有孔ボードを活用して、DIYで台所を簡単に使いやすく利に改善

有孔ボード取付前

台所の前面は窓や壁になっている場合が多いです。
窓になっている場合は、明るく外の景色が見えて楽しみもあるのですが、壁になっている場合は単に壁があるだけで空間が活かされていないことが多いです。

この無駄になっている空間を活用できれば台所を、使いやすい台所に造り替えることができます。

有孔ボード使用

目次

1.有孔ボードで使われていない空間を活かす

2.賃貸住宅の台所に有孔ボードを取付ける

3.簡単なスケッチの作成

4.有孔ボードの取り付け準備

5.有孔ボードの取り付け作業

6.まとめ

1.有孔ボードで使われていない空間を活かす

壁があるだけで使用していない空間を利用する方法は、壁のところにお玉などの日常一番使うものを置くようにすると、とても使いやすい台所になります。

その一方で目の前にお玉などがいつも目に入ると、乱雑で片付けができない印象もあります。
乱雑にならないように、しっかり片付けられているようにするにはセンスが必要です。

壁の一部を有孔ボードにしてフックに吊るして置くようにすると、すっきりとセンスよく台所を片付けられ、使用時すぐ取れるのでとても便利です。

2.賃貸住宅の台所に有孔ボードを取付ける

台所の壁を有孔ボードに取り替えるのは、持ち家住宅であれば、どのような改造もできます。

しかし、賃貸住宅の台所の壁を有孔ボードに取り替えるには、持ち主である大家の了解を得る必要があります。
退去するときに元通りに復元をすることを求められる場合もあります。

そこで、台所の壁の現状を変えないように壁に釘うちなしで有孔ボードを取り付けると、退去時の作業は有孔ボードを取り外すだけです。

実際に賃貸住宅に住みついた筆者が、台所の壁に釘うちなしで有孔ボードを取り付けて使用していますので、その方法をご紹介します。

有孔ボード設計

3.簡単なスケッチの作成

有孔ボードを台所に取り付けるには、台所の簡単なスケッチ図を描きます。

ステンレス製台所シンクの上には、水道やガスの配管を隠すためのステンレス製出っ張り部が奥行き100㎜、その上がタイル壁、その上に収納棚が取り付けてあります。
タイル壁の横幅1110㎜、出っ張りから収納棚までの高さが640㎜です。

次に、スケッチ図を基に有孔ボードの取り付け図を書き加えていきます。
出っ張りと収納棚の間に2本の柱を立てて有孔ボードを取り付けます。

次に寸法を書き込み、材料の拾いをして書き出します。

[材料拾い]

・ 1×4材 最低長さ 1300㎜ 1本
・ ディアウォール(1×4材用) 2組
・ 有孔ボード 1100㎜×440㎜ 1枚
・ 木ネジ
・ 塗料
・ ハケ

この材料拾いを作成しておくと、材料の準備がスムーズにできます。
ホームセンターなどに材料購入に行ったとき、材料拾いと照らし合わせながら購入すると、余分なものを購入することも、必要なものを買い忘れることもありません。

ホームセンターへ行ったとき、欲しい寸法の製品が販売されているとは限りません。
販売されている既成品の寸法で使用できるものであったら、そちらのほうがメーカーや販売店に注文して取り寄せるよりも安く購入できます。

スケッチ図を描いて、必要な材料拾いをすることはとても大事なことです。

有孔ボード材料-1 有孔ボード材料-2

4.有孔ボードの取り付け準備

ホームセンターなどに行き、材料を購入します。
ほとんどの材料はホームセンターで購入できます。
塗料やハケは100円ショップでも購入可能です。

実際にホームセンターと100円ショップで購入した製品は次のとおりです。

・柱 1×4×6F(19×89×1828㎜) SPF 材 1枚
・有孔ボード アルミ複合板パンチング450×900㎜ 1枚 (注1)
・ディアウォール(1×4材用) 2組(注2)
・ステンレス製木ネジ ステンレス製M5×25 4本
・塗料 水性ニス 100ml(注3)
・ハケ ナイロン製幅20㎜ 1個(注4)

