もし自宅を売却するために複数の業者に査定を依頼した場合、普通なら最も高い金額を提示した業者に依頼する方が多いでしょう。しかし、相場よりもあきらかに高い価格を提示してきた業者には注意が必要です。
参考:
マンション売却の相場は築年数でどのくらい変動する
参考:
マンション売却の相場をエリア・築年数別に紹介!2022年最新版
不動産業者の立場で言うと、自社で売却の依頼を受ければ、成約した時に確実に売主からの仲介手数料が見込めますし、もし直接買主を見つけることができれば、両方からの手数料が見込めます(両手取引)。
当然、同じことを他の業者も考えますので、査定の依頼を受けて相場通りの査定をしていては、より高い査定をした業者が選ばれることになります。そのため、とりあえず依頼を獲得しようと、後から値下げさせることを見込んで高い価格を提示してくるのです。
営業マンの中には「自分の顧客でこの金額で探している方がいる」というトークを使い、売主の興味を引こうとしてきます。でも、これは依頼を獲得するための常套句ですので要注意です。
さらに悪質な業者の事例として、高い査定価格で獲得しながら、数ヶ月間これと言った活動をせず、後になって「3ヶ月も売れません。高すぎたんでしょう。1,000万円下げませんか。」などと自分が査定した金額を棚上げにして、値下げを提案してきたりします。
そのような業者に依頼してしまうと、相場より低い、売りやすい金額で売られてしまう心配があります。
売却の査定を依頼する際には、そのような業者側の意向を念頭に置いて判断する必要があります。査定の内容では、価格の根拠が明確であるかをしっかり確認する必要があります。
特に、過去の成約事例は必ず明示してもらいます。もし、少しでも不安に感じたら、不明な点を質問するべきです。曖昧な回答などに終始するようであれば、その業者には依頼しない方が無難でしょう。
長く住んでいた自宅や先祖から受け継いだ土地などを売却することになった時、あまり安く手放したくないと思うのは当然でしょう。そのため、高く売るためなら多少時間がかかっても良いと考える方もいらっしゃるかも知れません。しかし、時間をかければ高く売れるという保証はありませんし、場合によっては売りにくくなってしまう事も考えられます。
不動産が売れるためには、さまざまな要因というか“偶然”が重なります。過去に相場より高く売れたエリアでも、売りに出した時に買いたい人がいなければ時間がかかります。
では、買いたい人が現れるまで待てばいいのではと考えがちですが、いつまでも売れ残っていると、「何か問題があるのでは?」などとイメージが低下してしまうことも考えられます。また、近所で高く売れた話を真に受けて、高く売り出した途端に、他からそれより低い価格で売り出され、結果、相場よりも低い金額で手放さざるを得なくなるということも、現実にあったりします。
売却するまでの期間が長くなれば、その間のコストも増えていくことになります。不動産を所有していれば、毎年の固定資産税は必ず掛かってきますし、1棟もののアパートやマンションなどでは減価償却費もロスしてしまいます。
また、一戸建てなどで空き家状態の場合、不審火など防犯上のリスクも懸念されます。それならいっそのこと解体してしまおうと思っても費用が発生しますし、解体したらしたで除草や進入防止措置など維持管理のリスクを抱えることになります。
売買相場というのは、売り手と買い手の利害が一致するラインということができます。ですから、一部の特殊なケースを除いて、だいたい相場で売れているのです。もし、どうしても高く売り出したいというなら、その金額で1~2ヶ月程度反応を見てから判断するという選択肢もあります。
しかしながら、少しでも自分の希望する金額で売却するには、内覧の準備など、売主自身で出来ることも多いので、しっかりとした売却活動計画を不動産業者と相談し、きっちり計画を進めることが大切です。
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