アベノミクスからはじまる日本の好景気ですが、不動産も例外ではありません。マンション価格は新築・中古共に過去最高水準に達しており、先日発表された地価を見ても好調です。ただし、当然ながらエリアごとに不動産価格の上昇率には差があります。
前提として、土地ではなく建物をベースして不動産の価値は、年を経過するごとに下落していくのが一般的です。そのため、そもそも前年のマンション売却価格と今年のマンション売却価格を比較すると、築年数が1年経っている分、今年の売却価格の方が安くなるのが普通なのです。
さて、そんな中で今回マンションサプリでは、東京都内を走る東急電鉄各沿線を対象に、周辺のマンション価格を算出。2017年2月と2018年2月時点の平均平米単価を比較し、上昇率ランキングを作成しました。この結果をもとに、上位にランキングしたJR線の紹介と、上昇した理由を解説していきます。
調査概要
・対象の沿線は東急電鉄の7路線
・東京23区内に存在する駅のみが対象
・対象のマンションは「マンションマーケット」に掲載されている2007年築の分譲マンション、かつ、駅徒歩10分圏内(800m)に所在するもの
・徒歩1分=80m換算
・データは2018年3月28日時点
調査結果
TOP3がプラス
ランキングを見ると分かるように、東急世田谷線・東急田園都市線・東急池上線の上位3路線の上昇率がプラスになっています。それ以外の路線はマイナスになっていますが、前項のような理由で不自然なことではありません。しかし、ほかの路線ではもう少し上昇率がプラスの路線が多い中で、東急線はマイナスに転じている路線が多いと見受けられます。
東急東横線とは?
前項のように、東急線はほかの路線と比べると、上昇率が小さく、下落率が大きいと言えるでしょう。ここで注目して欲しいのが、東急東横線の下落率-6.96%と突出して高い点です。
そもそも、東急東横線は渋谷・代官山・中目黒・自由が丘・田園調布・武蔵小杉・日吉・横浜など、大人気エリアが揃っています。JRを除くと、居住の観点から最も人気のある駅が揃っている路線と言えるでしょう。東京で最も人気のある私鉄と言っても過言ではありません。
そんな東急東横線の下落率が高い最も大きな理由は、元々マンションの分譲が少ない上に、価格が高いという点でしょう。
駅や駅からの距離、周辺環境にもよりますが、たとえば代官山でマンションを買おうとすると、坪単価300万円台後半は軽く超えます。住戸によっては坪単価400万円を超える物件もゴロゴロあるくらいです。
坪単価400万円ということは、70㎡の部屋が8,000万円以上するということです。この水準は東京都内でも他に多くはありません。東急東横線沿線を除けば、千代田区・港区の主要駅近くの物件、中央区の一部、あとは広尾などの高級住宅街くらいでしょう。
それほどまでに東急東横線の主要駅のマンション価格は高いのです。そのため、これ以上の価格高騰に消費者心理がついてこられなかったと考えられます。それが原因で下落率は大きくなっていますが、そもそも価格は高水準で位置していることに変わりはありません。
マンションサプリ 編集部 - 2018年06月07日