人が集う〝アイランドキッチン〟開放感がある心地の良い暮らしを目指したスッキリ収納の極意

キッチンに対する要望が多様化している現在ではスタイルの選択も増えています。今回は開放感と広がりのある心地の良い空間を作りだすキッチンが主役の〝アイランドキッチン〟とその収納アイデアについて詳しくご紹介いたしましょう。

目次

1.魅せるキッチン〝アイランドキッチン〟の特徴
☞アイランドキッチンのメリット
☞アイランドキッチンのデメリット
☞換気効率の良い配置で匂い対策-➀
・ペニンシュラキッチンとは?
☞換気効率の良い配置で匂い対策-➁
・ワークトップ(調理台)スペ-ス+シンクのみアイランド型に

2.アイランドキッチンにおススめの便利グッズ&収納アイデア
☞油はねガ-ド
☞キッチン廻りのミニダイニングセット
☞棚、キャビネットを上手く利用する収納
☞アイデア次第で色んな物が収納グッズとして活躍します。

3.知って得する キッチン設備&素材
☞素材編
・素材 ステンレス
・木材
・人造大理石
・タイル
・クオ-ツスト-ン
・エコ素材
・メラニン
☞ガスコンロ OR IHクッキングヒ-タ-、加熱調理機器はどちらが便利?編
・ガスコンロ
・IHクッキングヒ-タ-
・ガスコンロとIHクッキングヒ-タ-の両方ほしい、欲張りな方には
☞食器洗い機編
☞ビルトイン家電編

4.まとめ

1.魅せるキッチン〝アイランドキッチン〟の特徴

アイランドキッチンとはお部屋に島のように独立させてレイアウトしたキッチンスタイルの事です。

アイランドキッチンのメリット

開放感がありお部屋全体を見渡す事が出来るので、ご家族やゲストの様子を見ておしゃべりしながらお料理をする事が可能です。又作業動線が取りやすい為、例えば共働きでお忙しいご夫婦の場合にも、お二人がキッチンに立ち分担してお料理やお片付けといった作業がスム-ズに行えます。何よりワークトップ(調理台)スペ-スを広く確保出来るので料理のモチベ-ションが上がります。お友達とワイワイしながらホームパ-ティをしたい方にも断然おすすめのキッチンスタイルです。

アイランドキッチンのデメリット

開放感があるというメリットがある反面、ワークトップ(調理台)部分やシンク廻りまでが全てフラットに見渡せてしまい物などが目に付きやすい為、常にキッチン廻りの〝スッキリ〟さをキ-プしておかなくてはなりません。又料理の匂いが部屋中に拡散しやすいので、アイランドキッチンの設置はお部屋に充分な換気が出来る窓がある事が大前提となります。又換気扇(レンジフ-ド)はデザインのみならず、パワ-のある高性能な機器を選ぶ必要があります。アイランドキッチンの場合はレンジフ-ドを壁に取り付ける事は難しいので、「天井取付け」タイプのみ選択が可能となります。更にメンテナンスがし易いか否かも重要なチェック項目になりますので覚えておきましょう。

換気効率の良い配置で匂い対策-➀

ペニンシュラキッチンとは?

先にアイランドキッチンの換気扇の機能の重要性をお伝えしましたが、充分な換気環境がない場合はペニンシュラキッチンをおススメします。画像のようなアイランドキッチンの片側一面を壁にくっつけるイメ-ジです。アイランドキッチンと同様にオ-プンキッチンである上にあまり間取の制約を受けず、壁側に換気扇を設置する事が出来る為、換気扇の種類も選ぶ幅が広がりますのでより高性能な機器を選ぶ事が出来ます。よって料理中の匂いや油はねなどの心配も軽減します。

換気効率の良い配置で匂い対策-➁

ワークトップ(調理台)スペ-ス+シンクのみアイランド型に

アイランドキッチンの開放感に憧れるけれども、毎日のお掃除には少し自信がない…という方におススめのレイアウトは、シンクのあるワークトップスペ-スをアイランド型に、コンロスペ-スをワークトップスペ-スと背中合わせの壁側に設置すれば壁にレンジフ-ドが設置可能となりますし、ある程度の死角が生まれる事により、少しの散らかりは目立たなくなります。ワークトップスペ-スの奥行きを深く取れば、アイランドキッチン特有のキッチンが主役なスタイルをキ-プ出来ます♪

