江東区のタワーマンション価格上昇率ランキングベスト10

最近各メディアで価格上昇が高止まりしてきたのでは?と言われ始めている中古マンション市場。成約価格を月ごとに比較すると、3月をピークに成約価格の上昇は鈍化、減少する傾向も見えてきました。しかし、前年に比べるとまだまだ成約価格は高いままであるのも事実です。

そこでマンションサプリでは、今回、江東区のタワーマンションと呼ばれる20階以上の高層マンションに絞り、マンションスコアのより算出した、平米単価の上昇率が高かったマンションをランキングにしました。
1年でどのマンションがどれほど価格上昇したのかを早速チェックしていきましょう。
※このデータは、2016年30日時点で取得した、マンションマーケット(※1)が独自に算出したマンションスコアの2015年6月と2016年6月の相場価格の平米単価を比較し、価格上昇率を算出したものです。(2016年7月7日時点)

※1マンション相場情報サイト「マンションマーケット」:https://mansion-market.com/
全国約10万棟のマンションの相場価格(資産価値)や、過去の価格推移、賃料相場等を公開しています。

第1位 キャナルワーフタワーズ

・キャナルワーフタワーズ
<平米単価の推移>
2015年6月時点:57.1万円(坪単価:188.4万)
2016年6月時点:73.5万円(坪単価:242.5万)
<上昇率>
129%
キャナルワーフタワーズ_相場

第1位は豊洲のツインタワーマンションとして知られる「キャナルワーフタワーズ」です。
2000年に建てられたマンションで、2006年~2010年の間に周辺に多くのタワーマンションが建設されたためか、2012年には一時平米単価が50万円を切るほど相場価格が下落していました。しかし、2014年後半から徐々に上昇し始め、2016年4月には平米単価73万円にまで上昇し、6月も73万円台をキープしたため価格上昇率が129%と圧倒的1位となっています。
豊洲で人気の商業施設「ららぽーと豊洲」へも徒歩圏内であるほか、豊洲の中心部から少し離れているため、静かで落ち着いた雰囲気のタワーマンションであるのと、眺望の良さが人気なようです。
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第2位 グランエスタファイブスター

グランエスタファイブスター
<平米単価の推移>
2015年6月時点:59.0万円(坪単価:194.7万)
2016年6月時点:66.5万円(坪単価:219.4万)
<上昇率>
113%
グランエスタファイブスター_相場

113%の上昇率で第2位になったのは「グランエスタファイブスター」。居住用の4棟、共用施設のある1棟によって構成されている大規模マンションです。中央には庭園があり、敷地の4分の1を使用した3つのテーマに沿った庭園が用意されています。サウス棟にはグランビューラウンジがあり、東京都心の眺望を楽しむことができます。

相場価格の推移ですが、マンションスコアによると2015年6月時点では59.0万円だった平米単価が、2015年9月と2016年3月に大きな山を作りながら上昇し、それ以降も急落することなく横ばいの状態が続いています。築11年目に入りながらこの相場価格上昇は、マンションそのものの人気あってこそではないでしょうか。周辺にも同様の高層マンションが多いですが、その中でも一番の上昇率となりました。
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第3位 パークハウス清澄白河リバーサイド

パークハウス清澄白河リバーサイド
<平米単価の推移>
2015年6月時点:73.4万円(坪単価:242.2万)
2016年6月時点:82.5万円(坪単価:272.2万)
<上昇率>
112%
パークハウス清澄白河リバーサイド

第3位は「パークハウス清澄白河リバーサイド」で、112%の上昇率でした。
こちらも、4位の「イーストコモンズ清澄白河セントラルタワー」や5位の「Dグラフォート清澄白河スパークリングタワー」と同じく清澄白河周辺のエリアにあるマンションで、「清澄白河」駅から徒歩2分という駅チカであるのが魅力。「Japanese Creation」をコンセプトに清澄白河のシンボルマークとして、2005年に誕生しました。柿渋色を基調としたくつろぎのスペース「赤の間」に設置されたフロントでは、スタッフによるライフサポートサービスを受けることができるなど、高級マンションブランドならではの充実したサービスが用意されています。

