【北川景子主演:家売るオンナ第2話】お客様の隠したいところが営業マンの見たいところ!?

先週に引き続き、家売るオンナ2話「常識に囚われるな! 天才的不動産屋VS最強ひきこもり!!」が放送されましたね!
脚本家の大石静さんが先週の1話よりも先に作った台本だそう。脚本家さん肝いりの回でしたが、皆さんはどうご覧になったでしょうか?
不動産をきっかけにお客様の人生をデザインしていく北川景子演じる三軒家万智の姿に、畏怖だけでなく少しずつ愛着を持ち始めている人も多いのでは?

20年もの間引きこもりを続けている息子・良樹(よしき)役にビビる大木を招いた第2話、早速あらすじをチェックしていきましょう!
(ドラマを見たい方は、日テレオンデマンドhulu、7月27日までは日テレ無料(TADA)でご覧になれます)

「家売るオンナ」2話のあらすじ

※ネタバレしておりますのでご注意ください。

1話の最後に、スーパー営業ウーマン三軒家万智(北川景子)の住む家が事故物件だと知ってしまった庭野(工藤阿須加)。オフィスで驚愕していると、すぐそばには帰ったはずの万智が。万智に詳しく聞くと、事故物件の大豪邸に住む理由は月々5万円の激安の家賃だから。庭野が驚いていると「住み替えを検討している」と問い合わせの電話が入る。

翌日、庭野は電話のあったお家を訪問する。依頼主は60代の城ヶ崎夫妻。妻(木野花)は息子が独立し、二人暮らしのため「階段のない狭いマンションに住み替えたい」と話す。しかし、色々話をしている間に誰もいないはずの2階から物音が聞こえたり、見せてもらえない部屋があったりと不審に感じる庭野。
また、5000万円で売れるであろうと仮定し、4000万円程度のマンションを提案していると、城ヶ崎夫妻は、2000~2500万円のマンションを提案してほしいと理由も言わずに頼んでくる。ますます、不思議に思っている庭野。その違和感に気づく万智。

城ヶ崎家の不審な点を聞きつけた万智は庭野に同行し、二人は再び城ヶ崎家を訪問。万智は夫妻に会うとすぐ「本当に二人暮らしなのか?」と問いかける。すぐに答えない夫妻を見て、万智は突然家の火災報知機を鳴らし、「火事だー!」と叫び始める。すると2階から独立したはずの息子良樹(ビビる大木)が降りてくる。良樹はなんと20年もの間、部屋からほとんど出てこないという引きこもりだった。城ヶ崎夫妻は息子のために質素な家に住み替え、少しでもお金を残そうと考えていた。そんな夫妻の要望に、万智は「引きこもりの城」を提案することを約束する。

「引きこもりの城」 として万智が提案したのは、もともと売却依頼を受けていた2LDK・2500万円のマンション。中にはボルダリング仕様の壁が備え付けられており、息子の運動不足やストレスの解消になると提案。万智は居住用の部屋だけでなく、向かいの1LDKで2000万円の物件も合わせて購入することを勧める。予算をオーバーするどころか2つの物件購入を勧めてくる万智に城ヶ崎夫妻は困惑する。
居住用のマンションのみで十分なはずが、なぜ賃貸物件の購入も勧めたのか?それは万智が提案する、引きこもりが生き延びるための「最強サバイバルプラン」だった。

2LDKの部屋だけを購入し、城ヶ崎夫妻が亡くなった場合、良樹が働かずに生きていけるのは10年弱。それ以降は月々11万円の生活費をヨシキが自分で稼ぎ払わなければならない。
しかし1LDKの部屋を一緒に購入し、賃貸として貸し出せば家賃収入を得られるため100歳まで引きこもりのまま生きられると説明。それを聞いた城ヶ崎家は2LDKと1LDKの2部屋を購入することに決める。良樹には社会復帰してほしいと考える一方で、20年間も引きこもり、40歳を過ぎてしまった息子が、今から就職するのは難しいと考えていた城ヶ崎夫妻。二人が心の奥底にしまっていた思いを汲んだ万智の提案を、夫妻は受け入れることにする。そして今回も、庭野のお客様は万智にとられてしまい、万智の売り上げになってしまった。(次回へ続く)

不動産の裏話は、業界の人に聞いてみよう

不動産業界万智×庭野コンビと、若手営業マン足立(千葉雄大)×美加(イモトアヤコ)コンビが定着し始めましたね。また、妙に哀愁を感じさせるベテラン二人、屋代(仲村トオル)と布施(梶原善)のやりとりも筆者としてはかなり気に入っています。(笑)

第2話では、最近巷で話題になっている「事故物件」のことや、「お家の査定」など前回より少し専門的な内容も増えてきました。今回も前回と同じく不動産業界に身を置く方々にお声がけし、色々お話を聞いてきました。

<ご協力いただいた方々>
Aさん(不動産業界歴8年)
Bさん(不動産業界歴10年)
Cさん(不動産業界歴10年)

万智の住んでいる豪邸は月5万円の「事故物件」。「事故物件」はそこまで安くなるもの?

家売るオンナ_マーブルヒルスタジオ

万智の家として撮影に使われている「マーブルヒルスタジオ


―2話の冒頭、万智の住んでいる豪邸が月々5万円の「事故物件」だったことが判明しましたが、「事故物件」はそこまで安くなるものなんですか?

