「マンション」と「アパート」って何がどう違うの?見分け方ってある?

不動産情報を眺めていると「マンション」「アパート」など、集合住宅にはさまざまな呼び名が存在していますよね。でも、これらを見ていると「何が違うの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。そこでマンションとアパートの違いやそれぞれの特徴について考えてみましょう。

目次

1.マンションとアパートって違いがあるの?

2.マンションとアパートは構造と階数が異なる
☞マンション
☞アパート

3.アパートには「コーポ」「ハイツ」「メゾン」という名称もある

4.マンションの特徴とメリット・デメリットとは?
☞構造を確認することは重要
☞マンションに住むメリット・デメリット
☞アパートに住むメリット・デメリット

5.マンションとアパートでの防音性の違いは?
☞建物の構造
☞マンションは防音性が高い
☞防音性に関しての注意点

6.名称以外にも構造に注目した物件選びが大事

1.マンションとアパートって違いがあるの?

マンションやアパートに住む場合は、建物の中に複数の世帯が住むことになります。どちらも共同住宅には変わりありませんよね。でも、どういった建物が「マンション」「アパート」なのかの具体的な違いが分からないという方もいるでしょう。それにマンションではないか?と思った建物がアパートだったりすることも実際あります。

ではマンションとアパートの違いとは何なのでしょうか。実は、マンションとアパートには、明確な違いの規定はないのです。一般的に「マンションは鉄筋コンクリートで建てられていて豪華。アパートは木造で小さい。」というイメージを抱く人が多いかもしれません。これらにはハッキリとした定義は決められていませんが、構造などによって不動産情報として表示する時に分類されています。では、どのように区別されているのでしょうか。

2.マンションとアパートは構造と階数が異なる

マンション

マンション多くの人がイメージするように、マンションは鉄骨造や鉄筋コンクリート造の丈夫な構造の物件を指すことが多いです。そして規模的には3階建以上の階数の高い集合住宅です。

アパート

アパートマンションが鉄骨系の丈夫な構造なのに対して、アパートの場合は木造建築あるいは軽量鉄骨造です。そのため階数は2階建と規模が小さいです。このようにマンションでは鉄筋系で階数が3階以上、アパートでは木造で2階までと、おおよその構造と規模によって不動産情報では区別されています。

ただし、明確な規定がないため、その名称も各不動産会社によって表示の基準が異なっているのが現状です。3階建の集合住宅でも「○○アパート」という名称になっていたり、2階建の木造であっても「○○マンション」という名称になっていたりすることもあります。構造や階数で使い分けしているのが一般的ではありますが、建物の外観や様子に応じて名称をつけているというケースもごくまれにあるようです。

3.アパートには「コーポ」「ハイツ」「メゾン」という名称もある

木造アパートの場合に「○○コーポ」「○○ハイツ」「メゾン○○」などというのも聞いたことのある方も多いでしょう。不動産情報を見ているとこのように多くの名称が存在するので、いったい何が違うのか疑問に思うかたも多いですよね。

実はこれらは名称の違いだけで、すべて「アパート」と考えてもOKです。木造2階建までの集合住宅をアパートと名称づけることが多いですが、その中でも「オシャレ感を出す」ように他のアパートとの差別化を図りたい場合に、大家さんがこのようなネーミングにするケースが多いようです。コーポは「corporate house」を略した共同住宅という意味の英語、ハイツは「高台」という意味の英語、メゾンは「家」という意味のフランス語です。

すべて家に関する外国語ではありますが、他と違ったイメージを出したくて名称に取り入れているのがほとんどです。名称のつけかたには特に規制はありませんから、少し築年数が古いアパートに「メゾン○○」なんていうオシャレな名前を付けてアピールしようという場合も多々あるのが現状です。

4.マンションの特徴とメリット・デメリットとは?

