立地と価格、不動産投資はどっちが大事?

「立地は良いが相場より高い物件」「立地は悪いが相場より安い物件」
この2つの物件を比較すると、どちらの物件が不動産投資に向いているか・・。不動産投資の世界では「立地」か「価格」かという議論はよくされます。結論から言うと「価格」を優先させて物件選びをした方が成功するケースが多いです。勿論、価格が「高い」、立地が「悪い」という度合にもよりますので、一概には言えません。ただ、不動産投資にまつわる「リスク」を軽減でき、「メリット」を享受できるのは「価格」を優先した場合が多いのです。

目次

1.不動産投資をする上で最も大事な事
☞安定性について
☞継続性について

2.不動産のリスクについて
☞空室リスク
☞家賃下落リスク
☞流動性

3.なぜ「立地」より「価格」を優先させるべきなのか
☞安定性というメリットと空室リスクを考える
☞継続性というメリットを考える
☞流動性のリスクを減少する
☞家賃下落リスクを軽減する

4.まとめ

1.不動産投資をする上で最も大事な事

キーポイント不動産投資をする上で最も大事なことは「安定した収入を継続的に得る」という事です。なぜなら、この「安定性」と「継続性」が不動産投資の魅力だからです。また、不動産投資のリスクは「空室になること」と「家賃が下落すること」の「流動性」の3点です。
まずは大事な事である2点についてお話します。

安定性について

具体的に安定性というのは家賃収入の事です。家賃収入が滞納される確率は極めて低いですし、空き部屋になることも頻繁にあるワケではありません。また、満室時にも不動産会社が家賃を保証してくれるサブリース契約を結べば、更に安定性は増します。

単純に家賃収入が毎月入ってくるだけでなく、損失を被る可能性も低く、もし被ったとしても損失額は低いです。この損失の小ささも不動産投資のメリットである「安定性」と言えるでしょう。

継続性について

不動産投資は一度物件を購入してしまえば何年も保有し続け継続的に利益を得られます。例えば株取引の場合は、数年単位で株を保有する買い方もありますが、頻繁に売り買いするトレードよりは薄利になります。また、株取引の魅力である流動性が高いという点を活かせていません。

その点、不動産取引は一度購入してしまえば大した手間もかからずに利益を継続的に得られるというメリットがあります。

2.不動産のリスクについて

リスク続いて不動産のリスクについてお話します。

空室リスク

不動産は空室になると家賃収入が入ってきません。そのため、空室になるというリスクが最も大きなリスクです。解消する方法として最もポピュラーな方法は家賃を下げる事です。

家賃下落リスク

周辺環境や市況によって家賃が下落するリスクがあります。家賃が下落するという事は賃料収入が減ります。もし、支出(ローンの支払いやラニングコストの合計額)が収入を上回ってしまったら、毎月赤字を計上することになります。この解消方法も、そもそも家賃を適正価格にしておくという点です。

流動性

流動性については、他の投資商品に劣ります。不動産を売却する時には最短でも1ヵ月程度かかりますし、引渡の決済までであれば通常4か月程度かかります。この点を解消するためには、「売るチャンス」を少しでも多くすることです。それは低価格の物件を購入することに尽きます。

3.なぜ「立地」より「価格」を優先させるべきなのか

価格前項で「売るチャンス」を多くするために、価格の安いものを購入すべきというお話をしましたが、そう言うにはいくつかの理由があります。
それぞれご説明しましょう。

安定性というメリットと空室リスクを考える

安定性というメリットを受け続け、空室リスクを低く抑えるためには「適正な家賃設定」が大切です。何故なら、いくら立地が良くても相場より家賃が高いと、「競合物件」によっては空室リスクが発生し安定的な収入が得られないからです。

安定性を保ち空室リスクを解消する方法は、いかに「競合物件」を排除するかにかかっています。いくら立地が悪いといっても賃借人が全くいないというレベルでない限りは、ターゲットはいます。そのターゲットを少ないパイの中で拾うためには家賃を下げる事が最も効果的です。相場より価格が安い物件は家賃も相場以下に下げられますので、安定性を保ちやすく、空室リスクを抑えられるのです。

継続性というメリットを考える

継続性の観点からも、やはり「立地」より「価格」を重視した方が良いです。なぜなら価格が安いという事は諸費用も安く、ローンの支払いも安いという事だからです。不動産投資において、継続性が保てないという状態は「物件を手放さざるを得ない」という状況です。

諸費用が安いという事は手持ち資金の捻出も少ないという事であり、ローンの支払いが安いという事は手持ち資金の減少を抑えられます。つまり、資金が足りなくなるリスクを抑える事ができ「継続性」を保ちやすいという事になります。

流動性のリスクを減少する

流動性のリスクを抑えるためには、キャピタルゲインを考える必要があります。不動産投資の売買の場合には、賃借人がいる状態でも売却可能です。つまり、賃借人から家賃収入を得ている状態で、周辺の相場を見ながら「売り時」に売れば良いのです。売りに出している間も家賃収入を得られますし、高く売却出来なそうであれば売却を見送れば済む話です。

ただし、高い物件を買ってしまうと、中々この選択肢がとれません。市況があまりに良くないと相場以上で売却出来る「売り時」自体が少ないからです。一方、多少立地は悪くても相場より安ければ「売り時」のチャンスはあります。売り時が多いという事は「流動性」というリスクを払拭できるという事です。

家賃下落リスクを軽減する

家賃が下落する状況になるのは、「安定性というメリットと空室リスクを考える」でお話した「競合物件」という観点があります。

家賃が下落するという事は競合物件と比較をされて賃借人が来ないというケースが多いです。競合物件とは、基本的に相場価格ですので、相場以上の家賃設定をすれば賃借人が来ないのも当たり前です。そのため、相場以上で物件を購入してしまうと、相場以上の賃料設定になり、結局下げざるを得ない状況になるリスクが高いのです。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。このように不動産投資のメリットを享受でき、リスクを解消できる投資は「価格」
を優先した投資であることが分かったと思います。但し、冒頭でも言ったように「立地がどれほど悪いか」の度合いによるところは大きいです。最低限、一定の賃借人の母数は確保出来る上での「立地の悪さ」と認識ください。

- 2016年08月03日