平米単価の相場も見ていきましょう。2015年10月と2016年1月に少し山ができていますが、今まで見てきたマンションの中では、一番波が少なく上へ向かっているグラフになっています。2016年4月には平米単価が86.1万円まで上昇しましたが、それ以降少し下落し、2016年6月現在では82.5万円ほどで落ち着いています。
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第4位 イーストコモンズ清澄白河セントラルタワー

イーストコモンズ清澄白河セントラルタワー
<平米単価の推移>
2015年6月時点:62.4万円(坪単価:205.9万)
2016年6月時点:69.6万円(坪単価:229.6万)
<上昇率>
111%
イーストコモンズ清澄白河セントラルタワー_相場

第4位はDグラフォート清澄白河スパークリングタワーと僅差で4位となった「イーストコモンズ清澄白河セントラルタワー」です。32階建ての高級タワーマンションで、1階にはスーパーマーケットが入っており、生活のしやすさでも評価されています。

平米単価を見てみると、価格が上昇したのは他のマンションのように2014~2015年の前半ではなく、2016年の2月。他のマンションに比べて価格の上昇の始まりが遅く、上昇してからは半円のような上昇曲線を描き、一時は115%にまで上昇し、2016年6月の下落により111%となりました。2016年5月より平米単価が3万円も下落していますが、ここからは他のマンションの価格推移同様、横ばいに近い緩やかな下降線を描くと考えられますので、すぐに元の60万円台前半に戻るとは考えにくいです。ただ、半年で10万円も相場価格が上がるマンションではあるので、急降下も十分に考えられます。売却を考えている場合は、早めに検討していく必要があると思います。
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第5位 Dグラフォート清澄白河スパークリングタワー

Dグラフォート清澄白河スパークリングタワー
<平米単価の推移>
2015年6月時点:69.0万円(坪単価:227.7万)
2016年6月時点:76.4万円(坪単価:252.1万)
<上昇率>
111%Dグラフォート清澄白河スパークリングタワー_相場

第5位は「清澄白河」駅が最寄り駅の「Dグラフォート清澄白河スパークリングタワー」です。
Dグラフォート清澄白河スパークリングタワーは、小名木川沿いにあるマンションで、敷地の70%が緑に囲まれたオープンスペースになっているのが特徴。周辺には木場公園や清澄公園などの大きな公園もあり、開放的な立地に建てられたマンションです。

マンションスコアによる平米単価は、2008年に建てられてから緩やかに下降し一時60万円台前半になっていたものの、2014年4月頃から東京都や江東区の相場の上昇とともに上昇を始めました。その後、何回かの大幅上昇を重ねながら2015年~2016年の間に平米単価が76万円まで引き上がり、111%の上昇となりました。
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第6位 ニューライズシティ東京ベイハイライズ

ニューライズシティ東京ベイハイライズ
<平米単価の推移>
2015年6月時点:54.7万円(坪単価:180.5万)
2016年6月時点:60.2万円(坪単価:198.6万)
<上昇率>
110%
ニューライズシティ東京ベイハイライズ_相場

第6位は「南砂町」駅が最寄り駅の「ニューライズシティ東京ベイハイライズ」です。
江東区で川や海に近いマンションの場合、その眺望の良さが影響して、分譲時の価格が高めである傾向が強いですが、ニューライズシティ東京ベイハイライズは比較的ベイサイドでありながらも価格はそれほど高くなく、しかし充実した設備があることで、新築分譲時から注目を集めていたマンションでした。

2006年に建てられたこちらのマンションですが、2015年末に大きく価格が上昇し、平米価格が54万から2万円アップ。それをきっかけに着々と価格を上昇させ、半年の間に60万円まで平米単価を上げて110%の上昇となりました。2016年6月時点でもまだまだ価格上昇の途中のような曲線を描いており、これからも価格上昇が期待できるマンションです。