「賃貸だとすれば、かなり極端だと思いますよ。事故物件は安くなっても1~2割くらいだと思います」(Aさん)
一般的に賃貸では、たとえ事故物件だとしても、ここまで破格な賃料で貸し出されることはほぼないそう。事故物件を売買する場合についても、通常の価格では買う人がいないため安くする、というだけで極端に価格を落とすことはないのです。先日、千葉県で通常なら億単位になる豪邸が、事故物件であるため1000万円以下で売られているのがニュースになっていました。そういうことは、かなり稀なケースなのです。

「そもそも、事故物件の定義がかなり曖昧なので、程度や内容にもよります」(Cさん)
一言で「事故物件」と言っても、殺人などの事件・事故以外にも孤独死や自殺など、どこまでを事故物件とするかが曖昧なのが現状。その上、マンションなどの複合住宅になればより難しくなります。
その部屋の中で起こっている場合もあれば、お隣などの近所で起こる場合、廊下などの共有部分や敷地内で起こる場合など、ケースは様々です。どこで起きた、どのような出来事を、いつまで告知し続けなければいけない、という定義がないため、物件を探している不動産会社の営業さんに知らされないこともあるのです。

「以前ある物件の内覧へ行ったら、お客様から「ここの物件、以前人が死んでいませんか?」と聞かれた時があって。物件を管理している会社の方に詳しく聞いたら、事故物件だったということもありました。一緒に内覧したお客様には、何か見えていたみたいで…」(Bさん)
まるでホラーのような話ですが、実際にあった話なのだそう。物件を売り出す側の不動産会社やオーナーがあえて告知しない場合もあり、後々トラブルになることも多いようです。直近の事故・事件などについては「告知事項あり」として物件の図面や重要事項説明書に記載されているそうなので、気になる方は面倒がらずにしっかり確認したほうがよいかもしれませんね。

ドラマでも行っていた「訪問査定」って?

査定―万智はマンションを、庭野は一軒家を売るために訪問査定をして金額を出していましたが、「査定金額」ってどう決めてるんですか?

「実は査定の金額は、事前にあらかた決まっているんです」(Aさん)
マンションと戸建てでは異なりますが、実は査定で提示する金額は、営業さんの事前準備の段階で決まっています。マンションの場合、その建物の立地や構造、階層や広さ、部屋の向きなどが分かれば概ねの相場を出すことが出来ます。それに合わせて部屋の中がどれだけ新築に近い状態に維持管理出来ているかを目で見て判断し、そのベースの査定額を増減させていくのです。

「ですから万智のように、見て回った結果「2500万!」と即決するようなことはないんですよ」(Cさん)
もちろん万智のことですから、事前に下調べを行ってないとは考えにくいですが、訪問して1から査定額を出すことはないのが一般的。一軒家の場合も、それぞれ間取りが違うためマンションほど事前に情報は集められないため査定が難しいものの、土地の価格が軸になった査定額になることが多いため、概ねの査定額を出しておくそう。

査定ポイントを聞いてみると、プラスになるのはもきれいに住んでいること。また、築年がある程度経っているお家であれば、リフォームがされているかも査定額に影響します。また、水回りに不備がないかなどのチェックも細かく行っていきます。マイナスになるのは、部屋に使用感が出てしまっている場合。ペットを飼育しているなどの理由で、床や壁が傷ついていると床や壁をリフォームしてから引き渡すことを条件にして販売するなど、売るまでの手間が増えてしまうこともあります。

「以前仙台のお家を査定するときは、ビー玉を持って査定してました。震災の被害の大きかったエリアだと、家が傾いてしまっていて、後々クレームになることもあったので」(Bさん)
お家の中をビー玉でチェックされるほどの徹底ぶりは、流石ですね。最近はホームインスペクターと呼ばれるそのお家の状態や耐久性等を鑑定する資格を持つ人を同行させ、査定額を出している不動産会社もあるんだとか。適正な金額で売買をするための工夫ですね。

―今回の城ヶ崎夫妻の家のように、見せたがらない部屋ある場合はどうするんですか?
隠す「見せない理由が「引きこもりがいるから」なら、別に査定額には影響はないので別に良いですが(笑)、何か査定額に影響が出るような物事がある場合もあるので、全部見せてもらいます」(Aさん)
たしかに、引きこもりはお家の査定額には影響しないですもんね。(笑)
しかし、それ以外による理由だと査定額と変わってしまうため、ちゃんと見せてもらう必要があるのです。

「これまで訪問査定の際に部屋を隠されたことはないですね。万が一隠されるようなことがあれば相当困ると思います。隠したいところほど査定が必要なので…」(Aさん)
訪問査定は机上査定で出した価格の整合性を確認するためにもとても重要な場。内覧で欠点を隠すのは是も非も言えませんが、査定の際は包み隠さずお家を拝見させていただきたい、というのが営業マンの本音のようです。

今回は2話の内容に基づいて、事故物件と訪問査定についてお話を聞きました。
次回は物が多く部屋を片付けられない女性と、出来るだけ物を持たないミニマリストの男性の住むお家を万智が探すことになるようです。次回も目が離せませんね!

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- 2016年07月21日