2.アイランドキッチンにおススめの便利グッズ&収納アイデア

油はねガ-ド

コンロの前に壁がない、となると揚げ物の料理をする際に気になってしまうのが油はねですよね…油はね防止のパネルがオイルガ-ドという名前で販売されています。開放感があるアイランドキッチンに使用するツ-ルですので視線を遮らないガラスパネルがおススめです。お料理が終わればキチンと布巾で拭いてお手入れをしてから所定の場所にしまう事をクセ付けすればいつも綺麗に片付いたワ-クトップがキ-プ出来ます。

キッチン廻りのミニダイニングセット

アイランドキッチンの横や前にミニダイニングセットをセットすればお料理をして最短距離でお食事を運ぶ事が出来ます。まるでちょっとした小料理屋の女将さんにでもなった気分に♪お料理は温かいうちに配膳が基本ですよね。何より動線が短縮出来て食後のお片付けも楽ちんです。お一人やお二人暮らしの方にもご提案したいレイアウトです。画像ではダイニングテ-ブルに更に棚をちょこっとプラスしてここでも収納スペ-スを確保していますね。

棚、キャビネットを上手く利用する収納

先にもご説明をしましたとおり、アイランドキッチンは全てがオープンでフラット。ワ-クトップをスキッリとさせる為には、調理器具や細々とした調味料などを全て収納しなくてはなりません。デットスペ-スを上手く利用して物の定位置を決めていきましょう。例えば冷蔵庫横の隙間収納をしたり、奥行のあるワ-クトップ下に棚を設置すれば、調理器具から良く使う日常食器までを全てを収納する事が出来ます。まな板や包丁も、使用時にサッと取り出せる場所に収納をしておきたいですよね。こちらの画像はワ-クトップの天板部分と棚の素材に変化をつける事で、単調で冷たい印象になってしまう大容量の収納棚に温かみとデザイン性を与えています。天板を長めにとりカウンターテ-ブルとするテクニックはキッチンリノベ-ションをDIYする際にも良く使われています。

アイデア次第で色んな物が収納グッズとして活躍します。

パンチングボ-ドはご存知でしょうか?別名有弘ボ-ドとも呼ばれていますが、規則的に穴の空いた板(ボ-ド)の事です。その穴にフックを取り付けるだけで簡単に調理器具などの収納が可能になります。又通気性にも優れているのでキッチンなどの水廻りとも相性バッチリです。最近ではホームセンタ-や100円均一などでも比較的に安価で手に入ります。

このパンチングボ-ドやコルクボ-ドを棚の扉の内側部分に貼り付け固定します。後は金具フックやマグネットフックなどを各ボ-ドに取り付ければ、キッチンの細々とした小物を収納するスペ-スとして活用出来ます。この両素材の最大のメリットはフックを簡単に取り付けたり、外したりが出来るので収納物の配置を何度でも簡単に移動し変更が出来る事です。

こちらは棚の引き出し内にパンチングボ-ドを敷き木製の棒(100円ショップで購入可能です)を組み合わせてお皿の収納をしています。

ヘア-シャンプ-やボディシャンプ-などを入れるアイアン製のバスグッズを扉の内側に固定してまな板などを収納。収めたいまな板の枚数分のみの奥行きが浅いタイプを選びましょう。

3.知って得する キッチン設備&素材

賃貸マンションや購入物件を閲覧する際、キッチンをまずチェック!という読者の方も多いと思います。キッチンは女性又は奥様にとって〝お城〟住居の中でも重要な場所と言えます。しかし最近のデザイナ-ズマンションのキッチンはデザインは優れているけど耐久性はあるのかなと…思ってしまう方も多いのでは?毎日使われるキッチン、やはり使い勝手や耐久性は大変重要なチェック項目となりますので充分に知識を準備して物件の閲覧や新築のプランに挑みましょう!

