UR賃貸の審査に落ちる人とはどういう人なのか?

最近になり敷金や礼金が不要という事で注目を集めるようになっているのが「UR賃貸」です。
しかしUR賃貸は誰でも借りられるという分けではなく審査が有り、この審査に落ちてしまうと利用する事は出来ません。
そこでここではUR賃貸の基本とメリットなどを踏まえながら、UR住宅の審査について解説していきたいと思います。

目次

1.そもそもUR賃貸とは?

2.UR賃貸メリット
☞礼金が不要
☞仲介手数料が不要
☞更新料が不要
☞保証人が不要
☞その他にもメリットは多い

3.デメリットは?

4.審査について

5.申し込み資格について
☞日本国籍、または条件を満たす外国籍の方で継続して自ら住むための住居を必要としている
☞UR都市再生機構が定める入居開始可能日から一か月以内に入居する。本人と同居家族が団地内で円満な生活を送ることができる。また不当な請求を行わないこと
☞暴力団員。反社会的勢力の構成員、もしくは関係者ではない。そういった組織に賃貸を提供しない。
☞収入と貯蓄が基準額以上ある方

6.収入額について

7.まとめ 審査に落ちる人とは

1.そもそもUR賃貸とは?

UR賃貸そもそもUR住宅とは何か、という事ですが俗に「団地」と呼ばれる集合住宅をはじめとした元公団住宅群の事です。
元々公団住宅というのは戦後に発足された勤労者向けに住宅を提供する「日本住宅公団」という団体が経営していました。

この団体は戦前に有った住宅営団の影響を受け、労働者に対して賃貸住宅などの住居を提供していたのですが、昭和30年代ごろになると都市部に集まる雇用者向けの住宅が足らなくなり、そういった需要に対応する必要に迫られます。そこで住宅公団は比較的土地が余っていた都市近郊の大規模開発を行います。

その規模は一箇所につき数百から数千世帯単であり、当時の住宅地開発としてかなり大規模な物となっています。
その結果生まれたのが賃貸型の集合住宅や分譲型集合住宅(俗にいう団地)分譲型の一戸建てです。公団はこれを日本各地の都市近郊に大量に建設を行いました。

今でも日本各地に今でも残っている「〇〇団地」という名前はここから来ています。こういった団地は全国的に同じような作りをしているのですが、これはこういった事情があるためです。また団地は現在の少子化の流れなどで数は減っているのですが現在も多数存続しています。

その後日本住宅公団や宅地開発公団地域整備振興公団など団地を管理していた公団は形を変えながら存続していたのですが平成16年に独立行政法人として「UR都市再生機構」となりました。

過去に作られていた団地や分譲、賃貸住宅の管理、運営、場合によってはリフォームや解体などもUR都市再生機構が管理する事になります。そして、UR都市再生機構が提供するかつての団地の事をUR賃貸と呼ぶようになりました

因みにUR都市再生機構では団地の他に宅地の分譲やビジネス用物件の提供、また都市の再開発などを事業として行っています。

2.UR賃貸メリット

メリットUR賃貸のメリットとして都市再生機構は以下の4つのメリットを掲げています。

礼金が不要

UR賃貸住宅では礼金など追加料金が不要で、初期費用が明確に決められています
必要な初期費用は月額家賃の2ヶ月分の敷金と日割り家賃、そして共益費です。
地方や業者によって変わる不明瞭な礼金や不謹慎な請求は一切なく、明瞭会計で入居時の初期費用が安く抑えられるというメリットがあります。

仲介手数料が不要

UR賃貸は基本的に現地案内所やUR営業センター、UR賃貸ショップなどが紹介するので仲介手数料は必要ありません
なので民間の不動産会社を利用するよりも費用を抑える事が出来ます。

更新料が不要

UR賃貸では更新料を取っておらず、どれだけ長く住んでも追加費用は必要では有りません。(火災保険など保険に加入する場合は必要な場合もある)
UR賃貸の前身である公営住宅は日本のおける都市開発の走りともいえる存在で、大規模な開発を行うと同時に周辺に商業施設や学校、病院などを同時に誘致していきました。なので長く住める環境が整っている施設が多く存在しているのです。

