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車を持っていない人にも関係が?マンションの駐車場について購入する前に注意すべきポイント

マンション選びの際に「駐車場」を意識されている方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。 車を持っている方は「駐車場設置率」などはマンションを選ぶ上での判断基準になると思いますが、車を持っていなければあまり気にしない方も多いと思います。

今の時代でも、駐車場が付いているマンションも数多くあります。 平置きや機械式駐車場など、種類は様々ですが、どのタイプでも共通している事は「管理費」と「修繕積立費用」に影響するという事です。 「駐車場があるせいでランニングコストが上がる可能性がある」という点は意外と盲点になっています。今回はそんな「マンションの駐車場」についての注意点をご説明いたします。

駐車場の種類

駐車場

まずは駐車場の種類をご説明いたします。

平置き駐車場

まず一般的なのは「平置き駐車場」です。 一番ポピュラーなタイプだと思いますが、コンクリートに白線などで区切りをつけ、車止めを置くことによって駐車場を造っています。 メリットは「駐車がしやすい」という点と「高さによる制限がない」という点、そして「建築費やメンテナンス費用が安価に抑えられる」という点です。 デメリットとしては「雨風をしのげない」という点と、「敷地が広くないと造れない」という点なので、都心のマンションなどは平置きを造っても、全戸数の10%程度しか造れなかったりと、台数は制限されます。

自走式駐車場

2つ目は「自走式駐車場」です。 これはホームセンターなどで良く見かける、「立体駐車場」と言われるタイプのものです。 平置き駐車場が縦に並んでいるような形状で、ご自身で所定の場所まで車で昇り、駐車をするというスタイルです。 メリットは「雨風をしのげる」という点と「平置き駐車場よりも敷地を有効活用できる」という点です。 デメリットは「建築コストがかかる」という点と「照明費などのランニングコストがかかる」という点です。

機械式駐車場

最後に「機械式駐車場」です。 地下に埋まっているタイプや、上に伸びているタイプなど様々ですが、自走式とは違い機械の操作によってご自身の車を出し入れします。 メリットは「狭い土地でも駐車場をたくさん設置できる」という点と「(機械式駐車場の形状によりますが)雨風をしのげる」という点です。 デメリットは「操作中は操作盤から離れられない」という点と、「建築費用、ランニングコスト、メンテナンス費用がかかる」という点です。

修繕積立費用、管理費への影響

費用

駐車場の種類を説明し終わったところで、次は駐車場がもたらす修繕積立費用と管理費の影響についてご説明いたします。

修繕積立費用とは?

マンションには「長期修繕計画」というものが策定されています。 この計画は「築〇年の時に○○を修繕するために○○万円かかる」という、「いつ・何を・いくらかけて」修繕するのかを細かく盛り込んだ計画になっています。 基本的にはそのマンションを分譲した不動産会社や管理会社が策定し、管理規約と一緒に配布される資料になっています。 この計画によって修繕積立金が決まり、今後上がっていく方式をとるのか、一時金を徴収する方式をとるのかを決めます。

駐車場が修繕積立費用に及ぼす影響

駐車場が修繕積立費用にどう関わってくるかというと、「メンテナンス費用」に関わってきます。 メンテンス費用は「長期修繕計画」に組み込まれており、特に自走式と機械式駐車場の時には注意が必要です。 一千万円単位の費用がかかるケースも珍しくなく、修繕計画にどの程度メンテナンス費用に盛り込まれているかを確認する必要があります。 更に、概ね30年程度で、機械式駐車場であれば設備の総入れ替えをするケースもあります。

しかし、25年計画で作成している修繕計画では総入れ替えコストを見込んでいない場合もあります。 つまり、25年の修繕計画が終了し、新たに修繕計画を組み直す際に、最初から「機械式駐車場の総入れ替え」という莫大な費用がかかる可能性があると言う事です。

「平置き駐車場」の項で申し上げた「建築費、メンテナンス費用を安価に抑える」という点はここで大きなメリットになってきます。 平置き駐車場が修繕積立費用と今後の修繕計画に及ぼす影響は少ないです。自走式と機械式駐車場の中では機械式駐車場が断トツでメンテナンス費用がかかってきます。

管理費とは?