有孔ボードは台所シンクの上に取り付けるので、水で濡れる危険があります。

強化紙や合板は水に濡れると膨らんで型崩れすることがあるので、耐水性のあるアルミニウムとポリエチレンの複合板を選択しています。
塗料の水性ニスは、柱の塗装に使用します。

注1:有孔ボードは、強化紙製、木材合板製、石膏ボード製、アルミニウム製、ステンレス製があります。
ホームセンターで販売されているのは、強化紙製や木材合板製の有孔ボードが多いです。

注2:ディアウォールは、木材の両端にはめ込んで上の部分に入っているバネの力によって木材を固定する道具です。
各社いろいろな形があり、2×4材用、それより大きいものに使えるものもあります。

注3:水性ニスの特徴は、ほとんど臭いがなく、完全に塗膜が乾燥すると、耐水性があることです。
木材に塗装をすると表面に塗膜ができ、耐水なので木材に中に水が浸入しないので木材の腐食が防げます。

注4:ハケは塗装面積が少ないので、ナイロン製の幅20㎜の平ハケで十分塗装できます。

5.有孔ボードの取り付け作業

有孔ボードの取り付け作業の手順は、以下の順序になります。

有孔ボード柱

手順1:柱用の木材から、柱を2本切り取ります。

切り取る木材の長さは

柱の木材長さ=上下間の距離-(上ディアウォールの厚み+下ディアウォールの厚み)
=640-(28+17)
=595㎜になります。

上下のディアウォールの厚みは計測します。
上ディアウォールはバネを圧縮した状態で計測する必要があります。

有孔ボード塗装-1

手順2:切り取った木材を塗装します。

塗装回数は2~3回。
乾いてから次の回を塗装します。

有孔ボード塗装-2

塗装に使用したハケは、水の中に入れておきます。
次回使用するとき、水分をふき取るとそのまま使用できます。

有孔ボード塗装-3

手順3:木材の両端にディアウォールを取り付けます。

有孔ボード柱取付-1 有孔ボード柱取付-2 有孔ボード柱取付-3 有孔ボード柱取付-4

手順4:バネのついたディアウォールを上に、バネにないディアウォールを下にして柱を立てます。

柱の間隔は900㎜以下にします。
柱の上下間隔が1100㎜を超えるときは、柱の折損防止のために柱の太さを大きくします。

柱を立てたら、柱がバネの力でしっかり固定されていることを確認します。
バネの固定が緩いときは、下部のディアウォールの下に薄いゴム板を敷きこむと、バネが効いてしっかり固定され、ゴム板が滑り止めになります。

有孔ボード加工

手順5:有孔ボードを取りできるように加工します。

取り付け面に出っ張りや支障がある部分は切り欠きます。
アルミの複合板は、硬いものを切れるハサミや金ノコで切断することができます。

切断部分やバリのある部分はヤスリやグラインダーで面取りします。
鋭角な部分が残っていると、皮膚があたったときに傷付くことがありますから注意が必要です。

また、ネジ止めする位置を決めたら、木ネジ用の下穴をキリやドリルで開けます。

有孔ボード取付

手順6:ディアウォールのバネの効きを確かめ、柱の垂直と柱が動かないことを確認して、柱に有孔ボードの位置を合わせ、木ネジで4箇所固定します。

手順7:有孔ボードを取り付けたら、穴にフックを取り付けます。

使用するフックの材料はステンレス製品やビニールコーティングしてある製品を使用すると、錆が発生ないのできれいに使用できます。
有孔ボードには金網の籠も取り付けることができます。

6.まとめ

有孔ボードを使用すると、通常活用されていない台所の壁面を有効活用できます。
使用頻度の高いものを収納するようにすると大変便利です。

有孔ボードの取り付けは、ディアウォールなどの製品を活用すると、既存の壁などに釘を打つことなくできるので、賃貸住宅でも気兼ねなくできます。

使用する有孔ボードは、耐水性のあるアルミとポリエチレンの複合板が木材合板の製品に比べて価格面で高いですが、加工しやすく強度もあり長持ちするのでおすすめです。

木材は温度変化による伸縮がありますから、柱が壁などに直接固定されていない場合、季節ごとに柱がしっかり固定されているかチェックが必要です。
緩みが生じた場合、1~2㎜程度のゴム板を挿し込むとしっかり固定されます。

- 2017年09月16日