保証人が不要

UR賃貸では保証人が必要ありません。
民間で「保証人が必要ない」という場合、大抵保証会社(保証人の代行を行う会社)が保証を行いますが、URの場合は完全に必要が無いので審査を受ける必要もありませんし、保証人を集める必要もありません。
なので複雑な手間を省くことが可能となっています。

その他にもメリットは多い

その他にも、UR賃貸は元々幅広い勤労者が利用する事を前提にしていた団地をリノベーションした物が多いので、単身者から家族、老人まで幅広い人が利用できる住宅が揃っています。

UR都市再生機構も団地の利用者を増やすためにリノベーションに力を入れており、築数十年という施設も珍しくないのですがそれを思わせない最新の設備や耐震改修が行われており、近年の設備と比べても謙遜が無い施設が多くあります。また元々勤労者、つまり勤め人向けの住宅だったこともあり立地やインフラもある程度考えられており、立地条件も良い場所が多いという事が言えます。

そして何よりも料金体系の明確さがメリットとなっています
入居の際に必要な料金も全国一律で決められており、地方によって必要な礼金や業者によって敷金が違うなどという事はありません。

更新料もなく長く住むことが可能となっていますし、撤去時の原状回復負担区分が明確に定められています。特にこの原状回復の負担は入居の際に明確に決める事が少ないためトラブルになる事が多く、敷金礼金の返金と相まって長引く事もめずらしくありません。

UR賃貸においてはこの部分は明確に定められており例えばクレヨンの落書きや壁に傷をつけてしまったという場合は利用者負担になりますが、テレビの放熱あとなど通常の利用に基づく損傷についてはUR都市開発機構側が対処します。

入居の際には「住宅点検確認書」が渡され細かな部分まで確認し、この際に発覚した傷などは求められる事は当然なく直ぐに直してもらえます。
このように高いサービスと品質が良い物件、これがUR賃貸の魅力なのです。

3.デメリットは?

デメリットこのようにメリットが満載のUR賃貸ですが、デメリットも存在します。

まず一つが物件の立地です。基本的には駅やバス停の近くなど立地が良い土地が多いのですが、設営されたのが30年以上前という物が珍しくない為、現在の土地事情に合っていない事があります。その為物件によっては駅から徒歩10分など、立地条件が悪い物があります。

また元々団地の多くは、家族向けに作られているので比較的部屋が大きいです。その上施設のリノベーションや改築などの費用の問題もあるため、周辺の民間住宅よりも家賃が高くなってしまう傾向が有ります。

またリノベーションも物件によって進歩具合が違い、古い設備が未だに残っていることもありますし、比較的新しい物件もありますがメインは昭和40年代から昭和末期の古い物件となっているので築年数がそれなりに経っています。ただしこれらは全般的な問題ではなく、一部の物件にこのようなものがあるという問題です。

全般的な問題として、利用の際に抽選はありませんが一定の審査があり一定の基準に到達していないと利用できない可能性があります。

また逆にこの審査があまり厳しくないということで、利用者の幅が広く、トラブルを起こすような人間が利用していた場合、更新料などがなく長期借りやすいということが逆にデメリットになってしまう可能性があります。

そのうえ初期費用が掛からないというのが一つのメリットになっているのですが、家賃の高さと民間に比べて融通が利かないという部分なども併せて、この部分でのメリットをあまり感じないという人もいます

また内覧は基本的に一回のみとなっています。ただし、その分物件の質や管理の質が高いので無意味にお金だけ掛かるということはありません。

4.審査について

審査このようにメリットが豊富にある一方でデメリットといえる部分もそれなりにあるUR賃貸ですが、入居の際は相当な人気物件であったり何らかの事情がなければ抽選ということはありません。

また保証人などもないということで入居がしやすいと考える方もいますが、UR賃貸では入居の際に申し込み資格を設けており、これに適応していなければまず申し込みができません

これは公示されている基準に達していなければ申し込みができない、というものでありクレジットカードなどの人を選ぶ審査とは考え方が違います。なので基準を達成してればまず落ちることはないとされています。

