人生の中で最も大きな買物とも言えるマンション購入。
多大な金額を要するため、絶対に失敗したくないものです。しかし実際に購入するとなると、物件を選ぶポイントや注意点など数多くの疑問点が浮かんでくることでしょう。
そこで今回は、素人でもこれさえ抑えれば大丈夫! マンション購入の際のチェックポイントを、”日本一マンション・チラシを読んでいる男”として、10年間で4,500枚以上のマンション・チラシを”読破”している、 長寿ブログ「マンション・チラシの定点観測」の管理人にして 一級建築士の武内修二氏にインタビューをしました。
「マンション選びは立地が大切」と話すマンションアナリスト、武内氏の住まいはどのようにして選んだのか気になるところ。
— これまでたくさんのマンションを見てきたと思いますが、武内氏が実際に家を決める際にこだわったことはありますか?
— では、花粉症を軽減するため、どのように地域を探したのでしょうか?
— なるほど。住む地域から工夫することは大切なポイントですね。では、次のこだわりは何でしょうか。
— 購入後は長く住むことになる場所ですから、そういった環境も大切ですね。
— 東京だと、電車通勤をする人が多いので、そういった移動の快適さも日常の生活に大きく影響しますよね。
では、最後に4つ目のこだわりとはなんでしょうか。
以上4つが、武内氏が実践したマンション選びへのこだわりです。その中で最もこだわったのが花粉症に優しい場所とは、驚きです。 言い換えれば、マンション選びのこだわりは、十人十色なのかもしれないということです。
とはいっても、購入までの流れや物件の注意すべきポイントなど、基本となるポイントはあります。
そこで、武内氏が考えるマンション選びの5ステップを教えていただきました。
初めてのマンション購入の際、どんなことを考慮してマンション選びをしていいのか分からない場合が多いでしょう。 そんなときに役立つマンション選びの5ステップがこちら。
まずは、通勤・通学の場所や、周辺環境を考慮してマンションを購入したいエリアを決めます。
その際にランキングサイトを活用すると、様々な情報を得ることができます。
なかでも武内氏の一押しは、「goo住宅・不動産」
やSUUMOの「行政区別子育てサポート&教育環境徹底リサーチ」というサイトなのだそうです。
goo住宅・不動産は、全国の駅や沿線、エリア別に、新築・中古マンションなどのランキングを調べることができます。
お子さんがいる場合は、SUUMOのサイトを活用し、保育料の確認や図書館の場所などを検索できるため、子どもに良い環境を選ぶのに役立ちます。
住む場所にこだわりが少ない人は、「生活ガイド.com」 を使って、全国の自治体の公共料金や助成金、その他の行政的なサービスを調べて、経済的なエリアを選ぶのもオススメです。
住みたいエリアを決めたら、「SUUMO」や 「Yahoo!不動産」、 「HOME’S」などの物件情報サイトを利用して、 エリア内で気になる物件をまずは10件ほどピックアップしていきましょう。
初めてマンション購入をする方やマンションをじっくり選ぶ時間のない方は、大手不動産から探し始めるのが良いとのこと。
「大手不動産は高いから避けたい」「時間がかかってもいいから、中小の不動産会社の物件」という人もいますが、 素人が中小の不動産で掘り出し物を見つけ出すのは至難の技。 しかも、大手だと何か建物に不具合が生じた際、会社のブランド力を守るためにしっかりとしたサポートをしてくれる可能性が高い。 価格の高さはそういった問題が起きたときへの保険として割り切ることも必要なのだそうです。
マンション購入は高額なお金が動くため、少しでも安く抑えられたら嬉しいですが、大きな買い物だからこそ、信頼をお金で買うことも必要だということです。
STEP3では、ネットの口コミ情報を使って、気になる物件を10件から5件まで絞り込みます。
武内氏が紹介するオススメの口コミ情報サイトは、不動産の2ちゃんねる版とも呼べるほどの情報がある、
「マンションコミュニティ」です。
マンション周辺の環境を把握できるはもちろんのこと、新築マンションの契約者が集まったスレ(掲示板)もあるため、
入居予定者がなぜこの物件を選んだのかといった情報を得ることができます。
匿名投稿方式なので、本音情報を得られやすいのですが、販売サイドの“工作員”の投稿も多いので注意が必要だそうです。
STEP3で5件に絞り込んだら、いよいよ資料請求です。 資料請求する場合は、SUUMOがオススメだそうです。
では、5つの物件からどのような視点で候補を3件に絞り込むのでしょうか。それには、以下の6つの視点が大切とのこと。
