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RC造とSRC造の特徴と比較について

一般家屋の分野では基本的に木造が多いですが、マンションやアパートなどでは鉄筋コンクリート作りの建物が主流になります。 そう言った鉄筋コンクリート造りの建物の違いを表す言葉としてSRC造とRC造という言葉があるのです。 そこでここではRC造とSRC造の構造と二つを比べた時のメリットとデメリットについて解説したいと思います

RC造=「鉄筋コンクリート構造」

高層建築に多く使われている手法としてまず挙げられるのが鉄筋コンクリート構造を指す「RC造」です。 建築現場以外でも良く使われているので見たことある人が多いと思いますがコンクリートの中に鉄筋を入れる事で強度を保つ方法です。 鉄筋だけだとある程度の長さになると撓みなど曲がってしまい逆にコンクリートだけだと曲げに弱いという弱点があり、この弱点を補うために二つを組み合わせた工法となっています。

メリットとしては耐震性や耐久性があり、しっかりと作っていれば建物の寿命は50年近くまでもつという事が上げられます。他にもコンクリートを利用しているので防音性や耐火性が高いですし、気密性や断熱性も高いので省エネ効果も高いという事が上げられます。 また比較的設計の制限がすくなく自由な間取りを取る事も可能という利点もあります。

一方で木造建築やプレハブ建築に比べると建物自体の重量が増えてしまうので場合によっては地盤の強化などが必要ですし、気密性が高いので結露が起きやすく適切な換気システムが必要になるのでどうしても建築費用が高くなってしまうというデメリットがあります。 こういった特徴があるため、一般住宅よりもマンションなどの高層建築に使われることが多いです。

SRC造=「鉄骨鉄筋コンクリート構造」鉄筋コンクリート+鉄骨

鉄筋コンクリート構造の事をRCと略すのは英語のReinforced-Concreteの頭文字から来ています。

SRCはそこにSteelつまり鉄骨が加わったSteel Reinforced Concreteの頭文字をとった言葉で、鉄骨鉄筋コンクリート構造の事を指します。

これは鉄筋コンクリート構造と鉄骨を組み合わせた物で、あらかじめ鉄骨で骨組みを作りその周りに鉄筋を配置してコンクリ―トを打ち込んでいきます。 SRC造のメリットとしてはRC構造と比べて鉄骨を多く配置するので柱の断面を細くする事が可能な一方で二つを組み合わせる事で変形に強くなり耐震性は高くなります。 逆に鉄骨構造のみと比べると、耐火性能が上がっているというメリットの他に、コンクリートで鉄骨を囲むので錆に対する体性も高い事が上げられます。 このように鉄骨構造と鉄筋コンクリート構造のメリットを併せ持った利点があるのがSRC造です。 デメリットとしては工程が複雑化するので工事が長期化しますし、鉄筋を使うという制約上RC造に比べて設計上の制約が大きくなってしまう事が上げられます。

また工期が長くなるということで、建築コストも高くなってしまいます。 こういった点から以前は高層マンションを中心に良く使われていましたが、現在はRC造の技術が発展しており高層建築の分野でもRC造が良く使われています。

S造・PC造・W造etc

因みにこのような略語は他にもあります。

例えばマンションなど大型建築で使われる物だと鉄骨のみを使った建築物をS造と呼びます。 鉄骨は木材よりも頑丈なので柱の本数を減らす事が出来るので建物自体の重量を減らす事が可能ですし、材料が均一なので木材では難しい建築も可能で工期も短くなります。

また鉄自体が価値を持つので解体した際に多少の利益を出せるというメリットもあります。 ただ最近は大型建築では基本的に鋼材を使うのでS造という略はあまり聞かれません 他にも木材構造の事をW造、現場で作るのではなく工場で作ったコンクリートパネルを現場で組み立てるプレハブコンクリート造の事をPC造、補強コンクリートブロック造をCB造と略したりします。

RC造とSRC造の比較

このようにRC造とSRC造は共にコンクリートを使った構造の名称です。 ですから特性として耐火性能や耐震性能など性質は良く似ています。 また、基本設計や材料に問題がある建物であれば、SRCやRCでも木造建築やプレハブ建築以下の性能しかないという事もあり得ます。 ですから一つの目安や一般論になってしまいますがRCとSRCを比較してメリットやデメリットを考えたいと思います。

設計の自由度は基本的にRC造の方が高い

まず、建物の設計の自由度はRC造の方が高いです。 SRC造は鉄筋を使うのでどうしても設計の時点で制約が出てしまい、木造よりは自由が聞くとは言えRCに比べると自由度は低くなります。 一方で柱や梁を壁の中に埋め込むラーメン構造や壁と床のみで作る壁式構造など様々な工法が使えるので設計の自由度が非常に高いという利点があります。

このように基本的に設計はRC造の方が自由度が高いですが、鋼材を大量に配置するので柱や梁の太さはSRCの細く出来きます。ですから場合によってはこちらを使った方が設計の自由が大きくなる事もあります。

耐震性・耐火性はSRC造の方が高い

RC造も比較的耐震性と耐火性が高い工法なのですが、それよりもSRC造の方が耐震性能などは高いです。 S造の問題である耐火性能や錆びるという問題をコンクリートで包む事で克服し、RC造にある揺れへの弱さを鉄筋でカバーしているのでこの二つの面ではSRCはRCやS造に比べて強くなっています。

防音性・耐久性に違いはない

マンションなどの部屋を選ぶ際に気になる点として耐久性や防音性という物が上げられますが、実はこの二つは構造とはそこまで関係ありません。 よくRC造は防音性に優れているという人もいますが、重要なのは構造よりも壁に使われている板の材質や部屋の作りです。 基本的にRC造は必要最低限の柱や床などをコンクリートで作ればRCとして当てはまるのですが、かつては壁などもコンクリートで作っていました。

コンクリートは防音性が非常に高い為「RC造は防音性に優れている」という考えが生まれましたが、現在は工費などの都合から木材などを使う事が多くなっておりRC造やSRC造だからと言って防音性能が高いとは言えません。 また耐火性と違い耐久性能は使われているコンクリートの質に影響されます。

建築コストはSRC造の方が高くなる

まず建築にかかるコストの面ではSRC造の方がRC造より高くなります。 工程がRC造に比べてSRCの方が複雑になりますし工事期間などが長期化してしまいます。また建物の重量も増えるので場合によっては地盤の改良工事を行うなど手間が増えてしまいます。 こういった問題が有るため、建築にかかる費用はRCよりもSRCの方が高くなってしまうのです。

高層マンションでもRC造が増えている

こういった特徴があるため、以前はアパートやマンションなどの中階層の建物はRC造が多く、多少価格が高くても問題ない高層階タワーマンションなどはSRCがメインでしたが、現在は技術の進歩により高層マンションでもRC造を使う事が増えてきています。

まとめ

このように双方さまざまな特徴はありますが、一番大事なのはその建物自体の設計や構造などです。 耐震性や耐久性はSRCとRCの何方が優れているという訳ではなく、使われているコンクリートの質や基本的な設計などです。 これは防音性や耐火性なども同じ事で、RC造だから優れているという事はありません。 もしマンションやアパートの部屋などを選ぶ際はRC造やSRC造という事に拘らず、しっかりとした設計や内装がなされた物件を選ぶことをお勧めします。

中古マンション購入に掛かる費用や手続きの流れについて知りたい方は下記のページをご参照ください。
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