修繕積立費用については駐車場の影響があることを認識していた方もいらっしゃると思います。 しかし、管理費についてはいかがでしょうか。実は管理費の変動リスクが一番高いのは駐車場なのです。 管理費というのは「共用部の掃除費用」「各種点検費用」「管理人駐在費用」などで構成されています。 その管理費を算出する際には、マンションの「収入」も加味しなければいけません。その「収入」が駐車場などの使用料になっているのです。

例えば50戸のマンションで20台分の駐車場があり、全て使用されているとします。 1台の使用料が月1万円だとすると、マンションが駐車場から得る月の収入は「20万円」となります。 この収入を加味した上で管理費は算出されるのです。勿論、駐輪場やバイク置き場などがあれば、それらの月々使用料も「収入」として加味され管理費は算出されます。

駐車場が管理費に及ぼす影響

マンションを契約する時の「重要事項説明書」の中で「稼働率」という文言があります。 例えば「本物件は総戸数50戸に対して20台分の駐車場を設置しており、稼働率70%で計算の上管理費を算出しております。 稼働率がこれを下回った場合に管理費が見直される場合があります」という内容です。

つまり、このマンションは20台の駐車場の70%に当たる14台は常時使用している人がいるという想定で管理費を算出しているという事です。 当然この14台を下回れば、予想していた駐車場収入が得られなくなり、管理費の増額に繋がると言う事です。

エリアによってこの稼働率をどう計算しているかは違いますが、概ね70%~90%程度で計算されている事が多いです。 明らかに駐車場利用が少なそうなエリアで稼働率90%を見越していた時などには注意が必要です。 この稼働率は駐輪場やバイク置き場にも同じような内容で重要事項説明書に記載されているので必ず確認しておきましょう。

注意点

注意点

それぞれの駐車場の種類によってメリット、デメリットがあるのと、修繕積立費用と管理費に影響を及ぼすという点をお話しました。 この章では実際にあったトラブル事例をご紹介します。

機械式駐車場の使い勝手

機械式駐車場を使ったことがない方は注意が必要です。 機械式駐車場は原則操作盤に人が居続けなければ作動しないようになっています。 お子様などが間違って接近してしまった時にすぐ作動停止できるようにするためです。 一般的なパターンとしては、専用のキーを操作盤に差し込み、そのキーをまわし続ける事によって機械式駐車場が作動するという操作方法が多いです。 つまり、雨の日でも傘を差しながら操作盤の前に居続ける必要があり、場合によっては5分程度時間を要する機械式駐車場もありますので割と大変な作業になります。 はじめて使う方はこれらを認識しておきましょう。

設置率100%の注意点

駐車場が必須の方にとっては「駐車場設置率100%」は非常に魅力的です。しかし、先述した通り管理費に影響を及ぼすという点を忘れてはいけません。 駐車場設置率100%のマンションは大抵車を所有している方が多いエリアに存在します。 そういうエリアは、マンション分譲当初は100%埋まる事が多いのですが、時が経つにつれて稼働率がどんどん落ちていくケースが多いです。

理由としては、「マンション住民の高年齢化」が挙げられます。 マンションを購入するキッカケとして一番多いのが「結婚」や「出産」といったような「家族が増える時」です。 従ってマンションを分譲した当初は家族が多い分、「子供のために」車が必要というケースが多いですが、時間が経ち子供が独立してからは車が不要になるケースも多いです。

だから、車を手放す人が増え、駐車場の稼働率が年々減っていってしまうという現象が起こります。 繰り返しになりますが、必ず「稼働率」をチェックしてください。 稼働率はあくまで「駐車場台数に対する割合」であり、「総戸数に対する割合」ではありません。 しかし、設置率100%だと総戸数と駐車場台数が同じなので、稼働率は70~80%程度が無難だと思います。 駐車場設置率が100%で、稼働率が90%を見込んでいるマンションは注意しましょう。

昨今の車離れ

昨今、車離れが急速に進んでいます。 それは、そもそも地下鉄などの利便性が増し、車を使わなくても快適に移動できるようになったという理由と、 カーシェアなどで有事の際だけ車を借りるシステムが浸透していきたという理由が挙げられるでしょう。

ここ数年でカーシェアの需要は爆発的に伸び、周辺のコインパーキングで車が借りられる時代になってきました。 それらを加味せずに駐車場を多く設置してしまい、更には稼働率を高く見込んでいるマンションは注意が必要です。 前項でお話しをした「駐車場使用率が減っていく現象」が更に加速する危険性があるからです。 特にご自身が車を乗っていない場合は、自分には全く関係ない要素で管理費が上がるリスクもあるので、駐車場設置率と稼働率は注意してみるようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。駐車場とはマンション選びにおいて意外と重要だという点がお分かり頂けたと思います。 特に管理費や修繕積立費用のような「お金」に関することなので、必ず確認しておくようにしましょう。 販売する不動産会社も、勿論「稼働率」などの話はしますが、その稼働率にした理由などを特に深く言及することはないので、ご自身で認識をしてマンションを選ぶようにしましょう。

中古マンション購入に掛かる費用や手続きの流れについて知りたい方は下記のページをご参照ください。
中古マンション購入の流れと注意点、費用の目安などについて

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