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女性のマンション購入事情が変化してきた
以前から独身女性がマンションを購入するという事が珍しいわけではなかったのですが、
最近では20代の女性もマンションを購入するなど、以前よりもマンションを購入しようとする女性が増えてきています。
それはなぜなのでしょうか。
様々な面で「女性」の在り方が変わる
なぜ女性の購入がこれほど増えてきているのかというと、女性のあり方が変わった為と考えられます。
以前はよくも悪くも「20代で結婚して仕事を辞め男性の元で暮らす」という一つの形が理想形とされていました。
その為20代の女性がマンションを購入しても将来的には荷物になる事が多かったですし、そもそも社会的な女性進出が遅れており、 若いころはマンションを購入するほど賃金が稼げなかったという事もあります。そう言った経緯からマンション購入を考える独身女性は30代からという風潮がありました。
しかし価値観の多様化によってこれらの前提条件はすべて崩れました。
結婚後も仕事を辞めない女性が増えてきましたし、20代後半や30代40代の初婚や生涯独身も増えるなど晩婚化が進んでいます。
また「自分磨き」の一環として資格取得や技術取得の延長線上に自立できるだけの資産としてマンションという女性も増えてきました。
また同様に女性の社会進出が進み、ローンとはいえマンションを購入できるだけの賃金を稼げる女性というのも多くなっています。
また長引く不景気の中と元々あまり人気が無い中古マンション市場、そして金利の低下による住宅購入がしやすい状況が揃い、 業界としても一つの起死回生の手段として「独身女性のマンション購入」を押しているという面も見過ごせません。
こう言った精神的な変化や社会事情、業界としての都合などにより女性がマンションを購入しやすくなり注目を浴びているのではないかと考えられています。
男性に比べると安全と資産性を重視する
女性も男性もマンションを購入する時に考える事というのは大きな違いはありません。
たとえばどこのマンションを購入するかという事です。
駅に近いや通勤しやすい、近所に生活するために便利なコンビニなどの施設があるかどうかという諸々の条件は男女とも重視する所で、 各社が行っているアンケートなどを確認しても上位につきます。
その他にも間取りなど基本的な所は男女ともに同じなのですが、その中で違いとして挙げられるのは女性の方が「安全」と「資産」性を重視するという事です。
安全面はマンションのみならず一人暮らしのアパートでも同じですが欲しい設備としてオートロックやTVモニター付きインターフォンなど、安全面を重視する女性が男性より多くいます。
注目すべきところは次の資産性です。
かつて女性のマンション購入が少なかった理由の一つとして「結婚後マンションをどうするか」という悩みがあったためです。
住宅ローンを組んでマンションを購入しても、将来的に結婚して夫の住居に身を寄せるとなると購入したマンションの使い道に困ってしまいます。
その上マイホームや夫が持っていたマンションの住宅ローンなど、二重の住宅ローン支払いとなってしまう可能性もありました。
そう言った問題を考えて、結婚後も人に貸して賃貸収入が出せたり売却できるように資産性が高い住居が好まれる傾向にあるのです。
また女性の住まい探しの理由として「今よりも良い部屋に住みたい」という物が上げられており そう言った上昇志向も資産価値を重視するという所に関係しているのではないかと考えられています。
「老後の住みか」を上げる女性が多い
物件の選び方の他に購入理由という面から男女の違いを見てみると、女性は「老後に住む場所の確保」と「家賃がもったいない」を上げる人が多いという事が言えます。
家賃を払う位なら持ち家を、という人は男性に多いのですが女性は男性の場合は早いうちから購入に走るという事で同時に通勤が便利という事を上げる方が多くいます。
つまり「若いうちから持ち家を持つ」という事がメインにあると推測できます。
一方で女性は「賃貸を借りにくくなる老後に住む場所の確保・老後の安心の為」という事を上げる人が男性の倍近くおり、
同じ「家賃がもったいない」でも「老後に家賃を払わなくて済むように」という意味合いが出てきます。
このように若い女性の購入者が増えてきたとはいえ、まだ男性に比べると女性のマンション購入は「結婚をしなかった」という事情が大きくかかわっています。
購入する女性の多くは30から40代
それでは具体的にどのような女性が購入する事が多いのかということですが30代から40代の女性が多いという統計が出ています。
これは女性のみならず独身男性も同様の傾向があり、女性がという訳ではなく大半の人はこの年代になりマンション購入のための頭金や ローンを組むための社会的信用が生まれるという事だと考えられます。
男女の違いとして挙げられるのが、男性は20代で購入する方が多い一方で、女性は50代に購入を考える方が多いという事です。
