2017年の新築マンション価格は、過去25年間の中でも最も高い水準でした。しかし、もちろん全てのエリアでマンション価格が上昇しているわけではなく、エリアごとに人気の差があります。特に、将来的に期待できるエリアや、開発が進むエリアはマンション相場が上昇しやすいです。
今回マンションサプリでは、品川区内のタワーマンション価格(平均㎡単価)が、2017年1月と2018年1月を比較して、どのくらい変動したかを調べました。
調査概要
・対象マンションが「マンションマーケット」に掲載されている分譲マンション、且つ階数20階以上のマンション
・地上20階以上のマンションをタワーマンションとする
・2017年1月と2018年1月の月間の平均平米単価を比較して上昇率を算出
・データは2018年2月14日時点
調査結果
品川区とはどのようなエリア?
まず、相場価格の話をする前に、品川区とはどのようなエリアであるかを見ていきましょう。品川区を知るには、以下のように品川区にある駅を知ると分かりやすいです。
・品川駅(南エリア)
・目黒駅(主に東口)
・五反田駅
・大崎駅
・不動前駅
・武蔵小山駅
少々分かりにくいのですが、品川駅自体は港区にありますが、品川駅のすぐ南側は品川区にあります。品川駅は新幹線も停まる駅ということで、交通の便が良いです。主な居住区は品川駅の西側、南側にあるので、駅は港区ですが品川区内にも品川駅最寄りの物件が多数あります。
また、こちらも少々分かりにくいのですが、目黒駅も品川区にあります。目黒駅の西口は目黒区ですが、目黒駅自体と東口は品川区にあり、山の点線の内側なので人気のあるエリアです。目黒駅はターミナル駅でもあり、少し歩けば住宅街も広がるエリアなので、マンション需要も高いエリアになります。
また、五反田は歓楽街として有名で、大崎駅も開発が進みマンションが多く建築されています。そして、不動産前・武蔵小山は住宅街として人気のあるエリアです。
このように、品川区は、まず品川駅の南側と目黒区の東口という、人気スポットがあります。その上で、歓楽街などもありつつ、住宅街も兼ね備えているエリアになるのです。ランキングを見ても、目黒・品川・大崎あたりがラインナップされていることが分かると思います。
中央区との比較
ここで品川区と中央区のタワーマンション相場を比較してみましょう。
以下が、上述した品川区と同じ条件で抽出した、中央区のタワーマンションのランキングになります。
このように、中央区のタワーマンションの平均価格を見ると、品川区のタワーマンション価格よりも下落している物件が多いことが分かります。具体的には、中央区のタワーマンション単価は以下のように推移しています。
・2017年1月:865,749円
・2018年1月:859,677円(約-0.7%)
一方、品川区のタワーマンション単価は以下の通りです。
・2017年1月:928,039円
・2018年1月:956,412円(約+3%)
上記のように、中央は単価が下がっていますが、品川区は単価が上がっているのです。注目して欲しい点は、2017年も2018年も同じ物件の単価をピックアップしているという点です。つまり、「築年数が1年経過しているのに単価が上がっている」ということになります。
いくらマンション価格が高水準で推移している現在とはいえ、この点は品川区のタワーマンション価格の価値が高いことを示しています。タワーマンションの需要が多い中央区と比較すると、その差はさらに分かりやすいです。
品川区は新駅誕生が大きい
さて、冒頭にも言いましたが、品川区のタワーマンション価格が上昇しているのは品川区の新駅誕生が大きいでしょう。品川新駅(仮称)は品川駅と田町駅の間に誕生する予定なので、正確には港区になります。
しかし、新駅が誕生するとなると単純に周辺エリアの資産価値が上がるだけでなく、隣接しているエリアの利便性なども向上するため価値が上がります。当然、品川新駅に近い品川区も注目されているというわけです。
事実、住友不動産などでは、品川新駅周辺で大型再開発に乗り出し※ます。高さ約170メートルの超高層ビル3棟の建設を予定しており、2024年に竣工する予定になっています。この再開発に伴い、品川新駅付近の整備や開発が進み、それが近隣の品川区にも波及すると考えられます。
また、プラスアルファの理由としては、民泊需要も大きいでしょう。民泊新法が2018年から施行されるので、外国人観光客などを中心に民泊は増えてくると思われます。そのとき、ターミナル駅であり、何よりも「新幹線停車駅」という点は大きな強みとなるのです。
※日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26484390S8A200C1L83000/
品川区のタワーマンションは下落しない?
さて、ここまでで、品川区のエリア的な特徴、中央区のタワーマンションとの比較、品川新駅について解説してきました。確かに、新駅誕生もあり品川駅のタワーマンションは将来性があるので、上昇するかもしれません。
しかし、目黒駅東口など、元々価格が高かったエリアは頭打ちの可能性があります。なぜなら、マンション価格はここ25年で最も高い水準でありながら、契約率は好不調の境目である70%を切っている※からです。
これは、「マンション価格は上がっているけれども、消費者の購買意欲が少し下がりつつある」ということです。特に、元々価格が高かったエリアがさらに上がってしまうと、「ローンが通らない」「現金が用意できない」という、物理的に購入できない事情も増えてくると思います。特に、タワーマンションは価格が高くなりがちなので尚更です。
確かに、新駅誕生で品川区のタワーマンションの価値は高くなるでしょう。しかし、元々高いエリアのタワーマンションは価格の頭打ちが近い可能性があるという点は認識しておきましょう。
※不動産経済研究所
https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/317/z2017.pdf
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マンションサプリ 編集部 - 2018年05月01日