ヴィンテージマンションとは何か?その条件と実例も併せて紹介

ヴィンテージマンションという言葉を聞いた事はありますか?「ヴィンテージマンションとは築年数が経つにつれて価値が上がるマンション」の事を指します。

ワインや家具などで「ヴィンテージ」という言葉を使いますが、意味合いは同じで、それをマンションに置き換えたものです。ワインであったら「味が熟成されてくる」、家具であったら「昔のデザインが今見ると奇抜」など、時が経つにつれて価値が上がっていく理由はあります。しかしマンションはどうでしょうか?

マンションに限らず「住宅」というものは、「経年劣化」という言葉があるほど、築年数が経つほど価値が低くなります。住宅は、他の商品とは比べ物にならないほど経年によって価値が下がる代表例とも言えそうです。従って、「ヴィンテージマンション」と言われるマンションの数は多くはなく、更にヴィンテージマンションと呼ばれるためには、いくつかの条件があります。

そんなヴィンテージマンションを、代表例を交えながらご紹介していきます。

ヴィンテージマンションの条件

ヴィンテージマンションの条件は大きく分けて四点あります。

銀座まず一点目は「立地が良い事」です。マンションの一番の価値である「立地」。このポイントはヴィンテージマンションで絶対に譲れません。人気の駅が最寄りである事がまず第一の条件です。

秀和六本木レジデンス二点目は「デザイン性」です。デザイナーズマンションのようなタイプもあれば、「シンプルで飽きの来ないデザイン」もあります。共通しているのはいつの時代に見ても「古い」と思われないデザインであることです。

三点目は「管理」です。いくら立地が良くてデザイン性に優れていても管理がずさんであるマンションはヴィンテージマンションとは言えません。メンテナンスがしっかりされているマンションであることが大事です。
価格最後に「価格」です。当然価値を評価している人がいなければいけないので、これまでの三点に該当しても安価であれば「評価されていない」と言う事で、ヴィンテージマンションとは言えません。時代にもよりますが、価格の基準は、概ね首都圏で坪単価300万円以上、近畿圏では坪単価150万円以上が目安となります。

ヴィンテージマンションの紹介

広尾ガーデンヒルズ

広尾ガーデンヒルズ
代表的なヴィンテージマンションです。築30年以上(1983年築)経ちますが、2016年2月時点の中古のお部屋で110㎡2億5千万円での売り出しです。坪単価はなんと750万超という価格になっています。広尾駅5分という立地も勿論ですが、66,000㎡の広大敷地に15棟が建っている、いまの時代では中々ない超大規模物件です。

それぞれの棟ごとに外観や住戸プラン、植栽の外交デザインに趣向を凝らしています。その広大な敷地内にはスーパーや銀行、郵便局、レストランが揃っている上に、管理体制も24時間有人管理を導入しています。

実際に見てみると築30年を超えているとは思えない綺麗さに感動を覚えるほどです。

<参考>

広尾ガーデンヒルズイーストヒル(A〜C棟)の中古価格情報

広尾ガーデンヒルズサウスヒル(D〜F棟)の中古価格情報

広尾ガーデンヒルズセンターヒル(G・H棟)の中古価格情報

広尾ガーデンヒルズウエストヒル(I〜K棟)の中古価格情報

広尾ガーデンヒルズノースヒル(L〜O棟)の中古価格情報

ホーマットキャピタル

ホーマットキャピタル続いて白金台駅徒歩4分の「ホーマットキャピタル」です。こちらのマンションも築30年以上(1980年築)経っているにも関わらず、坪単価320万円超(154㎡1億5千万円)
のマンションです。

このマンションは何と言っても西洋と東洋が絶妙に織り交ざったデザインが人気です。ホーマットシリーズのマンションに住んでいる人は、「次もホーマットシリーズに住みたい」と言う程、好きな人はハマってしまうデザインです。エントランスまでのアプローチは日本の古き良き高級邸宅のような日本庭園をイメージしています。

細かい造りにも気を配っていて、バルコニーの中が見えにくい造りにしていたり、この時代から上がり框(かまち)と呼ばれる段差の少ない住宅を設計していました。そんな細かい心配りが30年以上経った今でも愛される理由です。