第7位 ガレリアグランデ

ガレリアグランデ
<平米単価の推移>
2015年6月時点:59.7万円(坪単価:197.0万)
2016年6月時点:64.9万円(坪単価:214.1万)
<上昇率>
109%
ガレリアグランデ_相場

「有明テニスの森」駅が最寄り駅の「ガレリアグランデ」は、プールやジムだけでなくレインボーブリッジの見えるバーラウンジや、地上100mの高さにある空中庭園など、リゾート地を思わせるような落ち着いた雰囲気と設備が特徴のマンションです。外観も洗練されたデザインとして人気を集めており、全体的に大人っぽい雰囲気が漂っています。

マンションスコアを見てみると、2012年の後半で江東区の相場を下回るほどに価格が下落しましたがそこからV字回復を見せ、2016年1月までに、約20万円も平米単価が上昇しています。この激しい上昇は、周辺マンションとは動きが異なっており、平米単価の価格上昇率109%という結果になりました。
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第8位 グランアルト豊洲

グランアルト豊洲
<平米単価の推移>
2015年6月時点:61.9万円(坪単価:204.2万)
2016年6月時点:67.2万円(坪単価:221.7万)
<上昇率>
108%
グランアルト豊洲_相場

続いて8位は、こちらも僅差で8位になった「グランアルト豊洲」です。こちらも、先ほどの東京フロントコートと同じく豊洲から徒歩4分のところにあり、アークタワー、ブロードウィング、コンフォートウィングの3棟でからなっているマンションです。
2LDK以上のファミリータイプの間取りが多く、まるでホテルのようなエントランスがあり、共有施設として屋上のテラスや季節ごとのイベントが楽しめる施設が用意されているなど、周りのマンションに引けをとらない、充実した設備が特徴です。

平米価格の相場については、2014年の夏頃に一気に価格が上昇。そのあと緩やかに下降していましたが、ここ1,2ヶ月で平米価格が3万円ほど大きく上昇しています。この急な価格上昇はおそらく、高層階にあるような高価格物件取引等の影響ではないかと推測できますが、まだまだそれだけのポテンシャルを期待できるマンションだと考えることもできるのではないでしょうか。
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第9位 東京フロントコート

東京フロントコート
<平米単価の推移>
2015年6月時点:64.7万円(坪単価:213.5万)
2016年6月時点:69.7万円(坪単価:230.0万)
<上昇率>
108%
東京フロントコート_相場

第9位は僅かな差でパークタワー東雲を抜いた「東京フロントコート」。
豊洲駅まで徒歩4分という好立地でありながら、ゆとりのある空間があるのが特徴で、AからG棟まであるマンションの中心には広々とした中庭が広がっています。また、広めの間取りが多いのも特徴で、80㎡を超えるゆとりのある物件が多く用意されています。
施設内に歯科や小児科が入っているクリニックモールがあるなど、都心ならではの安心の設備と、都心でありながらゆったりとした生活が送れそうなところが、人気を呼んでいるのかもしれません。

建てられてから10年が過ぎていますが東京フロントコートは現在も人気があり、この1年で108%の上昇率を見せています。2013年中旬に、一時価格が下がりましたがすぐに盛り返し、それ以降上昇を続けています。周囲には同じく大きい敷地で、築年が少し浅い「スターコート豊洲」がありますが、そこに2万円以上平米単価に差をつけているところをみると、東京フロントコートの底力のようなものが感じられる気がします。
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第10位 パークタワー東雲

パークタワー東雲
<平米単価の推移>
2015年6月時点:73.4万円(坪単価:242.2万)
2016年6月時点:79.0万円(坪単価:260.7万)
<上昇率>
108%
パークタワー東雲の売却・査定・中古価格