素材編

キッチンは食を毎日預かる大切な場所、どの素材を使っても経年変化は避けられませんが、まずは素材を良く知った上で適したお手入れを行う事が大切です。

素材 ステンレス

昔からキッチンに使われる定番素材といえばステンレス、水や熱、汚れに強く、更に衛生面にも優れている為、飲食店のキッチンにも多く取り入れられています。表面の仕上げ方によって価格帯も変わってきます。最近は高級ステンレス素材を使ったシンクと一体になったキッチンスタイルが大人気です。

木材

自然素材ならではの質感や肌触りがあり、木の種類によっては色や木目がお部屋のインテリアになります。一見ケア-が難しそうに思えてしまう素材ですが、塗装処理がしっかりと施してあれば、普段は水拭き程度のお手入れで十分です。あえて木の素材を活かす木材を選びオイルで仕上げたキッチンは、お手入れもオイルで対応しましょう。家具の様に使い込めば、多少の傷も味わいになり経年変化を楽しめる愛着のあるキッチンとなるでしょう。

人造大理石

天然石のような風合いと質感があり、耐熱性にも優れた樹脂素材。加工し易い為シンクと一体型のスタイルやカ-ブ仕上げにしたりと、アレンジも多彩です。カラ-などのバリエ-ションも豊富で各キッチンメ-カ-が独自に開発しているものも多く見られます。シンクを人造大理石にした場合、目地に黒カビなどが発生する場合があります。使用後は水分を残す事なく拭き取る事を習慣化してしまいましょう。ただメ-カ-による品質の差が大きく、シミなどが残るタイプもあるので良く材質を確認する必要があります。

タイル

色や形もさまざまなタイプがあり、温かみのある雰囲気になります。白いナチュラルで明るいタイルからアクセントカラ-まで種類が豊富です。ただキッチンのタイルを選ぶ際には強さだけでなく、メンテナンスについて考慮する必要があります。光沢がありツルっとした施釉タイルでフラットなタイプは汚れがつきにくく、お掃除がし易いのでワークトップにも適しています。表面がザラッとしたタイプはおしゃれな仕上がりにはなりますが、お手入れに手間がかかりますので要注意。目地の汚れが心配だという方は汚れが目立たぬように色目地にする方法も良いかと思います。

最近はタイルシ-トやタイル柄のウォールシ-トでキッチンのリフォ-ムやDIYを楽しむ方も多いですよね。画像はタイルステッカータイプ。スポンジ素材のステッカ-がシールになっているので壁に貼るだけでタイルのような仕上がりになります。存在感のある模様でキッチンの明るい雰囲気作りに一役買ってくれます。

クオ-ツスト-ン

天然石のような高級感と質感でありがながら水分を殆ど吸収しないため手入れも簡単です。基本は水拭きや中性洗剤で拭くだけで耐久性もあります。天然石自体を使用すると重量もあるゆえ、割れやすいのでフレキシブルな加工は難しく、耐熱性もあまりありません。一方クオ-ツスト-ンは吸水率が極めて低い「水晶」を砕き、プレスしたもので硬く、包丁を使用しても摩擦しません。

エコ素材

最近は自然素材をベ-スに加工した新しい素材も人気です。イタリア産のテラコッタや大理石などのミネラルと水性ポリマ-で構成されたエコ素材など耐久性が高く、手入れし易いのが魅力です。各メ-カ-が面白い素材を提供していて興味深いですね。

メラニン

「高圧メラニン材」はメラニン樹脂や紙などで構成された化粧板に高い圧力をかけて加熱したもの。表面材を貼ってコーティングしているので加工性が良く比較的安価であるのも嬉しい特徴です。扉や小口部分にも使え、ダイニングテ-ブルとセットで揃える事も可能な為、インテリア性の高いキッチンの仕上がりが期待出来る素材です。表面が硬いため衝撃に強く耐熱性にも優れています。

ガスコンロ OR IHクッキングヒ-タ-、加熱調理機器はどちらが便利?編

ガスコンロ

今まではガスコンロは危なく、高齢者などに多い調理時の火の消し忘れや、外出時の元栓の閉め忘れなど敬遠してしまいがちでしたが、最近のガスコンロは以前に比べ安全性とデザイン性が格段にアップしています。2008年から安全基準の変更により、全口センサ-が義務化され、立ち消えや消し忘れなどの心配がなくなりました。お手入れに関しも、バーナ-の周りにあったいわゆる「汁受け」があるタイプが少なくなり、フラットなので吹きこぼれた場合もサッと拭き取る事が出来ます。お掃除が手間なイメ-ジがあったガスコンロも最新な物はシンプルな造りになっています。

