審査書類は預かっておき、審査結果の連絡が入ればすぐに対応しましょう。

4. 元利均等と元金均等を選ぶ

住宅ローン

営業マンが教えてくれない住宅ローン選び4つめのポイントは、「元利均等と元金均等を選ぶ」ということです。

営業マンは、通常「元利均等」しか案内しません。 なぜなら、元利均等は最初の支払い額は元金均等より安く見え、さらに金利が変わらなければ支払い額が一定だからです。

4-1. 元利均等と元金均等の違い

元利均等と元金均等の違いは、「利息を先に返済するか元金を先に返済するか」という点です。 元利均等返済は、住宅ローンの借入期間中は支払い額が一定になるよう(金利が変わらない前提)計算するので、結果的に利息から返済します。

一方、元金均等返済は住宅ローンの借入期間中、元金の支払い額は変わりません。

計算式が複雑になるので細かい説明は省きますが、元金の支払い額は変わらないので、元金均等返済は元利均等返済よりは利息の支払いは少なくなります。 つまり、元金均等返済の方が総支払額は少なるということです。

そのため、以下のように、結果的には総支払額は元金均等返済の方が安くなりますが、支払い額が一定ではありません。

  • ・元利均等返済:総返済額40,139,745円、月々返済額95,571円
  • ・元金均等返済:総支払額39,911,480円、月々返済額106,666円から少しずつ減額
  • ※借入期間額3,500万円 金利0.8% 借入期間35年

上記のように、元金均等返済の方が総返済額は228,265円安くなる一方で、最初の支配額は11,095円高くなります。

営業マンは、少しでも月々返済額を安く見せたいので、元利均等返済の方しか資金計画書に記載しない場合が多いです。 しかし、総支払額を抑えたいという希望がある方は、元金均等返済の資金計画書も出してもらいましょう。 その資金計画書で最初に支払う月々返済額を確認して、問題なければ元金均等返済の方が良いでしょう。

また、元利均等返済で住宅ローンの承認を受けても、元金均等返済に変更すると審査がやり直しになる場合があります。 そのため、元利均等返済にするか元金均等返済にするかは、住宅ローンの審査前に決めておく必要があります。

4-2. 元金均等返済のメリットとデメリット

前項のように、元金均等返済のメリットは「総支払額が安くなる」という点で、 元金均等返済のデメリットは「支払い額が読みにくい」という点です。

たとえば、前項で例に出した「※借入期間額3,500万円 金利0.8% 借入期間35年」の場合の元金均等返済の初期支払い額は10,666円です。 この支払い額が元利均等返済の月々支払い額95,571円を下回るのは、借り入れしてから16年8か月後(95,555円)になります。

このように、元金均等返済は借入期間の半分近くの期間、元利均等返済より支払い額が高くなります。 その支払い額の推移をきちんと確かめてから、元金均等返済を選択する必要があります。

5. 固定金利も検討する

固定金利

営業マンが教えてくれない住宅ローン選び5つめのポイントは、「固定金利も検討する」という点です。 これは、基本的に「営業マンは変動金利を勧めてくる」という理由から、固定金利を自ら検討する必要があるということです。

5-1. 変動金利と固定金利

変動金利と固定金利の違いは、「今後の金利」になります。 変動金利は、半年ごとに金利を見直し、5年ごとにその金利を返済額に盛り込みます。 つまり、変動金利は半年ごとに金利が変わる可能性があり、月々返済額も変わる可能性があるということです。

固定金利は、「全期間固定金利」と「期間指定型固定金利」の2種類があります。 全期間固定金利は、借入期間中ずっと金利が変わらない住宅ローンです。

一方、期間指定型固定金利は、たとえば「固定10年金利」であれば10年間は金利が固定されます。 ただ、その期間が過ぎれば、変動金利に切り替えるか新たに固定金利で組むかを選択するプランです。

5-2. 変動金利を勧める理由

前項のように、固定金利の方が「金利は変わらない」という安心感がありますが、変動金利よりは固定金利の方が金利は高いです。 「少しでも安く見せたい」という営業マンが多いので、基本的に変動金利を勧めてくる営業マンが多いです。

しかし、変動金利が良いか固定金利が良いかは、その人の将来設計によります。 たとえば、返済額は多少上がっても良いので、住宅ローン返済額を一定にしたい人もいると思います。 そのような人は固定金利の方が向いているので、営業マンに固定金利も希望してみましょう。

固定金利を希望すれば、営業マンは固定金利の資金計画書も作成してくれます。 その資金計画書の月々返済額や総返済額を見ながら、変動金利にするか固定金利にするかは判断すべきです。

また、固定金利・変動金利も、元利均等返済と・元金均等返済と同じく、金融機関で審査基準が異なります。 つまり、仮に変動金利で審査が承認していても、固定金利に切り替えれば審査をし直さなければいけない可能性があります。 そのため、元利均等返済・元金均等返済と同様、住宅ローンの審査前に変動金利・固定金利は決めておきましょう。

6. まとめ

このように、住宅ローン選びの際には、営業マンが斡旋する住宅ローン以外も検討すべきです。 自分の中で住宅ローンを組む上での優先順位を付け、要望を営業マンにどんどん伝えましょう。

その上で、資金計画書を複数作成してもらい、複数の金融機関・住宅ローンプランを検討すると良いです。

不動産は一千万円単位の大きな買い物になるので、少しの金利の違いで支払い額が大きく異なります。 そのため、住宅ローン選びは物件選び並みに慎重に行う必要があります。

中古マンション購入に掛かる費用や手続きの流れについて知りたい方は下記のページをご参照ください。
中古マンション購入の流れと注意点、費用の目安などについて

TOP

マンションの価格相場を調べる

マンションの売却を相談する

マンションの売却価格をより詳しく知りたい方、具体的に売却を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

売却相談

カジュアルに査定額を知りたい方へ

Icon

無料査定スタート

マンション売買サポートメニュー