不動産投資にはワンルームマンションが良い理由がある?

不動産投資の方法として最も一般的な方法は、マンションの一室を購入し賃貸で回す事です。また、部屋の大きさは1Rをはじめとした小さい部屋である場合が多いです。部屋は広い方が賃料も高く設定できそうなのに、なぜ投資用としては1Rが良いのでしょうか。今回は、「不動産投資は1Rマンションが良い理由」というテーマでお話していきます。

不動産投資のリスクを知ろう

 

不動産投資リスクまずは不動産投資をする時に発生するリスクについてご説明します。

空室リスク

 

不動産投資における一つ目のリスクは、賃借人が付かない状態になる空室リスクです。賃貸マンションの収益は当然ながら賃借人の賃料収入から得ているので、それが途絶えてしまうという事は収益が0円になります。

また、収益が0円になると支出が収入を上回り、毎月赤字を計上してしまうのです。不動産投資における「支出」とは以下のような項目の事を言います。

<毎月かかる支出>

・住宅ローンの支払い(ローンを組んで購入した場合)

・マンションの管理費、修繕積立金

<年間かかる支出>

・固定資産税、都市計画税

<一時的な支出>

・賃借人が入退出する際の補修費用

これらのお金が物件運営にかかってくるので、空室になってしまうと赤字になるのです。

家賃下落リスク

 

もう一つのリスクは家賃下落リスクです。家賃を設定する時は、周辺事例を確認して設定します。周辺で同じような駅距離、広さや築年数、間取りなどの物件をピックアップして、その物件の家賃を参考に設定します。

家賃が下落するリスクは以下のような時です。

・不動産全体市況が落ち込んでいる時

・建物の劣化が早く資産価値が目減りした時

・周辺で極端に安い賃料の物件が多数出た時

このような時に家賃は下落する危険性があります。見て頂くと分かると思いますが、これらはいずれも自分達ではどうしようもない要素が多いです。不動産市況は日本の景気に左右されますし、建物の劣化も管理状況によります(この点は管理状況を判断することで、ある程度リスクヘッジできます)。また、周辺物件の家賃については、こちらではどうしようもありません。

利回り低下リスク

 

上述した「空室リスク」と「家賃下落リスク」が起こると、結果として利回りの低下が起きます。不動産投資は「利益を上げる事」が目的なので、それに逆行する「利回り低下のリスク」が最も避けなくてはいけないリスクです。利回りとは「(1年間の収入-1年間の支出)÷(物件価格+物件購入時の諸費用)」で計算されます。

例えば以下のような物件の利回りを計算してみましょう。

・物件価格1,700万円の中古マンションを購入

・購入時に諸費用として80万円かかった

・1年間の収入は120万円(月10万円×12か月)であった

・1年間の支出は24万円であった

この場合は、計算式に当てはめると「(120万円-24万円)÷(1,700万円+80万円)」となり、利回りは5.39%となります。この利回りにおいて、空室及び家賃下落の状態になると「1年間の収益」が減り、利回りが低下してしまうのです。例えば、2か月空室があり家賃も10万円から8万円に下がったとします。その場合は上記の120万円という1年間の収入が90万円に下がり(9万円×10か月)、利回りは4.49%まで下がってしまいます。つまり18年半で元を回収(100%÷5.39%)出来る計算が、22年強の期間(100%÷4.49%)回収に時間がかかってしまうという事です。

リスクを回避するためには?

回避つづいて、上述したリスクを回避する方法です。結論から言うと、このリスクを回避するために1Rのマンションに投資をした方が良いのです。

空室リスクの対策

 

まず空室リスクを1Rマンションだと回避できる理由からです。理由は、「ターゲットが多いから」です。例えば、2LDKや3LDKのマンションに住むターゲットは、基本的には2~3人家族以上の「ファミリー層」です。しかし、1Rをはじめ面積の小さいマンションのターゲットは「単身者」がターゲットになります。このファミリー層と単身者層は住まいを選ぶ選択肢としては以下のようになります。

ファミリー層:分譲マンション、賃貸マンション、賃貸一戸建て、分譲一戸建て、親御さんと同居

単身者:実家暮らし、賃貸マンション

つまり、「住まい」に関する選択肢が、単身者の方が少なく、1Rマンションを借りる可能性が高いと言えるのです。勿論単身者の方でも分譲マンションを購入する人もいますし、一戸建てを建てる方もいるかもしれません。しかし、可能性の話で言うと、賃貸マンションに住む可能性に比べると低いです。一方、2LDKや3LDKのマンションを投資用にしてしまうと、ターゲットがファミリー層になります。しかし、ファミリー層は上述のように選択肢が多いので、競合物件が増えます。競合物件が増えると空室リスクも高まってしまうのです。

支出を抑える

 

家賃下落リスクは上述したように、外的要因が大きいため、こちらではどうしようもない所もあります。しかし、1Rマンションは利回りにダイレクトに関係してくる「支出」を抑える事が出来ます。先ほど言ったように利回りは「(1年間の収入-1年間の支出)÷(物件価格+物件購入時の諸費用)」となります。「1年間の収入」を安定的に保つのが前項の空室リスク対策だとしたら、支出を抑えるという点は、その他の「1年間の支出」「物件価格」「物件購入時の諸費用」を抑えるというリスク回避になります。

1Rマンションはファミリータイプのマンションと比べて、価格が安い(「物件価格」を抑える)です。また、物件価格が安ければ物件購入時の諸費用も安く(「物件購入時の諸費用」を抑える)なります。そして、面積が小さければ、管理費や修繕費、固定資産税なども安い(「1年間の支出」を抑える)です。このように、1Rマンションを投資物件にすると、支出をなるべく抑えることによって利回りの低下リスクを排除できるのです。

その他の要素

その他の要素としては以下が挙げられます。

・サブリース契約がしやすい

1Rはサブリース契約がしやすいです。サブリース契約とは、管理会社に空室時も賃料を保証してもらう契約形態のこと(プランによって異なります)です。管理会社に家賃の10%前後の手数料を支払うことによって、物件を管理してもらいます。そして、サブリース契約の種類を「満室保証」などにすると、例えば空室になった時でも管理会社が賃料を支払ってくれるという契約形態になります。これを利用すれば手数料は取られるものの空室リスクは完全に排除できます。

この契約は管理会社と協議して賃料を設定し、サブリース契約を請け負うかは管理会社が判断します。その時に1Rマンションは上述したような理由で「投資物件に向いている」という事を、管理会社側も知っているので、1Rの方がサブリース契約をしやすいのです。

・物件が豊富

投資用のマンションを探したことのある方なら分かると思いますが、基本的には1Rをはじめとした面積の小さい物件が多いです。理由は上述の通り「投資用物件」として選ぶ方多い。つまり、ニーズが高いからです。そのため、豊富な物件ラインナップから自分が投資したいと思った物件を選ぶことが出来ます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。投資用マンションは1Rが良いと言った理由がお分かり頂けたと思います。絶対に1Rでないといけないというワケではなく、1Kや1DKなど比較的小さい部屋を選ぶことをお薦めします。それが、投資用不動産につきまとう様々なリスクを排除することになるからです。

- 2016年08月16日