東京23区の駅、2017年価格上昇率ランキングトップ100

2017年のマンション価格は、東京のどの駅が一番変動したのでしょうか?
マンション購入時は「エリア」を絞って探す方がほとんどです。ある程度広いエリアで探している人でも、沿線や駅をいくつか絞って探しています。

そこで、今回マンションサプリでは、東京都内のマンション価格(㎡単価)が、2017年に駅別でどのくらい変動したかを調べました。

調査概要
・対象の駅は東京23区内を存在とする全駅
・対象のマンションは相場情報サイト「マンションマーケット」に掲載されている分譲マンション
・駅徒歩15分圏内(1200m)に存在するマンションの平均平米単価を使用
・徒歩1分=80m
・ランキングに用いた上昇率は、1月時点と12月時点の平均平米単価を比較して算出
・データは2018年1月30日時点

調査結果(1位〜50位)

今回の調査結果では、東京にある都営大江戸線「新宿西口駅」のマンションでした。このデータを見ると、2017年1月と2017年12月のマンション価格を比べると約10.42%上昇しています。平米単価でみると、2017年1月は739,012円だったのに対して、12月は815,999円まで上がっています。たとえば、50平米のマンションであれば、約3,695万円が4,079万円まで上がったということです。

また、2位の上石神井は練馬区の西武新宿線、3位の整備場は大田区のモノレールの駅になっています。そのあとの4位以降を見ると、台東区の上野や足立区の西新井など、エリアとしてはバラバラであったことが分かります。ただ、1つ言えるのは、全体的に東東京エリアが多いということです。30位までのランキングを見ても、いわゆる「西東京エリア」と言える駅は26位の千駄ヶ谷くらいで、後は概ね東東京エリアが占めています。

新宿西口エリアの上昇理由

そもそも都営大江戸線の新宿西口駅とは、立地的にはJR新宿駅のすぐ北に位置しています。大きく分けると、JR新宿駅の線路を起点とした西・東で分けた西口方面のため、新宿西口という名称になっているのです。そのため、ほぼ新宿駅が最寄り駅といっても良いでしょう。そんな新宿西口エリアが上昇した理由は、「ザ・パークハウス西新宿タワー」の存在が大きいでしょう。このマンションは新宿西口駅からも徒歩圏内のマンションであり、いわゆる億ションと呼ばれる高級マンションです。

そもそも、新宿はビジネス街でありながらも日本を代表する歓楽街でもあるので、マンションが建築できるような土地はそう多くありません。そのため、1つの高級マンションが建築されると単価が一気に上がるという傾向があります。そして、今は日本全体でマンション価格が上がっているので、新宿という超一等地のエリアでは上昇率が最も大きくなっているのです。これは、新宿に住みたい人は、ほかのエリアと競合することが少ないという点を意味しています。新宿ほど交通の便が良く、投資的な意味でも資産価値のあるマンションは、日本を見回してみてもそう多くないからです。

東東京エリアの上昇理由

先ほど申し上げたように、日本全体でマンション価格は上がっていますが、その中でも東東京エリアが上昇傾向にあります。さらにその中で、以下のようなエリアにはある共通点があるのです。

・3位:整備場(大田区)
・4位:京成上野(台東区)
・6位:昭和島(大田区)
・9位:御徒町(台東区)

上記に共通しているのは、インバウンド需要を狙えるということです。インバウンド需要とは、主にアジアなどの外国人観光客が集まり、現地で消費することにより需要が高まるという現象です。
インバウンド需要が高まるとその土地の消費が上がるので、物価が上がりマンション価格も上がるというわけです。特に、2018年から民泊の新しい法律ができ、民泊が合法化される点は大きいです。
大田区は羽田空港の利用のしやすさからニーズが高まると考えられますし、上野は観光地として盛り上がると考えられます。そのため、上記のようにインバウンド需要が見込める駅周辺のマンション価格が特に上がったと考えられます。

そのほかのエリアの上昇理由

そのほかのエリアでの上昇理由はまちまちでしょう。まず、新宿西口と共通しているのは、以下のような駅です。

・10位:国会議事堂前(千代田区)
・14位:内幸町(千代田区)
・20位:六本木(港区)

このような駅も新宿と同じ、日本を代表する街です。ビジネス街に近く、歓楽街にも近いという唯一無二の立地なので、競合する物件が少ないです。また、供給される物件自体多くないため、分譲するときには強気の値付けでも売ることができます。そのため、東京都内の中でも高い上昇率になっているというわけです。

また、5位の西新井、梅島は足立区、町屋二丁目は荒川区です。足立区・荒川区は、東京都内の中でもマンション価格が低く、その分伸びしろが多かったと思われます。つまり、マンション価格が高い目黒区で100万円上がることと、マンション価格が低い足立区や荒川区などで100万円上がることは、上昇率で考えると圧倒的に足立区と荒川区が高くなるということです。その点が上昇率に起因していると考えられます。また、これは冒頭でいった「東東京エリアの方が上昇率は高い」ということにもつながります。というのも、一般的に西東京エリアよりも東東京エリアの方が価格は低いからです。

このように東京都内の駅別価格上昇率は、1.駅として唯一無二のエリア2.インバウンド需要が期待できるエリア3.元々価格帯が低かったエリアの3つに大別することができます。

調査結果(51位〜100位)

- 2018年04月20日