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再建築不可物件の購入・売却は注意が必要

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昔から住宅街だった場所には入り組んだ道路が多く、道幅も車1台がやっと通れるほどのところが少なくありません。なかには、他人の敷地を通らなければ自宅にたどり着けないようなところもあり、どうやって家を建てたのか不思議に感じるものさえあります。

日本国内で建物を建築する際は、「建築基準法(以下、建基法と表記)」に適合していなければ建築することはできません。上記のような車1台がやっと通れる道幅ですと、建基法に適合しない「再建築不可物件」の可能性が高いと言えます。

再建築不可物件はその名の通り、「再び建築することができない物件」のため、わざわざ選んでまで購入しようと思う人は少ないでしょう。また、所有している場合は売却したくても困難を極めるだろうと想像できます。

そんな嫌われ者のレッテルを貼られがちな再建築不可物件ですが、毎年僅かながら売買されるケースがあります。果たして、なぜそのようなマイナス要素を抱える物件をあえて購入する方がいるのか、購入して本当に大丈夫なのか、どれくらいの価格で売買されるのか気になるところです。

そこで今回は、「再建築不可物件の購入・売却の注意点」と題して、再建築不可物件の問題点や売買される理由などについて説明していきたいと思います。

■再建築不可物件とは?

Ⅰ.再建築不可物件のキーワード

再建築不可物件を説明するうえでいくつかのキーワード覚えておく必要があります。それらのキーワードに該当する物件ですと、再建築不可物件である可能性が考えられます。

①私道(しどう・わたくしどう)

私道とは、国道・都道府県道・市町村道などの公道以外の道路を指します。公道は通常、通行するために所有者(または道路管理者)に許可を得る必要はありませんが、私道の所有者は、個人や会社などであるため、原則として所有者の許可を得ずに道路を通行・使用することはできません。

そのため、道路の所有権を持たない人が私道に接している土地に建物を建てる場合は、私道の所有者に承諾を得る必要があります。また、私道が「建築基準法」で認定された道路でない場合は、原則として建物を建てることはできません。

②建築基準法で認定された道路(建基法上の道路)

前項で触れたこのキーワードは、再建築不可物件を説明する上で最も重要なキーワードになります。冒頭でも述べましたが、国内では建基法に適合しなければ建築できません。

建基法では、道路に関する明確な線引きがあり、その線引きに適合する道路(=建基法上の道路)でない場合は、建物が建てられないなどの厳しい制限が課せられることになります。

なお、建基法はこれまで幾度もの法改正が為されており、旧法には適合していても現行法では不適合というケースも存在します。この法改正については後で詳しく述べていきます。

③袋地・囲繞地(いにょうち)

袋地とは、周りを他人の土地に囲まれており、直接道路に接していない土地を指します。そして、袋地を取り囲んでいる土地を囲繞地と言います。

袋地の所有者は道路に出ようとする時は、必ず他人所有の囲繞地を通行する必要があります。建基法では、建基法上の道路(道路幅4m以上)に2m以上接するという条件があるため、袋地に建築する際は、囲繞地を購入するか、囲繞地に地役権を設定するなどの通行認定を得る必要があります。

④既存不適格建築物

建てられた当時は法律に適合していた建物であっても、法律の改正や変更などによって現行法では不適合とされてしまう物件を既存不適合建築物と言い、これも一種の再建築不可物件に当てはまります。一例として、前述の建基法の基準に満たない道路幅や新耐震基準に適合しない建物などが挙げられます。

法改正等により既存不適格となってしまった建物は、建替える際に現行法に適合しなければならないため、従前の建物よりも床面積が減少したり、形状に制限が課せられる可能性があり、最悪の場合は再建築不可となります。

⑤旗竿地(はたざおち)

旗竿地とは、建基法上の道路に接する入口部分(=間口)が通路のように狭く、奥が広くなっている土地で、敷地延長とも呼ばれます。建基法改正前の旗竿地ですと、間口の幅が1.82mで再建築は可能でしたが、法改正後は2m以上の間口がなければ不適合となってしまいます。このような土地は全国に数多く存在し、再建築不可物件としては最も多い事例のひとつになります。

Ⅱ.建基法改正が再建築不可物件を生み出すきっかけになった!?

