【北川景子主演:家売るオンナ第1話】強引な万智の営業は意外と業界人には高評価?

ついに始まりました、北川景子さん主演のドラマ「家売るオンナ」。
昨日、7月13日に第1話が放送されましたが、皆さんご覧になりましたか?

北川景子さん演じる三軒家万智も強烈なインパクトがあるキャラクターでしたが、周りを囲むテーコー不動産新宿営業所の皆さんも、各々かなり印象的なキャラクターがいっぱいでしたね。
1話を観て、これからの展開が楽しみだと思う人も多かったのではないでしょうか。
初回視聴率は12.4%と好発進だったそうです。

ここで、見逃してしまった方ともう一度内容をおさらいしたい方のために、あらすじをご紹介♪
(ドラマを見たい方は、日テレオンデマンドhulu、7月20日までは日テレ無料(TADA)でご覧になれます)

「家売るオンナ」1話のあらすじ

※ネタバレしておりますのでご注意ください。

ある日、別の営業所の売上を2倍にしたという、スーパー営業ウーマン三軒家万智(北川景子)が新宿営業所にチーフとして配属されてくる。万智の口癖は「私に売れない家はない」。

そんな万智が最初に目を付けたのは、人はいいものの押しが弱く、なかなか売上をあげられない若手営業マン、庭野聖司(工藤阿須加)。万智は庭野が担当しているお客様への営業に同行することにする。

「私に売れない家はない」と豪語するだけあり、万智は早々に庭野のお客様を横取ると、あの手この手でお客様に家を売っていく。ニセのお客様や営業を使った戦法など、ややグレーな手法を使うこともあるものの、「不動産屋は地図を見ない」「幹線道路を使わず裏道を使うことで、町の詳しさをアピールし信頼を得る」など、売ることにこだわる万智の信念が見せつけられる庭野。

今回万智のターゲットになったのは、庭野が担当しているお客様「土方ご一家」。夫婦はともに医者で、保育園に通う息子が一人。奥様の弥生(りょう)が提示する条件は「新築一戸建ての3LDK、予算は1億円。リビングイン階段があること、夫婦が働く病院に近いこと」。この条件に合致する家が見つけられない工藤。そんな中、万智はある作戦に出る。それは、営業所内でも売れないだろうと言っていた、5000万円で1LDKの中古マンションを提案するというもの。なぜ全く条件の違う物件を勧めてくるのかと戸惑う土方夫妻。

万智は土方ご家族とか関わってくる中で、この家族が抱える問題を見抜いていた。そして夫婦の働く病院が見え、リビングに書斎や子供部屋などが集中し、常に家族が顔を合わせられる住環境を整えた「リビングイン全部」を提案し、ここが一家にとって必要な家だとアピール。気に入った土方一家はすぐに契約書にサイン。庭野も協力していたものの、結局売上は万智に持っていかれてしまう。

営業所の若手を中心にかなりのパワハラを発揮しつつも成績はしっかり上げる万智。元からいた新宿営業所の面々は、万智の住んでいる家は一体どんなだろうという話になる。ある夜、偶然庭野が万智の帰宅途中らしき姿を目撃。興味半分についていくと、そこは数年前に殺人事件があった、いわゆる「事故物件」の豪邸。ここが万智の家なのか、それとも……?(次回へ続く)

実際に不動産業界で働く人と座談会してみた

不動産業界1話から、万智のスーパー営業ウーマンぶりがよく分かる内容でしたね。散々振り回されている、工藤阿須加さん演じる庭野は果たして報われる日が来るのか…!筆者としてはとても気になるところです。
また、万智はなぜここまで必死に家を売るのかという点。ここには万智の過去や強い思いが隠されていそうですね。

先日配信した記事でもお伝えしたように、「家売るオンナ」は不動産業界で働く人からも注目度の高いドラマです。今回は万智と同じ不動産業に関わる方4名を集め、ドラマの中で描かれていた不動産業界のことを色々聞いてみました!