当たり前なことかもしれませんが、快適な生活環境を得るためにこれら6つのポイントは外せません。
これまでのステップで厳選した3つの物件を見に行きます。しかし、実際に不動産会社に見学を申し込むのはまだです。 まずは自分の目で現地周辺の状況を確認しましょう。
「3件まで絞ったのだから全部見学に行き、営業マンから直接話を聞いた方がいい」と考えるのは、まだ早いのだとか。 その理由は、営業トークに飲み込まれてしまうからだそうです。 さらに、その営業マンから繰り広げられる話には、マンションの良い点ばかりが挙げられ、本当に知りたい情報は埋もれてしまうのだとか。
そうならないためにも、まずは自分の目と耳で現地を確かめることや、実際の通勤時間帯にマンションから会社までの電車の混み具合などをチェックすることなどが重要です。
そうしてマンションを1つに絞った時点で、初めて不動産会社に連絡します。
このように1から5までのステップを踏めば、それぞれの段階で自然と自分の求めている物件が分かるので、候補を一つに絞ることができるでしょう。
さて、新築マンションの購入のポイントは上記の通りですが、中古マンションの購入は異なるポイントがあります。
武内氏曰く、「実際に物件を見学できる」、「住んでいる人を知ることができる」、「価格が割安」などの違いが挙げられるとのこと。
新築マンションの場合は建物内を知る情報は、モデルルームか間取り図しかありません。 一方、中古マンションの場合、実際に物件を内覧できるのは大きなメリットで、天井の高さや空間の広がりを感じられ、劣化状況、騒音状況など物理的なものをチェックできるそうです。
そのほかにも、すでにマンションが建っているためにできる購入に関する注意点を教えていただいたので紹介します。
マンションを購入すると、購入者はその物件の所有スペースと廊下やエレベーターなどの共有スペースの維持管理の義務が生まれます。 それを管理しているのが、マンション管理組合です。
中古マンションを購入する際、不動産会社を通じてこのマンション管理組合からそれまでの「管理規約」「長期修繕計画」「修繕の実績」などの情報を得るようにしましょう。
そうすることで、問題があるマンションかどうか判断することができるそうです。
中古マンションを買うなら、どの時期に作られた物件がいいのかは気になるところ。
武内氏によると、マンションが安くて専有面積が広かったのは2002年前後に建てられた物件だと言います。
この時期は首都圏の企業が遊休地を大量に放出していった時期で、安い土地にマンションがたくさん建設されたのだそうです。
このころの物件は、建設工事にかかわる人件費や物件費が現在のように高騰していなかったこともあり、無理なコスト削減が行われておらず、品質的にも優れているのだと言います。
このような有力な情報を持っているのも、4.500枚以上のチラシを見てきた武内氏ならではの視点でしょう。
では、中古マンションを買う場合、その相場はどのようにして知るのでしょうか。 一つの目安として、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している「不動産取引情報提供サイト」があります。 これは、自分が気になっているエリア、間取り、築年数などを指定すると、類似物件の相場を把握することができるため、武内氏がオススメするサイトです。
そのほかにも、「住まいサ〜フィン」や 「マンションマーケット」などのサイトもあるため、チェックしてみるのもよいでしょう。
中古マンションの相場がわかったら、物件候補を挙げていくと思います。 その際に、中古マンションがゆえに注意すべき落とし穴があると武内氏は述べています。それが以下の5つです。
時代の変化とともに、注意点も多様化していることが分かります。 とはいえ、中古マンションの場合は、実際に現物を見たり住民の様子を知ったりすることで、購入前のイメージと購入後の住み心地のギャップを小さくすることができるのは、大きな魅力でしょう。
今回、紹介したのがマンションアナリスト、武内氏が指南するマンション購入についてのコツです。
目的に合わせて様々なウェブサイトを活用しているのが印象的でした。今は、ネット上で何でも検索できる時代です。
マンション購入についての知識がないという人でも、今回教わった「マンション選びの5ステップ」と
「中古マンションの落とし穴」とネットサービスを上手に組み合わせて、自分にあったマンション選びを実践してみてください。
※ 本記事は2016年02月時点の内容になります。
マンションの売却価格をより詳しく知りたい方、具体的に売却を検討されている方は、お気軽にご相談ください。
カジュアルに査定額を知りたい方へ