不動産売買の際は要注意!流れに身をまかせがちな重要事項説明書で見るべき18個のポイント

重要事項説明書をご存知ですか?

不動産を取引するときに説明を受ける書類です。
内容を説明している宅建士(宅地建物取引士)から「よろしいですか?」と尋ねられ、思わず「はい…」と答えてしまう方が少なくありません。

しかし、本当に理解できているのでしょうか?

重要事項説明書の内容は、文字通りとても重要です。
今回は、重要事項の説明を受けるうえで、これを押さえておけば大丈夫というポイントについてご紹介します。

目次

1.重要事項説明書が必要な理由

2.重要事項説明書のあらまし
☞重要事項説明は誰にするの?
☞重要事項説明は誰がするの?
☞重要事項説明はいつするの?

3.理解しておかなければならない重要事項説明書のポイント
☞3-1.取引物件についてのポイント
・登記された権利
・法令にもとづく制限
・私道負担の有無
・飲用水、電気、ガスなどの供給や排水の整備状況
・不動産の存在する区域
・建物の診断や評価
☞3-2.マンションの場合に気をつけなければならないポイント
・敷地についての権利の種類
・共用部分についての規約の定め
・専有部分の用途その他の利用の制限
・修繕積立金や管理費を減免する定めがある場合
・修繕積立金や管理費の規約および積み立てられた額
・管理を委託している場合の管理先
☞3-3.取引条件についてのポイント
・契約の解除について
・損害賠償額の予定や違約金について
・手付金等保全措置について
・金銭の貸借のあっせんについて
・瑕疵(かし)担保責任に保証保険契約を締結するかについて

4.最後に

1.重要事項説明書が必要な理由

なぜ?重要事項説明書は、不動産を購入してから後悔しないために必要とされています。
不動産とは高価な買い物です。

後で、「しまった!」は許されません。
たとえば、家を建てたいと思い、まず土地を購入しました。

ところが後で、その土地には家を建てることができないと分かったら、どうします?
どうしようもありません。

そこで、「知らなかった」という悲劇を避けるために「宅地建物取引業法」という法律で、不動産業者に重要事項を説明することを義務付けているのです。

2.重要事項説明書のあらまし

重要事項説明書のポイント説明の前に、重要事項説明の流れや時期についてご紹介します。

2-1.重要事項説明は誰にするの?

売買の場合、重要事項説明書を交付しなければならないのは、不動産を買う方 です。
なぜなら、これから使用する不動産についての知識がありません。

逆に不動産を売る方に重要事項説明書を交付する必要はありません。
なぜなら、自分の不動産なので、おおよそのことは分かっているからです。

説明する宅建士よりも詳しいかもしれません。
それに、手放す不動産に興味がある方が多いとは思えません。

2-2.重要事項説明は誰がするの?

重要事項説明書の交付義務は不動産業者が負います。
重要事項の説明をするのは、宅建士という不動産の専門家です。

説明をするときには、宅建士証を見せることになっています。
宅建士証を確認するのもポイントのひとつです。

2-3.重要事項説明はいつするの?

重要事項説明書を交付して説明するのは、契約が成立する前になります。
なぜなら、重要事項の説明を受けてから購入するかどうかを判断するからです。

たとえば、家を建てるために土地を購入するつもりなのに、家が建てられない土地だと分かれば契約をしなければ問題ありませんね。
これが重要事項説明書のポイントを押さえておけば、購入後に後悔することにならない理由です。

3.理解しておかなければならない重要事項説明書のポイント

とはいえ、重要事項説明書を見たことがある方は、法律用語の詰まった意味不明の文章が並んでいるように思う方が少なくありません。

ところが、そもそも法律とは、誰にでも理解できることが定められているはずです。
誰にも理解できないことを定めて「違反した」と言うのもおかしな話ですから。

ちょっと使用しているコトバが難しいだけなので、意味さえ分かれば何でもありません。
分かりやすく説明しますので、ご安心ください。

3-1.取引物件についてのポイント

重要事項説明書に記載されている、購入する物件についての内容です。
気をつけなければならないポイントをご紹介します。

・登記された権利

取引の対象となっている不動産に、どのような登記がされているかを確認しなければなりません。

たとえば、購入しようとしている不動産に対して抵当権が登記されている場合には、いつ抹消されるのかを確認しておいてください。
万が一抵当権が実行されると、せっかく購入した不動産を失う可能性があります。