<ご協力いただいた方々>
Aさん(不動産業界歴3年)
Bさん(不動産業界歴4年)
Cさん(不動産業界歴8年)
Dさん(不動産業界歴3年)

デキる営業マンほど、お客様をよく見ている…?

○ドラマの中でエリート営業マン足立(千葉雄大)がお客様の好みに合わせてネクタイを替えていたのですが、実際、お客様に合わせて服装や小物をかえることはあるんですか?

Cさん「その人に合わせてってことはあまりないですけど、契約の時はこの服装にする、みたいな「勝負服」を決めている人は結構いんじゃないですかね」
Bさん「たしかに。あと、もしお客様の好みが分かるなら服装も合わせていくかな」
Aさん「そうだね、お客様に心を開いてもらうため努力をするのは、不動産業界に限らず営業マンとして当然のことだと思います」
筆者「なるほど……逆にいうと、それだけお客さんをよく見てるってことですよね?」
Dさん「そうですね、特に新築物件の営業さんとかはよく見ているって話ですよ。服装や持ち物、車とかも」
Cさん「そうでしょうね、そのお客様が本当にその物件を買える人なのか、冷やかしじゃないか確かめる必要もありますからね。デキる営業マンなら特に見ている人も多いんじゃないでしょうか」

なるほど……お客さんの好みに合わせるというと、なんだか媚びている感じにも見えますが、お客様との信頼関係を築くためにも必要な方法ということのようです。
その一方で、お客さんの服装や持ち物も結構見られているそう…!お家を探すときは、ちょっといい服装で行っても良いかもしれません。(笑)

現実にいる「営業所荒らし」はろくでもない奴!?

○三軒家万智(北川景子)は、成績はいいけれど態度にやや難ありで「営業所荒らし」と言われていましたが、こういう「営業所荒らし」って実際に結構いるものなんですか?

Dさん「一匹狼みたいな人で、営業成績がいいって人はいますね。フルコミッション(完全歩合制)で営業している人は、そういう人が結構多いと思います」
Aさん「そうですね、デキる人だけど扱いづらい人は結構います。結果を出してくれるから、会社も放っておくみたいな」
Cさん「でもそういう人って、大手にはあまりいないイメージがあります。もしくは会社を転々としていたりとか…」
Dさん「ろくでもない奴が多いですからね。(笑)地場業者の人に特に多いんじゃないでしょうか。数字をあげれば、会社にもこなくていいみたいな」
Bさん「不動産業界だけでなく、保険業界とかにも結構あることなんじゃないですかね?」

やはり、デキるけどやや難ありな営業さんはいらっしゃるようですね…。そして、それは不動産業界だけでないはないという噂も…!お客から見るといい人のようなので、本当に問題のある人じゃないければ、こちらはあまり気にする必要がないのかもしれません。

お客様を焦らせるのは不動産業界では常套手段!

印鑑

○煮え切らないお客さんを煽るために、ニセのお客さんを用意して契約書にサインさせてましたが、こういうことってよくあることなんですか?

Cさん「業者によっては、ドラマのようにニセのお客さんを用意することもあると聞いたことがあります」
筆者「ええ……本当にあることなんですね!」
Aさん「モラルのない会社は、結構やってると思いますよ」
Cさん「同じ物件を前向きに検討しているお客様が他にもいると話すのは、不動産の営業マンならわりと誰でもやっている手段だと思います。でも人まで用意するのはなかなかやらないかな…」
Dさん「ニセモノを用意することはありませんけど、営業同士でお客様をわざとバッティングさせることはありますよね」
Bさん「ありますね。お客様をちょうど入れ違いになるようにするとか、物件の案内の人に「明日もよろしくお願いします」と言って、暗に他にもお客さんが見に来る人気の物件なのだとお客様に思ってもらうとか…」

