築地市場移転で揺れる「築地」と「豊洲」。気になるマンション相場を調査!

築地市場
築地市場の移転が目前に迫った今年8月、移転の延期が正式に決まり大きな話題となりました。豊洲の土壌汚染問題や、豊洲新市場の設計の不備など解決すべき問題は少なくないようです。

そこで今回、いま最も注目を集める「豊洲」と「築地」に存在するマンションの相場を調査。2015年の12月から現在まで、各年ごとのマンションの平均平米単価を、マンションマーケット(※1)のデータを用いて調べました。(データは2016年10月6日時点のもの)
この2つのエリアはこれまでどのような価格変動があったのか、過去に遡って見てみましょう。

※1マンション相場情報サイト「マンションマーケット」:https://mansion-market.com/
全国約10万棟のマンションの相場価格(資産価値)や、過去の価格推移、賃料相場等を公開しています。

築地・豊洲の平均平米単価の推移

%e8%b1%8a%e6%b4%b2%e3%81%a8%e7%af%89%e5%9c%b0▼年別・平均平米単価(築地/豊洲)
・2005年12月:¥650,509/¥495,231
・2006年  :¥601,245/¥488,023
・2007年  :¥624,299/¥578,186
・2008年  :¥687,651/¥597,734
・2009年  :¥722,581/¥628,190
・2010年  :¥684,077/¥615,878
・2011年  :¥633,885/¥569,351
・2012年  :¥628,350/¥544,994
・2013年  :¥625,420/¥539,720
・2014年  :¥672,604/¥582,881
・2015年  :¥746,838/¥632,526
・2016年9月 :¥794,484/¥660,137

再開発後の豊洲は相場が上昇、築地の平米単価との差を約10万円縮める

グラフをみると、一見築地と豊洲が同じような価格の動きをしているように見えます。
しかし、2015年12月の時点で豊洲の平均平米単価は49万5,231万円。一方の築地の平均平米単価は65万509円と、約15万円もの差があります。

もともと人気のエリアの築地に比べ、豊洲は造船所の跡地が多くを占めていました。しかし、
2001年に築地移転が決定したのと同時期に策定された、「豊洲1~3丁目地区まちづくり方針」を皮切りに、再開発が進んでいます。

再開発に伴い、2004年頃から高層マンションの建設が進みます。その影響で2006年から2007年にかけ豊洲の相場が上昇し、築地の相場価格に大きく近づいていることがグラフからも読み取れます。2007年の時点で、築地の平均平米単価は62万4,299円に対し、豊洲は57万8,186円と約5万円の差にまで、価格を押し上げています。2007~2008年頃、マンションの価格が高騰したタイミングも重なり、しばらく価格の上昇が続きます。

リーマンショックで相場が低迷するも、2013年からは上昇を続ける

しかし2008年に起きたリーマンショックの影響により、2010年を境に価格が下落しています。2010年~2012年頃はリーマンショック後の不況により、市場全体で価格が下降した時期にあたり、2013年の平均平米単価は築地が62万5,420円、豊洲が53万9,720円と価格は大きく下がっています。

しかし、2010年~2013年の価格の低迷期を超えてからは、築地と豊洲はどちらも上昇傾向にあります。記憶に新しい、2015年秋頃から顕著になった、マンションの価格高騰の波により、今年に入ってからも上昇傾向は続いています。

まとめ

現在、マンションの価格高騰の波は以前ほどの威力はありません。しかし、今後の豊洲と築地の相場価格を左右する可能性がある“親築地市場移転問題”。豊洲新市場だけでなく、東京ドーム五個分ともいわれる広大な敷地の築地市場跡地についても、高層マンションの建設やスタジアムの建設、カジノ用地まで、様々な再開発案が飛び交っています。

また再開発という前向きな側面の一方で、今メディアで大きく取り上げられているのは豊洲の土壌汚染問題。風評被害で相場が下がるのでは?と一部では話題になっていますが、住まいに大きく関わることだけに、影響をうける可能性は決してゼロではありません。

築地移転については現在、不明確な部分も多いですが、移転が実現すれば、築地も豊洲も大きく形相を変えることになるでしょう。築地と豊洲は、引き続き注目のエリアとなりそうです。

【参考】
築地のマンション一覧
豊洲のマンション一覧

- 2016年10月06日