社会的な変化により女性の就労待遇が変わり20代女性が購入する事も増えてきたとはいえ、やはり賃金や社会的な差というのは存在しており、
20代で職に就き一代の間同じ職場で働き続けるという男性にとっては早いうちにマンションを購入を考える人が多く、
逆に賃金が低かったり結婚による退職なども考えてしまう女性は若いうちは購入に走る人は少ないと推測できます。
また購入理由として「結婚しない・できないだろうから賃貸ではなく老後の住居を確保したい」という事を上げる女性が多いのも 50代で購入に走る女性が多いという事につながっていると考えられます。
マンション購入に関する女性向けサービスが増えてきている
どのような事情であれ、独身女性のマンション購入に注目が集まっているのは事実です。
その為、各社が様々なサービスを打ち出し始めました。
例えば独身女性に特化したマンション検索や相談を行うインターネットサイトなどはすでにいくつも立ち上がっていますし、女性向け不動産関係メディアも存在しています。
マンション販売業者にも女性向けサービスとして、
女性の為のセミナーや相談イベントを行う会社が存在します。
また不動産というのは金融・投資などお金に大きくかかわる事例ということで、ファイナンシャルプランナーなどお金に関するプロの方々が賛否両論ながら各メディアで
独身女性のマンション購入について記事を書き入門記事なども公開していますし、関係書籍も増えてきました。
またマンション購入を考える際に重要な住宅ローンの分野でも女性向けサービスが増えてきています。
女性向け住宅ローン・借りかえローン
りそな銀行は女性向け住宅ローン・借りかえローンとして『凛next』という商品を提供していますし、 スルガ銀行も女性向けローンとして同様のサービスを提供しています。
その中でも特に力を入れているのがみずほ銀行の「みずほMyWing」です。 住宅ローンの他にキャッシングなども提供しているのですが、独自のセミナーや半年ごとのプレゼントキャンペーン、 雑誌の無料購読や専門家による金融相談など他社にはない幅広いサービスを展開しており、力を入れている事が判ります。
「シングル」ならではの苦労
マンションは新築であろうが中古であろうがそれ相応の値段がするので、慎重に選ばなければならず、それに伴う苦労は男女ともに同じです。
しかし大きな注意点として「住宅ローン控除」と「シングル向けマンション」という問題があり、独身の方はこの点について購入前から考えないといけないという問題があります。
住宅ローン控除とは、簡単言えば「住居の購入・増改築などで金融機関から融資を受けた場合、税金から控除を受ける事が可能」という物です。
控除はローン返済の際に重要な要素の一つになるのですが、受けるためには諸々の条件があり、その中で「本人が住んでいる住居である事」という条件が有ります。
基本的に自宅の為に使う住宅ローンが対象となるという事なのですが、シングル女性やシングル男性の方の場合、将来結婚して相手の住居に住むという可能性があります。
そうなるとこの控除を受ける事が出来なくなってしまうので、将来的な人生設計に制限が出てきてしまうのです。
もう一つの「シングル向けマンション」も将来的に家を出るとなった時の問題です。
独身の方がマンションを購入する理由として多いのが「仕事場に近い・近所の生活の為の施設が多い」という物です。
そう言った需要にこたえて、シングル向けマンションというのは駅や繁華街の近くであったり、オフィス街の近くなどに作られることが多いです。
しかしこういった繁華街やオフィス街の近くというのは、夫婦向けマンションとしての需要が少なく、 将来的に賃貸マンションや売却を考えるという際に足かせになる可能性があります。
対策として「シングル向け」という縛りではなく、将来的な資産価値も見据えた選択をするという方法も有るのですが、 そうすると逆に独身の方にとっては住みにくくなってしまう可能性が出てきます。
マンション購入を考えた際に「女性ならでは」という苦労は少ないのですが「独身」としてはこのように様々な苦労や悩みが出てくるのです。
まとめ
最近になり、社会的な情勢の変化などで20代など若い女性がマンションを購入する事が増えてきたとはいえ、 購入する方の主流は男女ともに頭金となる資産がありローンを組めるだけの社会的信用を持つようになる30代から40代の方となっています。
ただ購入理由を見ると、「結婚前の若いうちから家を持つ」という事を考えている男性と「将来的な終の住処」を見据えている女性という事で、意識として大きな隔たりが有ります。
またこれは男女に限った話ではありませんが、独身の方が購入する場合、将来的にマンションから出ていく事を初めから見据えて選ぶ必要があるため、独身ならではの苦労が出てきます。
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