前項で、建基法上の道路について触れましたが、建基法上の道路を語るうえで建基法改正の変遷について覚えておく必要があります。

建基法はこれまで幾多の改正がなされてきましたが、なかでも昭和25年の法制定と昭和55年の改正が再建築不可に大きく関わることになります。

戦争終了後、空き地に次々と家が建てられていきました。そのなかには、水利を確保するために家を川の上に建てたり、闇市を目的に間口がとても狭い土地に店舗を建てるなど、安全性を無視した市街化が進みつつありました。

そのような無計画な市街化が進むことを防止し、国民生活の安全を守るための法律として、昭和25年に建築基準法が制定されました。建基法の誕生です。

その後、大小の法改正を経て、昭和54年に道路に対する基準の改正が行われました。この改正が行われた理由として、消防法の改正が挙げられます。消防車の基準変更により、それまで1.82m以上とされていた接道(間口)要件が2m以上とされ、3.64m以上とされていた幅員(道幅)要件が4m以上に改正されました。

昭和25年の法制定と昭和54年の改正によって不適合となった建物が再建築不可となった訳ですが、くしくも市民生活を守るための法改正が、再建築不可物件を生むきっかけとなったのです。

現在でもさまざまな法改正が毎年のように行われており、新耐震基準や姉歯建築設計問題など、市民生活に影響を及ぼす恐れのある事象の発生に応じて、法改正が順次行われてきました。ですので、将来発生する事象によっては、現状の基準よりもさらに厳しい規制が課せられる可能性もあり、内容によっては、再建築不可物件の範囲が今よりも増えていく可能性も考えられます。

■再建築不可物件を購入・売却する際の問題点とは?

これまでの説明で、再建築不可物件の所有には大きなハンデがあることがおわかり頂けたと思います。にもかかわらず、実際に再建築不可物件を購入・売却されている方がいらっしゃいます。もし、みなさんのなかに、検討されている方がいらっしゃるとしたら、そのリスクを十分に認識しておく必要があります。この項では、再建築不可物件を購入・売却する際の注意点や問題点について説明します。

Ⅰ.購入できても転売するのが難しい

再建築不可物件は、建て替えることができないハンデを抱えているため、相場よりも安く購入することができるでしょう。しかし、年数の経過に伴って建物が老朽化しても、建て替えできないことに変わりはありません。当然、そういうハンデのある物件は売りづらくなりますので、購入しても将来的に転売するのが困難になります。

Ⅱ.瑕疵担保免責条項

建基法で説明した通り、再建築不可物件は昭和54年以前に建てられているため、老朽化が始まっている建物も少なくありません。そのような建物ですと、柱が腐食していたり、基礎が欠損しているなどの瑕疵(かし=欠陥)の存在が十分に考えられます。

通常、不動産の売買では、売主がこれらの瑕疵について一定の責任を負担することが法令で定められています。しかし、そもそも再建築できない建物ですので、瑕疵があったとしても解消できない場合もあり、また安価での売買という売主側の金銭的な負担を考慮し、瑕疵の責任を免除(瑕疵担保免責)する契約となるケースがほとんどです。

つまり、買主側としては瑕疵があっても売主に責任を求めることができないというリスクを背負う覚悟で購入しなければならないのです。

なお、瑕疵が存在することを売主が知っているにもかかわらず、その旨を買主へ伝えずに契約した場合は、責任を売主に請求できる場合があります。

Ⅲ.境界非明示

古い住宅地の中には、土地の境界が明示されていない物件が多く存在し、登記簿に記載された土地面積と現況の面積が一致しない場合があります。厳密に言えば、隣地や私道の所有者と境界確認を行い、一定の書面を交わすべきなのですが、長年近所付き合いしてきた関係に支障を来たす事を恐れて手続きしていないのが実情です。

境界が不明確なまま購入するとなると、どこからどこまでが自分の土地なのか確認する術がないため、隣地や私道の所有者とトラブルになる可能性が考えられます。

Ⅳ.住宅ローンが利用できない

再建築不可物件を購入する際に、もうひとつ大きなハンデがあります。金融機関は、原則として建基法に適合しない物件に対する住宅ローンの貸し出しはしておらず、現金でしか購入することができません。この制約は、購入希望者にとって大きなマイナス要素と言えます。

Ⅴ.新築ができなくても増築なら可能か?

