【売り時はいつ?】中古マンションの価格上昇はいつまで続くか考えてみた

不動産価格上昇
近年、様々な記事やサイトで新築・中古マンションの値上がりが報告されています。実際に新築マンションにおいてはオリンピック需要や材料費の高騰、現場の人材不足などによりその価格が高騰していると言えます。また、中古マンションにおいても記事によってはリーマンショック前のミニバブル並みの価格水準に戻りつつあるという内容も目にします。

マンションの売却を考えている方にとっては、マンションは高く売れるときに売りたいと思うものでしょう。しかし、この『高く売れるとき』の判断は非常に難しく、個人で簡単に判断できるものではありません。そこで本日は、ここ2年間の中古マンション価格推移を検証するとともに、いつまで価格上昇が続くのかという点について考えてみたいと思います。

 

過去2年間の成約単価をグラフにしてみた

まず、東日本不動産流通機構が公開している月間マーケットレポートの内容を参考に、2012年から2014年までの東京23区内の中古マンション成約単価を抜き出しグラフにしてみました。東日本流通機構は不動産会社専用の不動産データベース(レインズIP)を運営しており、そのデータベース情報を基に正確な成約単価を収集する事が可能です。

東日本不動産流通機構のマーケットレポートに基づく価格チャート表

グラフからもお分かりいただけるように、2012年から平米単価は緩やかに右肩上がりとなっています。2012年1月と2014年12月では平米単価に約10万円もの差が出ています。平米単価が10万円上昇という事は、2012年に比べて1平米あたりの価格が10万円上昇しているという事ですから、単純に考えて50㎡のマンションでは価格に500万円もの差が出ることになります。つまり、2012年1月では2725万円(50㎡・54.5万円)だったマンションが、2014年12月では3250万円(50㎡・65万円)になっている計算です。ここでは、分かりやすく解説するために経年による減価償却等は考慮していません。この東日本流通機構のマーケットレポートからも、中古マンション価格が上昇している事は間違いないと言えます。

 

ただし、23区外は微々たる変化に留まる??

上記グラフから中古マンション価格が上昇している事がお分かりいただけると思いますが、注意点として上記のグラフは東京都23区のみの成約単価を集計したグラフとなっています。マーケットレポートの23区外に目を向けると、東京都23区外、埼玉県、千葉県、横浜市および川崎市、その他神奈川県の中で23区に次いで上昇の傾向を見せているのが横浜市および川崎市エリアとなっていますが(2012年1月から平米単価にして約4万円の上昇)、それ以外のエリアについてはそれほど高い上昇率ではありません。

価格が上昇している地域とそうでない地域の2極化が進んでいる、またはその他エリアについても今後上昇の兆しを見せる事になるのかもしれません。ただし、リーマンショック前のミニバブルと呼ばれた際でも、都市部とそれ以外の地域では価格の上昇率に大きな異なりがあったという結果が出ていますので、23区外においては多少の上昇はあるかもしれませんが大幅な上昇には至らないという考えが一般的でしょうか。

 

中古マンションの価格上昇はいつまで続くのか?

では、マンション売却を考えている方が最も気になるであろう今後の展望について。ニッセイ基礎研究所が2015年1月に発表した、不動産投資レポートにおける不動産価格のピークについてのアンケート結果を見てみましょう。このレポートは不動産・建設・金融・投資顧問などの業務に携わる約200名へのアンケート結果を基に報告されています。

▼不動産価格のピークに関するアンケート結果
①2016年~2017年頃(当面上昇サイクルが続く) 51.7%
②現在(既にピークに近い) 24.1%
③2018年~2019年頃(東京オリンピック開催前) 19.8%
④2020年頃(東京オリンピック開催時) 1.7%
⑤2021年以降(インフレ定着など) 1.7%

(※ニッセイ基礎研究所のレポートから抜粋)

アンケートに回答した半分以上の方が2016年~2017年に価格のピークを迎えると回答する一方で、現在既に価格のピークにあると回答した方も25%に近い割合で存在しています。しかし、2016年~2019年までと回答した方の合計が70%を超えている事から、現在~東京オリンピック開催前にかけて不動産価格の上昇が続きピークを迎えるという考えの方が大多数のようです。逆にオリンピック開催時または開催以降と回答した方はほとんどいませんでした。

なお、このアンケートは中古マンションに限定したものではないため(新築・中古の括りがありませんでした)、中古マンションの価格展望と言う事はできないかもしれませんが、中古マンションと新築マンションの価格は似たような軌跡を辿る事が多いため、十分参考にできるアンケート結果ではないかと思います。

マンションを高く売りたいと考える方にとっては、オリンピック開催前までがマンションを高く売るチャンスと言えるかもしれませんね。

まとめ

  • 都内23区の中古マンションの成約平米単価は2012年に比べて10万円も上昇している
  • しかし、23区外については微々たる上昇に留まっている(横浜市及び川崎市を除く)
  • 2016年~2017年に価格のピークを迎えると考えている人が過半数を占める
  • 2017年頃にかけてがマンションの『売り時』・・・かもしれない!?

以上、過去2年間の中古マンション価格推移と今後の価格展望について考えてみました。マンション売却をお考えの方は是非、参考にしてみてください。

マンション売却をご検討中の方は、マンションマーケット(※1)までご相談ください。

※1マンション相場情報サイト「マンションマーケット」:https://mansion-market.com/
全国約10万棟のマンションの相場価格(資産価値)や、過去の価格推移、賃料相場等を公開しています。

- 2015年02月03日