メリット・デメリット

構造を確認することは重要

前述のように、マンションは鉄骨造や鉄筋コンクリート造といった構造の丈夫な建物。物件を選ぶ時に「マンション」を選択する人は、しっかりした構造を期待している場合が多いでしょう。ただし、マンションとアパートに明確な定義がないため、マンションとなっていても木造建築の場合だってあり得るので注意は必要です。

マンションに住むメリット・デメリット

構造がしっかりしているからこそ、万が一の災害時にも被害が小さくて済むというメリットがあります。また設備が充実しているのも魅力です。エレベーターで階数の高い部屋でも移動が楽、オートロックや防犯カメラなどが設置されていてセキュリティ面が充実しているのが特徴です。このように充実の設備から家賃が高く設定されているということが若干のデメリットと感じることもあるでしょう。

アパートに住むメリット・デメリット

木造のアパートではマンションと比較すると家賃が安くリーズナブルだというところが魅力です。物件数も多いので、自分の住みたい地域にお手頃な価格で引越しができるというのもメリットの一つとなっています。ただし、築年数の経過した物件だとセキュリティ面が心配というデメリットを感じてしまうこともあるかもしれません。

5.マンションとアパートでの防音性の違いは?

防音
集合住宅で暮らしている時に気になるのが周囲の音。隣人や上の階の人の生活音がもとでトラブルにまで発展するケースってよくあることでしょう。マンションもアパートも複数の世帯が共同でひとつの建物に居住するという意味では一緒の「集合住宅」ではありますが、できれば周囲の生活音を気にせずに住みたいと希望する方も多いのではないでしょうか。

マンションとアパートには明確な違いがないものの「構造の違い」で分類されているとお話ししましたが、この構造が「防音性」に深く関係しているので、ご紹介していきたいと思います。

建物の構造

建物を建てる時には、次のような構造の種類があります。

・木造(W)

・鉄骨(S)

・鉄筋コンクリート造(RC)

・鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)

マンションは防音性が高い

世間で「マンション」と言われているもののほとんどは、防音性が高いと言われている鉄筋コンクリート造・鉄筋鉄骨コンクリート造なのです。

・鉄筋コンクリート造(RC)

鉄筋をコンクリートによってさらに補強している丈夫な構造。柱や壁、床、梁までが鉄筋コンクリートで建てられており、重みがある建物のため振動や音が伝わりにくいのが特徴。一般的には10階に満たない階層のマンションに用いられている構造です。普通に生活して発生する歩く音などは気にならないということが大半です。

・鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)

10階建以上にもなる大規模なマンションでは、耐震性に優れている鉄筋鉄骨コンクリート造の構造を採用しています。鉄筋コンクリート造との違いは、鉄骨の柱の周囲にさらに鉄筋コンクリートを補強してある構造ということ。鉄筋コンクリートと同様、防音性は優れている構造です。

防音性に関しての注意点

注意点マンションは一般的に鉄筋コンクリート(RC)や鉄筋鉄骨コンクリート(SRC)だから防音性に優れている・・・と過信するのは要注意です。確かに木造や鉄骨造のアパートやコーポ、ハイツに比べると、日常生活の防音性が高いのが魅力なマンション。その構造上、鉄筋コンクリート(RC)や鉄筋鉄骨コンクリート(SRC)は防音性が高いものの、壁の厚さによってその効果が異なるのです。

隣との間にある壁を「戸境壁(こざかいへき)」と言いますが、この壁の厚みはそのマンションによって異なります。基本的に「マンション」という名称になっている建物は150mm以上の壁の厚みがあります。しかし防音性を重視するならば最低でも180mm以上ほしいところです。200mmあればなお防音性が高いマンションということになります。

6.名称以外にも構造に注目した物件選びが大事

このように、マンションとアパートという建物の違いは明確に区別されていないのが現状です。名前だけで物件選びをしてしまうと住んでしまってから「違っていた」ということもあり得ます。不動産情報を確認する時には、構造なども同時にチェックして快適に暮らせるように情報収集をチェックしたいものですね。

- 2016年09月01日