抵当権とは、たとえば、銀行からお金を借りるとき、返せない場合に備えて銀行が借りる方の不動産を担保(保証)に取ることです。
売主が借りたお金のために購入した不動産を手放すのでは堪ったものではありませんね。

・法令にもとづく制限

法律により、家が建てられない区域があります。
また、地域により建てることのできない種類の建物もあるため確認が必要です。

土地により建物の建ぺい率や容積率が指定されているので、広い家を建てたくても建ぺい率による敷地面積の制限や、容積率による大きさの制限が定められています。

希望している建物が建てられるのか、また敷地面積や大きさの制限はどれくらいかを具体的に確認しておきましょう。

また、中古物件を購入するときの注意点として、原則として、敷地が幅4メートルの道路に2メートル以上接していないと、家を新築することができません。
建替えができないので、リフォームで我慢するしかないのです。

・私道負担の有無

私道負担とは、取引対象の土地の一部が道路になっている場合です。
道路を勝手につぶすわけにはいかないので、その分、自由に使える土地の面積が少なくなります。

具体的には、自宅が公道に接していないため、ご近所の方と共同で、土地を負担しあって道路を作るような場合です。
ご近所の方のうちの誰かが、自分の土地だからと言って、勝手に道路をふさぐと通れなくなってしまいますね。

・飲用水、電気、ガスなどの供給や排水の整備状況

飲用水・電気・ガスの供給がないと、まず生活していくのは難しいでしょう。
今は供給されていなくても、いずれ供給されるのであれば、その整備状況を確認しなければなりません。

未整備の場合で、整備のために費用の負担をしなければならないのであれば、金額の確認も必要でしょう。
排水の処理についても公共の下水道で処理されるのかを確認してください。
「排水だから、外にまけばいい」は、トラブルのもとです。

・不動産の存在する区域

近頃、自然災害による被害が後を絶ちません。
そこで、そもそも危険な区域かどうかの説明があります。

「土砂災害警戒区域」「造成宅地防災区域」「津波災害警戒区域」であれば、説明しなければならないとされています。
長い人生何があるか分かりません。
「危ないよ」と言われる区域に住みたくないのであれば、聞き漏らさないようにしましょう。

・建物の診断や評価

「耐震」についての診断や「品質」についての評価を受けた住宅であれば、重要事項として説明しなければなりません。

つまり、建物の地震に対しての強さや品質の高さを証明しているのです。
「耐震改修促進法」や「「品質確保の促進等に関する法律」にもとづくものなので、信頼できるデータと言えます。

3-2.マンションの場合に気をつけなければならないポイント

マンション重要事項説明書に記載されている、マンションを購入する場合に気をつけなければならない、マンションに特化したポイントです。

・敷地についての権利の種類

当然、マンションについても敷地はあります。
建物メインで、あまり気にはならないかもしれませんが…。

たとえば、分譲マンションであっても、敷地については、「所有権」の場合があれば、「賃借権」の場合もあります。

敷地について所有権であれば問題ないのですが、賃借権であれば、地代が発生します。
分譲マンションを購入したという認識でも、敷地の権利が賃借権であれば、地代の支払は必要です。

・共用部分についての規約の定め

共用部分とは、マンションの誰々のみが使用するというような性質のものではなく、マンションの住人が共同で使用する部分です。
玄関・廊下・階段・エレベーターといった、住人が共同で使用するのが当然と思われる部分が「法定共用部分」になります。

ところが、本来マンションの一室として使用できるにもかかわらず、規約によりマンションの管理人室として利用するような場合があります。
規約で定めているので「規約共用部分」というのです。
規約とは、マンションの法律のようなものなので、しっかり確認しておきましょう。

