レインズって何?初心者にもわかりやすく解説

不動産を取引していると「レインズ」というコトバを聞くことがありませんか?
いったい、レインズってどういう意味なのでしょう。

そもそも不動産情報って、専門用語や法律用語がたくさん出てきて分かりにくいものですね。

そこで、好奇心の強い猫○○と不動産情報に強い犬○○に分かりやすく説明してもらいましょう。

目次

1.レインズとは不動産の情報ネットワークのこと

2.運営元は公的な「指定流通機構」という団体

3.レインズを利用するメリットは?
☞3-1 売買契約がスムーズになる
☞3-2 条件検索により希望物件が探しやすい
☞3-3 過去のデータから相場確認ができる
☞3-4 安心できる公的な組織である

4.レインズは誰でも利用できるの?

5.レインズ登録は仲介の種類により義務になる

6.レインズとは不動産取引を活性化するためのシステム

1.レインズとは不動産の情報ネットワークのこと

[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”neko_serious_look.jpg” name=”猫”] 昨日、お父さんが家を買い換えるから不動産業者に行くって言うから、ついて行ったの。
すると業者さんが「じゃあ、さっそくレインズを検索して価格を検討しましょう」って言っていた。
ところで、レインズって何をするところ? [/speech_bubble]

[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”inu_smile.jpg” name=”犬”]レインズとは、不動産を売りたい人と買いたい人をネットワークで結びつけるところだよ。
つまり、不動産を売りたい人が物件の情報を「登録」して、買いたい人が登録された情報を「検索」することで取引しやすくしているのさ。[/speech_bubble]

不動産取引には、売りたい人と買いたい人がいるはずです。
しかし、広告をしても適当な契約相手が見てくれるとは限りません。
そこで、もっと積極的に契約相手を探す方法があればいいと思いませんか?

レインズとは、売主と買主を不動産情報ネットワークにより結びつけるシステムなのです。

売主の仲介業者が売却を依頼された物件をレインズに「登録」します。
すると、買主の仲介業者が登録された物件を「検索」するのです。

適当な物件が見つかれば、買主の仲介業者が売主の仲介業差者に問い合わせ、現地を案内するなどして取引をスタートします。
最終的に売主と買主の両者が合意すれば売買契約を結ぶというシステムです。

レインズの仕組み

2.運営元は公的な「指定流通機構」という団体

[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”neko_serious_look.jpg” name=”猫”] でも、不動産情報を登録するといっても、不動産の情報をいろんな人が見ることができるのでしょ?
間取りや住所とかも…。
なんだか恐いな。[/speech_bubble]

[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”inu_smile.jpg” name=”犬”]大丈夫だよ。
レインズは、国土交通大臣の指定を受けた「指定流通機構」という団体が運営しているからね。
それに「氏名」は登録事項になっていない。
つまり、適正な不動産取引がスピーディーにできるように善意な公的機関が運営していると考えればいいよ。[/speech_bubble]

運営しているのはどこでしょう?
不動産情報を登録するのだから、安心できるところでないと心配ですね。
ご安心ください。

「指定流通機構」という国土交通大臣の指定を受けた団体が運営しています。
つまり、安心して登録できるということです。

指定流通機構は、全国を4つに分けて各地域の不動産業者を会員として運営しています。
レインズ(REINS)は「Real Estate Information Network System」の略です。
訳すと「不動産流通標準情報システム」になります。

不動産を流通させるための標準的な情報を提供する組織というような意味でしょう。
つまり、全国規模の不動産情報バンクですね。

登録内容は「所在・規模・形質・価額」「法令に基づく制限で主要なもの」「専属専任媒介契約の場合はその旨」などです。

登録者の「氏名」は、プライバシー保護のため登録事項にはなっていません。
また、下記の「レインズは誰でも利用できるの?」で詳しく説明しますが、実は利用できる人も限られているのです。

参考:4つの指定流通機構のサイトをご紹介します。
公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)」
公益社団法人中部圏不動産流通機構(中部レインズ)」
公益社団法人近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)」
公益社団法人西日本不動産流通機構(西日本レインズ)」

3.レインズを利用するメリットは?