ご紹介したメリットを備えたビルトインコンロ(システムキッチン組み込み式のガスコンロ)が現在は主流ですので、後は選ぶ基準とすれば求める火力と口数、ゴトクの素材、グリルの有無になってくると思います。2口コンロの場合は調理作業にゆとりが生まれますが、3口コンロの場合は料理の効率が上がるのはもちろん、市場では3口コンロ搭載機種が大半を占めますので機種を選べるというメリットもあります。デメリットとしては、火を使うのでお料理中の余熱が部屋中に拡散しますと、どうしてもキッチン廻りは高温となってしまいます。結果結露の心配をする方もいらっしゃると思います。やはり適度な換気が必要となります。

IHクッキングヒ-タ-

磁力線の働きによってお鍋自体を発熱させるIHクッキングヒ-タ-は、火を一切使いませんので安全性が高く小さいお子様のいるお宅などにはまず安心感があります。実はガスコンロよりも熱効率が高いのも特長で、立ち上がりが早いので料理時間を短縮できます。又燃焼をしないので料理中の余熱が部屋中に拡散する事を防ぎますので夏場でも快適です。更に天板の調理面がフラットなので調理しながらサッと一拭きするだけで、調理汚れを除去する事が出来ます。デメリットとしてはIHは電磁線を通さない鍋は使用する事が出来ません。銅やガラスなどの鍋は使用出来ませんし、陶磁器製の土鍋なども使用出来ませんので、調理器具をご購入時には注意が必要です。

ガスコンロとIHクッキングヒ-タ-の両方ほしい、欲張りな方には

2009年にグッドデザイン賞を受賞したハイブリッドな加熱調理機器、MY CHOICE(マイチョイス)はガスとIHを組み合わせてセッティング出来る優れものです。1口タイプや2口タイプとコンロの組み合わせも自由自在に。用途に合わせてイメ-ジ通りの理想のキッチンを手に入れましょう。

食器洗い機編

アイランドキッチンの必須アイテムと言っても過言ではない食洗器。水切り籠などをシンク台上に置きっぱなしとなると見栄えが良いとは言えませんので、システムキッチンにおいてもアイランドプランの場合には食洗器が設けられている場合が多くなります。海外製の食洗器の場合はフロントオープンで開口60㎝の大容量タイプが主流。日本製は引き出し式で、立った姿勢で楽に出し入れ出来るのがメリットですが、海外製に比べるとサイズが一回り小さい45㎝が主流のようです。最近の食洗器は時短やエコモードなどの多彩なコ-スも選べます。

ご予算やスペ-スの関係で食洗器の設置が難しい場合は、シンクの内側に水切り籠が収まるタイプが、正面から見えず目立たない為おすすめです。ある程度水切りが出来て乾燥した食器は布巾でふいて所定の場所に素早く収納しましょう。シンク下の収納棚に多少の空きスペ-スを確保しておけば急な来客の際に水切り籠の避難場所として利用出来ますのでデットスペ-スを上手く利用しましょう。

ちょこっと使った湯呑などの少量の食器は食洗器を使わず手洗いされると思います。又食器を充分に水切り乾燥をさせてから収納をされたい方は、画像の様にシンク下やキャビネット内などに水切り籠が置けるスペ-スを設けるのも良いアイデアですよね。

ビルトイン家電編

アイランドキッチンは先にもご説明をした通り、リビングル-ムなどのお部屋の主役となるキッチンです。その存在感を最大限に引きただせるインテリアコ-ディネ-トがビルトイン家電です。ビルトイン家電とは、キッチンキャビネットに組み込める家電の事です。狭いスペ-スでもワ-クトップ下や背面収納に食洗器のみならず電子レンジやオーブンなど全ての家電をビルトインすれば、見た目がスッキリとなり結果キッチンを広く見せる効果があります。

4.まとめ

最近は中古のマンション物件やお家のリノベ-ションをご自分でプランニングされる方も沢山いらっしゃいます。キッチンがバッチリと決まれば自ずと周りのレイアウトやインテリアの方向性が見えてきます。理想のアイランドキッチンを手に入れて心地の良い暮らしを楽しみましょう。

- 2016年09月29日