売買契約する前に瑕疵担保責任とは何かを理解する

不動産を購入・売却する前に「瑕疵担保責任」についての理解を深める

瑕疵担保責任

不動産の購入では、契約や住宅ローン、登記などの重要な手続きを経たのちに晴れて入居となります。でもこれですべてが完了したかと言うと、そうではありません。マンションなどの不動産を購入した後で、万が一、「雨漏り」や「シロアリ被害」など買主側が知ることのできなかった欠陥が判明した場合、買主は売主に対して欠陥の修補や損害賠償の請求が可能になります。この欠陥を法的に「隠れた瑕疵(かし)」と言い、瑕疵に対する売主の責任を「瑕疵担保責任」と言います。入居開始と同時に、瑕疵を見極める期間が始まるとも言えるのです。

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■ 瑕疵担保責任が適用される範囲

瑕疵のなかでも代表的な実害として「雨漏り」「シロアリ被害」の例を挙げましたが、ここでおもな瑕疵の種類を列記してみます。

物的な瑕疵 建物の場合、雨漏り、シロアリ被害、柱・梁・基礎など構造耐力不足、有害物質を含む部材の使用、断熱材の不足、鉄部等の腐食など。
土地の場合、資材ガラなどの地中埋設物、地盤沈下、土壌汚染など。
法的な瑕疵 道路計画予定上の物件や最低敷地面積が指定されている地域など、法的な制限が課せられているため、自由な使用が確保できないような場合。
心理上の瑕疵 購入した物件において、過去に事件・事故があり、快適に住むことが心理上困難な場合。
環境の瑕疵 近隣からの騒音・振動・異臭・日照障害があったり、狂信的な宗教団体・暴力団事務所の存在などによって、物件自体に問題はなくとも、取り巻く環境に問題がある場合。

このように、瑕疵の範囲は多岐に渡り、売主にとっては防ぎようのないものもあります。加えて、売主が物件に瑕疵がある事を知らなかったとしても、損害賠償の対象になることも覚えておかなければなりません。そのため、最低でも売主が把握している事実は買主に対して誠実に告知する必要があります。ただ、買主がその事実を認識し、それでも購入する意思があるというのであれば、「該当する瑕疵については、双方の合意によって売主は責任を負わない」などの特約条項を売買契約書に付記することができます。

■ 瑕疵担保責任における、売主が「個人」の場合と「宅建業者」の場合の法制度の違い

売主が個人の場合の瑕疵担保責任については、売主・買主との話し合いで自由に決めることができます。一般的には責任の期間を2~3ヶ月程度とする場合が多いようですが、例えば、「瑕疵担保責任は負わない」とすることや、「引渡し後2年間」とすることも可能です。

一方、売主が宅建業者の場合は、内容が大きく異なります。

(1)新築住宅の瑕疵担保責任

新築住宅の売主となる宅建業者に対しては、以下のような法規制が課せられています。これらは買主保護を目的としており、瑕疵を修補する義務はもちろん、業者の倒産や業者に賠償する資金力がない場合であっても、買主が泣き寝入りすることの無いような措置が確保されています。

①「住宅の品質確保の促進に関する法律」

「品確法」と略称されるこの法律は、新築住宅の強度や耐久性の向上および欠陥住宅の解消を目的に、平成12年4月1日に施行されました。宅建業者が売主となる新築住宅を契約する場合は、基礎、土台、柱、梁など住宅の構造耐力上主要な部分、および、屋根、窓等の開口部、外壁、バルコニーなど雨水の浸入を防止する部分について、引渡しから10年間の瑕疵担保責任が売主に義務付けられ、買主側による補修請求、損害賠償請求、重大な欠陥に伴い契約解除が可能となる等の権利が認められています。

②「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(略称:住宅瑕疵担保履行法)

「品確法」と同様、買主保護を目的とした法律で、新築住宅の売主となる宅建業者は、平成21年10月1日以降に引き渡す新築住宅について、住宅瑕疵担保責任保険に加入するか瑕疵担保保証金を供託することが義務付けられました。これにより、売主業者が倒産するなどして品確法等に基づく瑕疵担保責任が履行されなくなった場合であっても、買主が別途費用を負担することなく、保険金や供託金の交付によって瑕疵担保責任の履行ができるようになりました。

(2)中古住宅の瑕疵担保責任

宅建業者が売主となる中古住宅については新築住宅のような法規制はなく、瑕疵担保責任期間は引渡しから最低2年間、もしくは契約により取り決めた期間となります。期間が短くなるぶん買主のリスクも増すことになりますので、契約前に物件確認を十分に行い、必要に応じて専門家にホームインスペクション(*1)を依頼するのも良いでしょう。

*1.ホームインスペクション

■ 売主が瑕疵担保責任を履行するために加入している「住宅瑕疵担保責任保険」の仕組み

(1) 新築住宅の保険制度

新築住宅の売主業者は、認定を受けた「住宅瑕疵担保責任保険法人」と保険契約を結び、修補が発生した際に保険会社が保険金を支払うことにより、その費用に充当させるのが「住宅瑕疵担保責任保険」の仕組みです。この制度では、売主が倒産してしまった場合でも、買主は直接保険法人に保険金の請求を行うことができるようになっています。

(2)中古住宅の保険制度

前項で中古住宅の瑕疵リスクについて触れましたが、以下のように中古住宅の保険制度も整備されてきました。

○「既存住宅瑕疵保険」制度

建築士による検査に合格した中古住宅であれば、住宅の売主は「既存住宅瑕疵保険」(「既存住宅売買瑕疵保険」、「既存住宅瑕疵保証保険」等)を契約することができ、売主の瑕疵担保責任に伴う補修費用が填補されます。ちなみに、この制度は個人の売主も加入することができます。

これまで住宅の瑕疵については様々な問題が発生し、そのたびに新しい制度が導入されてきました。しかし、毎年、瑕疵に関するトラブルは後を絶ちません。みなさんが瑕疵の被害者にならないためにも、瑕疵保険加入の有無を確認し、契約前に十分な現地確認を行い、契約内容にしっかり目を通すよう心掛けましょう。

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