[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”neko_smile.jpg” name=”猫”]安心なのか…レインズに興味が出てきたみたい。
売主と買主を結びつけるって言っていたけれど、もっと詳しく知りたいな。
レインズを利用することで、他にメリットはないの? [/speech_bubble]

[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”inu_smile.jpg” name=”犬”]興味を持つのはいいことだね。
レインズには、大きく分けて4つのメリットがあるよ。
・早く取引できる
・好みの物件を検索できる
・物件の相場がわかる
・組織がしっかりしている…ってところかな。[/speech_bubble]

レインズには、不動産取引におけるさまざまなメリットがあります。
現在では不動産取引にレインズは欠かすことのできない存在です。

3-1 売買契約がスムーズになる

不動産業者がお客さんから売却の相談を受けると、レインズを検索し、相場や取引の事例を確認します。

レインズのデータにより、売り出し価格を提示し、売主に根拠を説明します。
売主の了解を得て仲介契約を結べば、物件をレインズに登録するのです。

登録された物件情報がネットワークにより他の不動産業者に公開されるため、買主の仲介業者も買主の希望の物件を探す手間が省けます。

買主に情報提供し、了解を得れば、後は売主の仲介業者に連絡して契約に進むというスピーディーな取引が可能です。

3-2 条件検索により希望物件が探しやすい

不動産業者は会員としてレインズのオンラインで結ばれているため、多くの物件情報を得ることができます。
買主の希望に応じて検索することで、さまざまな物件を紹介することができるのです。

検索でヒットした物件を買主に提供することで、買主は提供された物件のなかから気に入った物件の紹介を受けることができます。
特に興味のある物件が見つかれば、売主の仲介業者に連絡することで取引を進めるのです。

3-3 過去のデータから相場確認ができる

レインズのデータは、長期にわたる取引事例を確認することができるため、不動産の査定や売り出し価格などの決定に役立ちます。
たとえば、物件周辺の直近の売買価格から査定額を設定したりできるのです。

法律により不動産業者が物件の価格を提示するときには、提示価格の根拠を説明しなければなりません。
周辺地域の過去の取引事例にもとづく価格なので説明がしやすいというメリットがあるのです。

3-4 安心できる公的な組織である

不動産流通機構とは、宅地建物取引業法という不動産専門の法律にもとづいて設立されているので安心です。

売主の仲介業者が物件をレインズに登録すると公的な書類として登録証明書が発行されます。
仲介業者は、発行された登録証明書を遅滞なく依頼者に交付しなければならないとされています。

依頼者は登録証明書の内容を確認することで、登録情報に誤りがあれば修正して変更証明書の交付を受けることになります。

4.レインズは誰でも利用できるの?

[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”neko_serious_look.jpg” name=”猫”]いろんなメリットがあるね。
じゃあ、みんながレインズを利用すれば、業者さんに頼まなくても不動産を売買することができるの? [/speech_bubble]

[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”inu_serious_look.jpg” name=”犬”]レインズは、誰でも利用できるわけじゃないよ。
一般の人が利用できるようにすると、登録した人のプライバシーの問題が出てくるだろう。
残念ながら、レインズの会員である不動産業者しか利用できない仕組みになっている。
不動産業者なら法的に「守秘義務」を負っているからね。[/speech_bubble]

原則として、レインズを利用できるのは、会員である不動産業者に限られます。
あくまで、不動産業界の市場を活性化する目的で設立されたからです。
不動産業者のための不動産流通システムといえるでしょう。

運営資金も会員である不動産業者から集められています。
一般の方が不動産業者に仲介を依頼せずに勝手に利用して契約するようになると不動産業界としても困りますね。
それに、誰でも利用できるとすると、プライバシーについても心配でしょう。