第10位は「パークタワー東雲」です。
2014年に建てられたパークタワー東雲は、新築時から着々と相場価格を上げてきたマンションの一つです。新築時には平米単価が60万円を切っていたものの、2014年の春~夏に掛けて大幅に平米単価が上がっています。そのままゆっくりと上昇し続けており、高止まりが囁かれ始めた2016年4月以降も相場価格をあげています。
マンション内は入居者が使用できる施設や店舗が充実しているのが特徴で、バーベキューパーク、フォレストパーク、保育所など子育てで重宝する施設・設備が多くあります。周辺にはダブルコンフォートタワーズアップルタワー東京キャナルコートなど、有名なタワーマンションが多く建ち並ぶエリアですが、どちらもこの1,2ヶ月で大きく相場価格が下落しています。その中でほとんど下落することなくこの平米価格をキープできるのは、パークタワー東雲の人気があってこそでしょう。
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「人気マンション=価格上昇率の高いマンション」にならない理由

江東区にあるタワーマンションの価格上昇率ランキングトップ10をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
江東区でランキング付けをすれば、築年数が比較的浅い豊洲のタワーマンションばかりが上位にラインナップされるのではないかと思っていた方も多いと思います。しかし実際に蓋を開けてみると、豊洲エリアは3つしかランクインしておらず、清澄白河エリアとランクインしたマンション数は同じという結果になっています。また、ランクインしたマンションは必ずしも新しいマンションではなく、2000年~2008年の間に建てられたマンションが多いのも特徴でしょう。
なぜこのような傾向が見られるのでしょうか?

色々な理由があるとは思いますが、その一つに「ここ数年で売りだされたタワーマンションの分譲価格が高騰しているから」というのがあると思われます。
「ららぽーと豊洲」が開業してから豊洲は人気スポットになり、その周辺に住いを持ちたいと思う人が増えました。そのため、ここ数年で建てられたタワーマンションは、タワーマンションそのものの人気も合わさり、分譲価格が高騰しています。

たとえば2014年に建てられた「ブリリア有明シティタワー」を例に挙げると、下層階でも平米単価は70万円~、上層階の方では平米単価が80万円~100万円ほどになるところもあったそうです。
一方で「キャナルワーフタワーズ」は分譲時の坪単価が平均190万円だったと言われていますから、平米単価に直すと57.5万円程度だったということになります。これはブリリア有明シティタワーの下層階の平米単価よりもかなり低い価格ですので、現在の江東区にあるタワーマンションの分譲価格から考えると、かなり安く感じられますよね。
それによって新築マンションではないものの、現在に比べて場安価で設備も立地も良い2000年~2008年に建てられたマンションに注目し、購入しようとしたため、価格も上昇していったと考えられます。

この流れは2014年後半からあったと思われますが、江東区のマンションの価格上昇と2015年後半の中古マンション市場の盛り上がりが重なり、新築マンションやすでに人気の中古マンションは、更に価格が上昇していきます。それに押されるようにして、同じエリアで比較的購入しやすいタワーマンションに目を向ける人も増えたため、比較的安価だったマンションも価格上昇していったのが、2015年6月~2016年6月の1年間の流れだったと考えられます。

この動向は、中古マンションの売り出し価格が上昇し続けている中で起きた、後発的な動きですので、これからも新築のマンションが分譲価格を引き上げるごとに起きる可能性があります。ただ、新築などに比べ経年していますから、全く同じ平米単価にはならないと思われますが、価格の乖離が少なくなっていく可能性が高いと思われます。

最近、中古マンションの価格は高止まりだというニュースをよく見かけますが、今回のように、購入時点は比較的安価だった地域がその後人気になり、新築マンションの分譲価格が上昇することで、購入価格よりも高く売れるマンションになるという可能性は、これからもあると考えます。
お持ちのマンションは、常にその価値を把握しておくことが大切でしょう。その地域に住んでいれば、その街が人気かどうかはそれとなく感じられるかもしれませんが、専門のコンサルタントに意見を聞くのも、マンションの正しい価値を知るための秘訣ですよ。

- 2016年07月07日