・専有部分の用途その他の利用の制限

たとえば、専有部分でもペット飼育禁止やピアノ演奏禁止などが定められていることがあります。
また、店舗にしてはいけないなどの使い方のルールもあります。

専有部分とは、たとえば101号室のような、マンションの住人が単独で所有し、自分だけで使うことのできる部分です。

しかし、マンションのように共同生活を営むような場合、所有権があるからといって、戸建てのように勝手なことができるわけではありません。
専有部分であっても禁止されることがあるのを認識しておきましょう。

・建物や敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す場合
具体的には専用駐車場や専用庭などのことです。
使用する方が決まっている場合には、説明を受けておかないと、うっかり使用してしまいますね。

・修繕積立金や管理費を減免する定めがある場合

修繕積立金や管理費を支払う必要のないお得な方がいるのでしょうか?
実は、分譲マンションを売却する分譲業者のことです。
売却するまでは、分譲業者が所有者ですね。

本来であれば、修繕積立金や管理費を支払わなければならないのを免除しているのです。
○○号室の誰々さんではないので、ご安心ください。

・修繕積立金や管理費の規約および積み立てられた額

中古マンションを購入するようなケースには、特に注意しなければなりません。
規約があるにもかかわらず、積立額が少ないようなケースは、滞納者が多いということになります。

滞納が多いマンションでは、定期的な修繕がとどこおる可能性が高く、資産価値から見ても、お得な物件とはいえません。

・管理を委託している場合の管理先

どこが管理しているのかを知らなければ、何かあったときに困るのは言うまでもないでしょう。

3-3.取引条件についてのポイント

条件重要事項説明書に記載されている、契約について気をつけなければならないポイントをご紹介します。

・契約の解除について

原則として、一度交わした契約は解除することができません。
約束したのだから当然ですね。
しかし、例外もあります。

たとえば、解約手付けというのを聞いたことがありませんか?

一般的に買主は契約時に手付金を支払います。
買主はその手付金を放棄することで契約を解除することができます。
売主から契約を解除する場合には、受け取った手付金を返し、さらに手付金と同額を買主に支払うことで契約を解除できます。

その他にも、契約などで定めた解除方法があれば、どういう場合に解除できるのか、その手続や効果を確認しておきましょう。

・損害賠償額の予定や違約金について

損害賠償額の予定や違約金を設定するのかを確認してください。
なぜ、損害賠償額などを予定するかというと、契約違反があっても損害額を証明することは難しいのです。
そこで、「○○したら××円支払う」と、あらかじめ決めておけば、損害額を証明しなくてもすみますね。

・手付金等保全措置について

手付金等保全措置とは、手付金や中間金などの、契約日から物件引渡しまでに支払われたお金を対象にして、万が一不動産業者が倒産しても返せるようにする仕組みです。
具体的には、不動産業者と銀行による保証契約や保険会社による保険契約になります。
確認しておかないと、いざというときに慌てることになりますよ。

・金銭の貸借のあっせんについて

金銭の貸借のあっせんとは、不動産業者が買主のために購入資金を借りる金融機関を紹介することです。

また、住宅ローンが成立しなかった場合の措置も大切です。
一般的には、ローンが成立しない場合には、売買契約自体がなかったことになります。

・瑕疵(かし)担保責任に保証保険契約を締結するかについて

瑕疵担保責任とは、売主が物件を売却後、買主が物件の雨漏りやシロアリの被害を発見したときの売主の責任です。
売主が瑕疵担保責任を負うために銀行と保証契約や保険会社と保険契約を結んでいれば、安心できますね。

4.最後に

いかがでしたか?

重要事項説明書には、さまざまなポイントがあります。
しかし、まったく理解できないというような内容は少なかったと思います。

しっかりとポイントを押さえて、重要事項の説明を受ければ大丈夫です。
少なくとも契約後の大きなトラブルは避けられるでしょう。

ところが、ポイントを押さえたつもりでも、いざ説明を聞くと緊張とプレッシャーで、結局、何がなんだか分からずに終わる方も少なくないかもしれません。

そこで、不動産業者から、あらかじめ重要事項説明書のコピーをもらっておくことをおすすめします。

自分なりにポイントを確認しておくのです。
分からないことがあれば当日に確認すればOKです!

- 2017年10月11日