増築するということは、新たに建築確認を申請する必要があり、現状が不適合な建物に対して建築確認が承認されることはまずありません。再建築不可物件には、新築も増築も認められないのです。

■再建築不可物件の問題点は解消できないのだろうか?

前項のように再建築不可物件には数々の問題点があり、それらを解消できなければ、購入・売却において大きなリスクを背負うことになります。何とかして解消できないものでしょうか?実は、選択肢は少ないですが、方法がまったく無いわけではありません。

Ⅰ.セットバック

私道の道幅が建基法を満たして(4m以上)いなかったり、旗竿地の入口部分の幅が2m未満であるために再建築不可状態となっている場合、該当する周辺宅の塀などを撤去してもらうことによって道幅の基準を満たす方法があります。

撤去される側からすれば自分の敷地が狭くなってしまいますので、ハードルの高い方法ではありますが、撤去費用はもちろん相応の金銭的対価を支払うなどの方法によって、相談に応じてもらえる可能性も無くはありません。

Ⅱ.業者による「買取」という選択

不動産を売却する場合、不動産業者に買主を探してもらう「仲介」の形態を採用するのがほとんどです。しかし、これまでの説明でわかるように、一般素人の方が再建築不可物件を購入するケースは少ないため、仲介で売却するのは容易ではありません。

そこで、不動産業者自らが買主となる「買取」で売却する方法が考えられます。最近では、業者が買取を積極的に行っており、買取して再販売する専門業者の数も増えてきています。業者の中には、一定の条件をクリアすれば再建築不可物件であっても買取してくれます。

ただ、一定の条件(立地条件や建物の状態など)クリアされない物件の場合は業者側が敬遠することもあり、どんな物件でも買い取ってもらえるとは限りません。

■建て替えはできなくても○○○○○はできる!

これまでの説明で、再建築不可物件は転売が困難であるため、購入を検討する場合は割り切った考えを持ち、売る側としては、価格をはじめある程度の損失を覚悟しなければなりません。

そこで、購入にあたってのテクニック(=逃げ道)をアドバイスします。 建て替えや増築などの建基法に係る方法がダメでも、建基法に係らない「リフォーム」という手段が残っています。

再建築不可物件は住宅ローンは利用できなくても、リフォームローンであれば利用が可能です。住宅ローンと比べて返済期間が短く、貸し出し金額も少ないことから大部分の金融機関で貸し出しを可能としています。

また、買取業者の中には、全面リフォームを施して賃貸物件として貸し出すケースもあります。

リフォームの注意点としては、敷地ギリギリに建っていて足場が組みづらかったり、道幅が狭いために職人や工事車両が出入りしにくいなど、再建築不可ならではの不便さがあるようです。また、物件価格は安いものの老朽化による高額のリフォーム費用が必要になったり、リフォームローンを借りるにしても住宅ローンと比べると金利が高いなどといったデメリットがあります。

再建築不可物件の逃げ道として有効な手段であるリフォームですが、決して万能ではないということも併せて覚えておく必要があります。

■まとめ

さまざまな制約のある再建築不可物件ですが、購入にせよ売却にせよプロのアドバイスが不可欠です。プロとはもちろん不動産業者になる訳ですが、業者にはリフォーム業者や建築士などいろいろなブレーンとの交流があります。

中には、個人の不動産投資家やソリューション事業を手掛ける会社などとつながりを持ち、シェアハウスやワークショップなどをプロデュースしたりする会社もあります。「売却は難しい」「購入した後が心配」と不安になるよりも、プロの知恵を借りるつもりで相談してみてはいかがでしょう。

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