<参考>

ホーマットキャピタルの中古価格情報

秀和恵比寿レジデンス

秀和恵比寿レジデンスヴィンテージマンションでは有名な「秀和レジデンスシリーズ」です。

恵比寿駅徒歩6分、築40年超(1970年築)のマンションにも関わらず坪単価330万円超(39㎡3,980万円)の高単価を維持しています。

恵比寿駅近で、更に高台にあるという立地も人気の一つですが、秀和レジデンスがヴィンテージマンション業界で有名な理由の一つである「管理」の部分も大きいです。築40年を超えるこのマンションでも管理が行き届いており、外観も共用部分も綺麗に保たれています。

土地柄的にも住環境の意識が高い方々が住まわれているという点もありますが、当時にはしては珍しく「建物修繕計画」をしっかりと取り入れ実践していた結果です。管理というのはマンションの根幹の部分で、言わばDNAとも呼べる部分になります。つまり管理がしっかりと行き届いている秀和レジデンスの価値は、今後も保たれる可能性が高いです。その部分も人気の一つとなっています。

<参考>

秀和恵比寿レジデンスの中古価格情報

ペアシティ・ルネッサンス高輪’80

ペアシティ・ルネッサンス高輪’80もう一つ、ヴィンテージマンションの代表各に挙げるとすると「ペアシティ・ルネッサンス高輪’80」が挙げられます。築30年超ながら、坪単価は300万円超(80㎡7,500万円)の品川5分のマンションです。立地と管理を兼ね備えたヴィンテージマンションと言えるでしょう。

魅力は何と言っても閑静な屋敷町に囲まれながら利便性も兼ね備えた立地にあります。緑豊かな日本庭園を望み、目の前には三菱開東閣と呼ばれる立派なお屋敷が広がります。勿論管理も行き届いており、24時間の友人管理体制を当時から実施していました。

今でこそ「コンシェルジュ」と呼ばれる管理体制が一般的なものになっていますが、当時これに近しい「24時間管理」を導入していたという事で、どれだけマンション管理に力を入れていたかが伺い知れます。

初めて敷地内に入る方は驚くくらい、エントランスへ長い坂道が続きます。そして坂道を歩き、エントランスに入るとホテルさながらの真っ赤な絨毯が広がっています。ここまで高級感のあるマンションは今ではないでしょう。

<参考>

ペアシティルネッサンス高輪の中古価格情報

外苑ハウス

外苑ハウス最後に「外苑ハウス」のご紹介です。外苑前駅徒歩7分の好立地。築50年を超えていて(1964年築)今尚、坪単価310万円超(86㎡8,145万円)のマンションです。

マンションの敷地内には綺麗な中庭があり、春には桜が咲きます。外観も内観もシンプルでいて飽きの来ないデザインで、建築から50年経った今でもデザイン性が評価されるほどです。

中高層住宅街ですが、周辺には低い建物が多く、都心でありながら眺望も抜群です。徒歩1分には明治神宮もあり、都心ながらも緑も楽しめる立地も愛され続ける理由の一つとなっています。まさに風情を楽しめる都心のマンションと言えるでしょう。

<参考>

外苑ハウスの中古価格情報

まとめ

いかがでしたでしょうか。住宅を探す時に目にする「ヴィンテージマンション」について理解を深めて頂けたと思います。冒頭でも申し上げた通り、「時が経つほど価値が上がる」というのは「時が経つほど劣化していく」というマンションにおいては矛盾している現象です。

しかし、その矛盾を引き起こすほどの魅力がヴィンテージマンションにはあるのです。

マンションを選ぶときには、どうしても「立地」や「間取り」に目が行きがちですが、これらのヴィンテージマンションを見てお分かりの通り、「デザイン」や「管理」と言った部分にも目を向けてみてはいかがでしょうか。そこには「時が経っても愛され続ける秘密」があるはずです。

※2016年2月執筆
※記載の価格や築年数は執筆時に中古売り出し価格から抜粋したものです。

- 2016年02月05日