しかし、最近は、レインズに一般の人がアクセス可能な専用画面が設けられています。

不動産取引とは、仲介を依頼してしまえば、後は丸投げ的なところがあります。
不動産業者が仕事をしていなくても、不正をしていても分かりにくいのです。

そこで、「売却依頼主専用確認画面」を設けました。
たとえば、物件が「公開されているか」「取引の申込はないか」「紹介中止になってないか」を確認することができます。
仲介業者の仕事ぶりや不正がないかどうかを確認できるという効果が望めるのです。

参考:情報の内容については限られますが、一般の人が利用できるレインズもあります。
REINS Market Information

5.レインズ登録は仲介の種類により義務になる

[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”neko_serious_look.jpg” name=”猫”]じゃあ、業者さんが仲介するときには、必ず物件を登録しなければいけないの? [/speech_bubble]

[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”inu_serious_look.jpg” name=”犬”]仲介契約の種類によって、登録が義務付けられる場合があるよ。
「一般媒介契約」
「専任媒介契約」
「専属専任媒介契約」
この3つの契約のなかで「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」を結べば登録が義務付けられるのさ。[/speech_bubble]

不動産業者に行って、売主は買主を探してもらい、買主は売主を探してもらいますね。
このように不動産業者に契約の取引相手を探してもらう契約のことを「仲介契約」といい、法律用語では「媒介契約」というのです。

不動産業者は仲介により、不動産の売買契約が成立すると、依頼した売主や買主から手数料を受取るのです。

仲介には3つの種類があります。
「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」です。

「一般媒介契約」の場合、複数の不動産業者に依頼することができるので、契約相手を探しやすいです。
業者Aがダメなら業者Bに依頼できます。

しかし、「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」の場合、複数の不動産業者に依頼することができないのです。
ひとつの不動産業者だけしか頼れません。
しかし、依頼した不動産業者が頼りないと困りますね。

そこで、「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の場合は、レインズへの登録を法律で義務付けているのです。

[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”neko_smile.jpg” name=”猫”]つまり、「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」は、ひとつの業者さんで契約の相手方を探さなければならないから、レインズで探しやすくしているということだね。
ところで、一般媒介契約の場合はレインズに登録することはできないの?[/speech_bubble]

[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”inu_smile.jpg” name=”犬”]一般媒介契約の場合は、依頼者の同意を得てからレインズに登録することになっているね。
なかには不動産の情報を公にしたくない依頼者もいるかもしれないだろう。
じゃあ、仲介契約の種類ごとの特徴を表にまとめたから参考にするといいよ。[/speech_bubble]

仲介の種類特徴
一般媒介契約依頼者が他の不動産業者に重ねて仲介を依頼することができる

依頼者が自ら探した相手と売買契約することができる

レインズに登録するかどうかは自由

専任媒介契約依頼者が他の不動産業者に重ねて仲介を依頼することができない

依頼者が自ら探した相手と売買契約することができる

媒介契約締結後、7日以内にレインズに登録しなければならない

専属専任媒介契約依頼者が他の不動産業者に重ねて仲介を依頼することができない

依頼者が自ら探した相手と売買契約することができない

媒介契約締結後、5日以内にレインズに登録しなければならない

6.レインズとは不動産取引を活性化するためのシステム

レインズとは、不動産取引を活性化させるために不動産業者が利用することのできる不動産流通システムです。

一般的に不動産業者は専任契約や専属専任契約を結びたがります。
なぜなら、依頼者を独占できるからです。

独占すれば、当然仲介業者の責任は重くなります。
一般媒介契約よりも専任契約や専属専任契約の仲介に力を入れるのが一般的です。
しかし、なかには独占したものの余り働かない仲介産業者もいるかもしれません。

そこで、レインズに登録を義務付けることで、売主の仲介業者が仕事をしなくても、買主の仲介業者が検索により気に入った物件があれば問い合わせてきます。
つまり、レインズは取引を誘導し活性化させるシステムといえるのです。

- 2018年01月31日