なぜ人気?港区のタワーマンションの価格上昇率が高い!

東京オリンピックも2年後にせまり、競技場建設なども着々と進んできています。そんな中、首都圏の新築マンション価格は高価格を推移しており、それにつられて中古マンションも高価格になっています。

また、タワーマンション価格も高い水準であり、その中でも港区のタワーマンション価格の2017年上昇率は非常に高かったです。その最も大きな理由は、港区周辺で進められている再開発によるものでしょう。

今回マンションサプリでは、港区内のタワーマンション価格(㎡単価)が、2017年1月~2018年1年間でどのくらい変動したのか、価格上昇率の高いタワーマンショントップ10を調査しました。それを基に、港区のタワーマンション相場を見ていきましょう。

※調査概要
・対象マンションは、相場情報サイト「マンションマーケット」に掲載されている分譲マンション、且つ階数20階以上のマンション
・地上20階以上のマンションをタワーマンションとする
・2017年1月と2018年1月の月間の平均平米単価を比較して上昇率を算出
・データは2018年2月20日時点

港区タワーマンション価格上昇率ランキングTOP10

港区とはどのようなエリア?

まずは港区がどのような区であるか見ていきましょう。
港区は、千代田区・中央区と並び「都心3区」と言わる区であり、首都圏の中でも屈指の人気エリアです。その点は、港区にある以下のエリアを見れば自ずと分かります。

・六本木
・青山
・赤坂
・麻布
・白金
・表参道
・新橋
・汐留

港区は、六本木などの繁華街をはじめ、青山・白金など人気エリアもあり、さらに新橋・汐留などのオフィス街もあります。また、「港区ブランド」という言葉があるように、東京都の中でもステータスが高いのが港区になるのです。

さらに、港区はビルが多いエリアでもあるので、エリアとして容積率が高いです。容積率が高いということは高い建物が建築できるので、タワーマンションの数も多いということです。「港区のタワーマンション」といえば、日本で最もステータスがあるといっても過言ではありません。たとえば、六本木や新橋は「住む」というイメージがあまりないかもしれません。しかし、六本木一丁目の方や、西新橋、さらに神谷町の方まで抜けると意外と静かなエリアになっています。

また、六本木ヒルズのような大型複合施設にはレジデンシャルも併設されているので、都心の真ん中に居住区もあります。そのため、ビルの再開発などが進み、その周辺の不動産価格が上昇すれば、居住区であるタワーマンション価格も上昇するということです。

港区は再開発が大きい

港区のタワーマンション上昇率が高いのは、たとえば中央区のタワーマンション相場と比較すれば分かりやすいです。中央区のタワーマンション上昇率は、7位のタワーマンション単価が上昇率5%を切っており、11位以降は下落に転じています。

こちらのデータと港区のデータを比較してもらえば、港区の上昇率の方が高いことを分かると思います。その大きな理由は、以下のように港区では再開発が盛んに行われているからです。

虎ノ門ヒルズ

最も大きな再開発は虎ノ門ヒルズでしょう。2014年6月に誕生した虎ノ門ヒルズですので、虎ノ門ヒルズ建築による相場上昇は既に終わっています。しかし、虎ノ門ヒルズ建築に付随して再開発が進むことは事実です。

参考:虎ノ門ヒルズレジデンス

また、虎ノ門ヒルズ建築に伴い、通称「マッカーサー通り」も開通しました。このマッカーサー通りは都市計画決定から68年経っており、戦後来日して復興の指揮を執ったGHQのマッカーサー最高司令官が開発を命じたと言われています。

このマッカーサー通り開通によって、虎ノ門~新橋が約1.4キロで結ばれるので慢性的な渋滞が解消されました。また、オリンピック競技場がたくさんあるお台場周辺のベイエリアと都心を結ぶ役割も担っているのです。

ビルの開発も資産価値を大きく押し上げますが、このように道路などの開発は更に資産価値を押し上げます。なぜなら、道路の開発によって人の流れが大きく変わるからです。

たとえば、マッカーサー通りの開通によって新橋と虎ノ門の行き来が容易になりました。そのため、オフィス需要がさらに高まり、居住区においては「都心に行きやすい」という度合が更に増したということです。

虎ノ門周辺の3つのプロジェクト

森ビルは、虎ノ門周辺に「(仮称)虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」「(仮称)虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」「(仮称)虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」の3つのビルを建築予定です。これらのビルはそれぞれ2019年、2022年竣工予定となっています。

この3つのビルが竣工すれば、虎ノ門ヒルズは区域面積7.5ha(東京ドームが4.7ha)にものぼり、30万㎡のオフィス、約800戸のマンション、約2.6万㎡の商業施設などになります。なお、この規模は六本木ヒルズに匹敵する規模になります。

現に、上述した港区のタワーマンションランキングでも、虎ノ門周辺が1位と3位になっていることから、虎ノ門周辺の再開発が注目されていることが分かると思います。

そのほかの再開発

そのほかにも「赤坂一丁目地区第一種市街地再開発事業」は、アンリカ大使館北側に地上37階の高層オフィスビルを建築します。また、「六本木三丁目東地区第一種市街地再開発事業」では、六本木一丁目駅の西側の区域に、40階建てのビルなど大型複合開発が行われます。

上昇後の反動にも注意

ただし、港区のタワーマンション価格で注意が必要なのは、上昇後の反動によるマンション価格の下落になります。当然ながら、上昇率が高いということは、言い換えると「急激にマンション価格が上昇した」とも言えます。そのため、東京オリンピックの終了や、日本の景気後退などを考えると、マンション価格が急落してもおかしくはないということです。
さらに、現在環状2号線の開通に遅れが出る可能性があります。環状2号線とは、お台場・晴海方面と新橋をつなぐ道路であり、ここが開通することで虎ノ門~新橋~晴海方面へスムーズに行くことができます。
現在は、新橋・汐留から晴海方面へ行くときには、銀座方面を迂回し勝どき橋を渡らなくてはいけません。ただ、晴海や豊洲、お台場エリアはオフィス街でもありますし、築地市場が新豊洲に移転することで、交通量が増えると予想されています。そのため、環状2号線は利便性向上や渋滞解消に期待されていましたが、その工事が難航しているのです。一部の報道では東京オリンピック前に暫定開通をするらしいのですが、以前不透明と言えます。
再開発事業によって上がったタワーマンション価格は、再開発事業の動向にも左右されやすいです。そのため、港区のタワーマンション価格は、再開発事業の動向なども注視しておく必要があります。

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- 2018年04月27日