家を買うときに営業さんが「他にも検討している人がいる、早くしないと売れてしまう」と言われるというのは、筆者も聞いたことがありましたが、ニセの営業やお客の登場や、わざと本物のお客様をバッティングさせて煽る手段もあるのは知りませんでした。筆者も賃貸物件を検討していた時、何かと次の内覧者とバッティングしていたことを思い出し、あれも営業手法だったのかもしれない……とゾクッとしました。(笑)

決して古い習慣ではない、未だに残る力づくの営業

営業

○白州美加(イモトアヤコ)が駅前でサンドイッチマンをさせられていたり、同じ営業所の屋代(仲村トオル)布施(梶原善)が昔は手に粘着テープで電話を固定させられたり、徹夜でビラ配りをさせられたというエピソードを披露していましたが、これって不動産業ではよくあることなんですか?

Aさん「流石にガムテープで固定は……。(笑)でもそれくらい必死にテレアポさせられる会社は結構あるんじゃないですかね。ビラ配りも今でもよくありますよ」
Bさん「ありますね。その月、数字が上がってないと上司から「配ってこい」と言われて行くこともありました。看板を持って立ってる営業さんは今もよく見かけますよね。売れるまで休みが無いとか…そういうのが辛くて辞める人も多いみたいです」
Cさん「以前聞いたんですが、会社全体のルールとしてテレアポ時間を決めているところもあるらしいです。電話もヘッドセットにして、電話番号もシステム化してワンタッチで掛けられるようにしようとしてるとか…」
Aさん「不動産会社に限らず、営業を強みにする会社ではよくあることだと思いますよ」
Dさん「そうですね。わりと普通かもしれません。電話は1コール以内にとるのが普通とか」
Aさん「ありますね。(笑)粘着テープで固定はしませんでしたけど、耳から受話器は離さない状態でずっと電話していることはよくありました」

…どうやらドラマの中で語られていたことは、さほど盛った話でもなかったようです。別で不動産営業マンの知人にも話を聞いたところ、手に電話を粘着テープ固定は実際にあった話だそう。ゴリゴリの営業を経験したことのない筆者は震えるばかりでしたが、皆さんは案外楽しそうに話されていて「営業マンってたくましいな…」と思いました。

大切なのはお客様の心の底にある要望を読み取ること!

要望を読み取る

○1話では、万智がお客様の要望とはかなり異なった物件をおすすめし、契約に至っていましたが、実際営業する中で、お客様の要望と違う物件をおすすめすることはあるんですか?

Cさん「これは、営業マンの腕の見せどころの部分ですよね」
Dさん「そうですね。仲介業者の営業マンなら結構あることじゃないかと。実際に、マンションご希望のお客様の要望を聞いている内に、戸建ての方が良いんじゃないかなと思ってお勧めしたことがあります。間取りの変更についても結構ありますね」
Cさん「お客様が口で言う要望と、心の底で求めているものが違うということはよくあります」
Aさん「ドラマなので少し過激なやり方には見えましたが、こういう営業ができる万智は、すごい営業マンだなとも思いました。お客様の家に行って家族の抱える問題から、家族の求めるものまで見抜いて提案してるんですから」
Bさん「すごいですよね。お客さんの住む家の庭にある枇杷の木を折って挿し木にしてるし」
Aさん「完全に器物損壊ですよ。(笑)でも、お客様ご家族の内情を知ろうと努力して、本当に求めるものを提案しようとする熱意は、素晴らしいと思います。でも一緒には働きたくないですけどね。(笑)」

ややドラマらしい演出が入っているものの、万智の行動は営業ウーマンとして高評価な様子。しかし、テーコー不動産の皆と同じく、難ありの彼女と一緒には働きたくないようです。(笑)

次回は、引きこもりの息子がいる一家の住み替えがメインのお話となってくるようです。引き続き「家売るオンナ」をレポートしていきたいと思います!

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最終話 さらば三軒家万智!進退をかけた最後の家爆売り!

- 2016年07月14日