こんにちは。今月より住宅ローンをテーマに金利のことや住宅ローン控除のことなどをお伝えしていくことになりました。よろしくお願いします。
もう7月の下旬になりかけておりますが、まずは7月の短観からいってみたいと思います。
まずは長期固定金利の住宅ローン商品フラット35の金利です。
フラット35(9割融資の場合)
7月 借入期間15年~20年 0.85%~1.5%(前月比▲0.14%)
7月 借入期間21年~35年 0.93%~1.58%(前月比▲0.17%)
7月は6月と比べると0.14%~0.17%金利が下がり固定金利としては初めて1%を切るという史上最低の金利となっております。 フラット35の金利は国が発行する長期国債の金利と連動しているので、長期固定金利の予測をするには財務省が発表する長期国債の金利推移が参考になります。
2016年7月1日発表の日銀短観を見ると6-9月の企業の業況判断ポイントを見るとマイナス予測になっていることを考えると 個人的の見方としては2016年8月以降も金利は下げ基調もしくは横ばいで推移するのではないかと思ってます。
各主要銀行の2016年7月の住宅ローン金利(変動金利)は以下のようになっております。 金利に関しては2016年7月時点で各銀行が発表しているものを参照しております。 銀行の貸し出し条件等によっては表示の金利を適用できない場合がありますのでご注意下さい。
適用される変動金利だけを見ると、店舗を持たないネット銀行系が低い金利を提示して顧客獲得件数を増やしています。 ネット銀行系の住宅ローンのメリットはやはり金利が低いことが挙げられます。 一方デメリットとしては書類のやり取りが郵送になるので本審査から融資承認が下りるまでに時間がかかる(約1カ月)ことです。 ネット銀行を利用する時のポイントは購入したい物件がある程度絞り込まれた時に先に事前審査を行っておくことをおすすめします。
都市銀行と地方銀行では金利に関しては正直あまり差はありません。 金利であまり差を出せないので、各銀行ともに住宅ローンに付ける特約で差別化を図っています。 住宅ローンの借入をすると、団体信用生命保険の加入が必須でついてきます。住宅ローンの借主に万が一の時に住宅ローンがチャラになる保険です。
団体信用生命保険は銀行がかける保険になっていて、住宅ローンの金利にこの保険の金利も含まれているのですね。
最近の大手銀行の動きはこの団体信用生命保険の内容で差別化を図っているところが多いです。
8大疾病付とか、高度障害対応とか。そういった特約を付けることで金利が0.〇〇%上乗せされるという形をとっています。
住宅ローンで変動金利を選ぶ時に押さえておきたいポイントの1つ目は、「優遇金利幅がどれだけあるのか?」という点です。 実は各銀行ともにここ10年くらいは各銀行が掲げる店頭金利は2.475%から横ばいで動いてないのです。
変動金利はこの店頭金利からどれだけ金利の優遇が受けられるのか?受けた結果どんな金利になるのかを店舗やHP上で表示しています。 変動金利の金利が低い=金利の優遇幅が大きいといえます。 そのため、今後金利の見直しを行う場合は、あくまでも基準金利を見直し、優遇金利を加味して実行金利が決まることになります。
仮に今後さらに変動金利が下がった場合に、すでに借り入れしている自分にもその金利が適応されるかというとそうではないのです。 基準金利が下がらない限り、自分の借入金利が下がるということはありません。
2つ目のポイントは保証料と呼ばれる経費の存在です。 現在は住宅ローンを組むにあたって連帯保証人が必要ありません。 (*)その代わり、銀行の裏に保証会社という存在がありそこが最終的にお金を貸すか貸さないかの判断をします。 この保証料は住宅ローンの残債によって、返還される性質のものなのですが、これをお金を借りるときに一括で払うのか、金利に組み込むのか選ぶことができるのです。 一括で払う場合は借入額の約0.02%前後(銀行によって異なる)の費用が掛かかってきます。
例)3000万の住宅ローンを組む場合、保証料で約66万円の費用
金利に組み込む場合、一般的には最大の優遇金利から0.2%金利が上乗せされます。
例)基準金利2.475%で最大優遇金利▲1.8%、適用金利0.675%の場合、0.2%上乗せで適用金利0.875%
変動金利の優遇金利に幅があるのはこの保証料を最初に一括で払ってしまうか、もしくは金利に上乗せするか、選べるためなんですね。 自己資金がある程度お持ちの場合は、最初に一括して払ってしまった方が住宅ローンの総支払額でみた場合にお得です。
例)借入額:3000万円
借入期間:35年
適応金利:0.675%
総支払額:33,691,553円
適応金利:0.875%
総支払額:34,838,708円
34,838,708円(金利0.875%)‐ 33,691,553円(金利0.675%)=1,147,155円
1,147,155円 - 約660,000円 = 487,155円!!
先に保証料を支払ってしまった方が約45万円お得となります。 逆に自己資金はできるだけ使わずに手元に残しておきたい、と考える場合は金利組み込み型の変動金利を選ぶのが良いです。
変動金利を選ぶ場合は基準金利から優遇金利幅がどのくらいあるのか?保証料をどうするのか?を注意して選びましょう。
変動金利の不安要素としては将来的に金利が上昇した時に住宅ローンの支払いがし続けられるかどうか?という点があると思います。 今後景気が良くなって株価や物価が上昇し、それに伴って住宅ローンの金利が急激に上昇したら不安ですよね?
急激な金利上昇によって住宅ローンの支払いが困難にならないように顧客を保護するために、 各銀行は「5年ルール」と「125%ルール」というものを設定しています。
【5年ルール】
元利均等方式の支払の場合、金利の見直しは年2回行われます。
その際に金利が上がったとしても住宅ローンの支払額は5年間据え置かれる措置のことを言います。
そして5年経過後に改めて返済額を見直すことになります。
【125%ルール】
5年後に住宅ローンの支払額を見直した時に、急激な金額上昇を抑えるために、見直した支払額はこれまで支払っていた金額の125%を上限とするというものです。
例えば月々の支払が100,000円だった場合、支払総額見直し後の月々の支払上限額は125,000円以内にするということです。
このようなルールがあるから、急激な金利上昇によって月々の支払額が急激に上がるということはありません。 ただ、注意しないといけないのは、月々の支払額が急激に上がることはなくても、支払っているお金の中身は変わります。
住宅ローンの支払額は元本と利息から構成されます。一般的には支払初期は元本と利息の割合は利息の方が多くなります。 支払い年数が経過してくると元本の割合が増えて、利息の割合は減ってきます。銀行は最初に利息の割合を多くしてとりっぱぐれないようにしているんですね。
5年ルール、125%ルールが適用されると住宅ローンの支払い額は横ばい、もしくは125%の範囲で上がることになりますが、その内訳も変わるのです。 5年ルールが適応されて5年間は支払額は変わりませんが、利息の割合が多くなり、元本が減らないという事態が起きるのです。 最終的には残った残債は最後に一括支払いになるというケースもありえます。
5年ルール、125%ルールがあるから急激な金利上昇による支払額増加のリスクはありませんが、支払っているお金の内訳が変わってくるので注意が必要です。
今後このような形で住宅ローンの金利に関する感想や、金利についてのお話を書いていきたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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