5.申し込み資格について

UR賃貸の申し込み資格は、要約すると以下の通りです。

日本国籍、または条件を満たす外国籍の方で継続して自ら住むための住居を必要としている

日本国籍を保有しているか、特定の条件を満たす外国籍の方が自分が住むための住居として利用するのであれば借りれるという条項です。
特定の外国籍の方というのは、難民、中長期滞在者、特別永住者や永住者のことです。自分が住むための住居なので、民泊などの利用はしてはいけません。ただし単身赴任中の方が一緒に住んでいた家族のために借りるという場合は通勤時間などの条件付きですが特例が定められています。

UR都市再生機構が定める入居開始可能日から一か月以内に入居する。本人と同居家族が団地内で円満な生活を送ることができる。また不当な請求を行わないこと

入居を申し込みだけして放置することはしてはいけないということと、本人と同居家族が団地内でもトラブルを起こさないことという取り決めです。
また団地内のほかの住民を怖がらせる不当な言動などを行わず、UR都市再生機構に対して本人や第三者が暴力などを用いて不当な(犯罪に値するような)行為を行わないということです。

暴力団員。反社会的勢力の構成員、もしくは関係者ではない。そういった組織に賃貸を提供しない。

申し込みをした方、もしくは同居人が暴力団や反社会的勢力{新左翼などの組織}に所属していない。またその関係者ではないこと。そしてそういった組織に対して事務所やアジトとして借りている団地を提供せず、関係者などを立ち入らせないということです。

収入と貯蓄が基準額以上ある方

これが一番難しいのですが、家賃に対して月収と貯蓄が十分ある方でなければ申し込みをすることができません
その基準については明確な取り決めがあるのですが、高齢者や身体障碍者の方などは特例としてこの基準に達していなくても利用できることがあります。

6.収入額について

収入これらの基準は「資格」となっているところからもわかるように、そこまで厳しいものではありません。反社会的勢力や犯罪との関わりがない方で、素行も良好であればまず審査に落ちることはないです。

問題になるのは収入部分で、ここは一切妥協などなくしっかりと基準に達成していないと申し込みをすることができません

具体的には 申込本人の毎月の平均収入額がが基準月収額(家賃の4倍または33万円、家賃額が20万円を超える住宅に付いては40万円)以上である方で、基準貯蓄額(月収の100倍、基準月収の二倍以上ある方は50倍)以上ある方となっています。

単身者の申し込みの場合、基準月収が25万円以上であれば25万円になるという制度があります。ただし家賃が20万円以上を超える場合、通常と同じく40万円を基準月収とします。

また、同居親族と合算で本人の収入額の基準を下げることも可能となっていますし、18歳以上の学生や60歳以上の高齢者、身体障害者など収入の面で問題が起こりやすい方は基準月収を下げる特例が設けられいます。

7.まとめ 審査に落ちる人とは

このように様々なメリットがあるUR賃貸ですが、デメリットも当然ありそのなかでも審査の面で問題になりやすいことが多いです。

この審査でも特に問題になるのは収入の面です。収入の面ではかなり厳格に基準が決められおりこれを達成しないと確実に審査に落ちてしまいます
UR賃貸と言うのは品質が良いのですが、元々家族向けに大きめに作られた部屋が大きく家賃も高めです。そこに月収の4倍という月収基準や、その100倍という基準貯蓄額が加わるとUR賃貸を利用できないという人も多く出てきてしまうのです。

UR賃貸は保証人などを用意する必要がないというメリットがある分、どうしてもこういった収入での基準を設けざる得ず、礼金や保証人がいらない民間の不動産業者とは違った部分で借りることが出来ない人というのが出てきてしまうのです。

そのほかの基準についてですが、簡単に言ってしまえば「暴力団などの反社会的勢力などと関わりが一切なく、今後もそういった組織にかかわらない。そして素行良好で問題や犯罪に値する行為を行わない」というだけの事であり、元暴力団や新左翼との関わりがあるという方であれば話は別ですが一般の方であればまず間違いなく引っかかる事はありません。

なので落ちてしまう理由と言うのは「基準の収入や貯蓄額に達していない」場合の人が多くなっています。

- 2016年06月08日