2018年3月27日に国土交通省が発表した公示地価は、商業・工業・住宅の全用途で、0.7%プラスと3年連続で上昇しています。地方圏にいたっては、26年ぶりに上昇に転じ、都市部集中と言いながらも、少しずつ地方の資産デフレが解消していると言えるでしょう。
とはいえ、都心部集中は進んでおり、メディアでは都市部のマンション価格を良く取り上げるので、マンション価格が高騰していると思われがちです。確かに、全国的にマンション価格は高騰していますが、特に東京の高騰ぶりは近年まれにみるレベルと言えるでしょう。
今回マンションサプリでは、東京都内の東京メトロ各線の周辺マンション価格を算出。2017年2月と2018年2月のマンション平均平米単価を比較し、上昇率ランキングを作成しました。この結果をもとに、上位にランキングした東京メトロの紹介と、上昇した理由を解説していきます。
調査概要
・対象の沿線は東京地下鉄の9路線
・対象のマンションは「マンションマーケット」に掲載されている2007年築、かつ、駅徒歩10分圏内(800m)に所在する分譲マンション
・徒歩1分=80m換算
・データは2018年3月19日時点
調査結果
東京メトロとは?
もしかしたら、東京に住んでいる人も東京メトロを良く知らない人がいるかもしれません。分かりにくいのですが、東京の地下鉄は東京メトロと都営地下鉄に分かれています。
なぜ2つに分かれているかというと、地下鉄建設の歴史が理由です。東京メトロの前身は、国が主体となって運営していた、いわゆる「営団地下鉄」です。しかし、戦後になって都市部に地下鉄需要が更に増し、新たに東京都も地下鉄事業に参戦します。これが都営地下鉄というわけです。東京メトロは先ほどのグラフの路線ですが、都営地下鉄は「都営浅草線」「都営三田線」「都営新宿線」「都営大江戸線」の4路線になります。
このように、東京メトロが先にできた路線になるので、比較的主要駅を通っている路線が多いです。都営地下鉄は後発組なので、JRや東京メトロがリーチできていないエリアを補完するような位置づけです。
銀座線とは?
さて、そんな東京メトロですが、東京メトロの9路線の中で堂々の上昇率トップは銀座線です。銀座線沿線マンションの価格上昇率は7%を超えています。
銀座線は、渋谷から浅草をつなぐ路線であり、停車駅のほとんどが都心になっています。
たとえば、青山一丁目、新橋、銀座、京橋、日本橋、神田、上野など、駅自体に資産価値が高くJRと連携している駅が多いのも特徴と言えるでしょう。渋谷からはじまり都心を通り、最終的に上野や浅草と言った下町エリアを抜けていきます。東京の西~東に向かって走っている路線になるので、山手線の真ん中を横断しているようなイメージです。そのため、自ずと都心の駅を通っているというわけです。
マンションサプリ 編集部 - 2018年06月14日