住宅ローン控除とは?条件や計算方法を確認しよう

住宅ローン控除は住宅ローンを組んで住宅を購入した場合、その年末残高の1%を10年間控除が受けられるというもので、5%から8%への消費税増税時には住宅ローン控除が拡充されるなど、増税対策としての側面もあります。 今回は、住宅ローン控除の適用要件や具体的な内容についてお伝えします。

■住宅ローン控除とは

住宅ローン控除は、正式には住宅借入金等特別控除と呼ぶもので、居住者が住宅ローン等を利用して一定の要件を満たすマイホームの新築や取得、増改築等をした場合に、その住宅ローン年末残高の1%、所得税と住民税から控除を受けられる制度です。

現在の制度では平成31年6月30日実行分までとされており、毎年の上限額は40万円(認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の場合には50万円)、合計で最大400万円(500万円)まで還付を受けることのできる非常にお得な内容となっています。

控除額 各年上限額 控除期間
一般住宅 年末残高×1% 40万円 10年間
認定住宅 年末残高×1% 50万円 10年間

■住宅ローン控除の要件

住宅ローン控除の適用を受けるためには以下の要件を満たす必要があります。

・自ら居住すること

住宅ローン控除を受けるためには、その対象物件がマイホームである必要があります。 決済と同時に住所を移すのが一般的ですが、それができない場合には住宅の引渡しから6カ月以内に住民票を移し、自ら居住する必要があります。

このため賃貸用の住宅や別荘、セカンドハウスの場合には控除が受けられず、また勤務先の都合で配偶者や子供だけ先に居住する場合でも控除を受けられないケースがあります。

・住宅ローン等の償還期間が10年以上であること

住宅ローン控除は銀行によるいわゆる住宅ローン以外にも公務員共済組合や地方公共団体からの借入で償還期間が10年以上であれば適用を受けることができます。

また、銀行の住宅ローンであっても償還期間が10年未満であれば控除を受けることができませんし、繰上返済をした結果、最初の返済月から最後の返済月までの期間が10年未満となった場合にはその時点で住宅ローン控除が終了となります。

・控除を受ける年の年収が3,000万円以下であること

住宅ローン控除の適用を受けるためには、その適用を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下である必要があります(給与所得のみの場合、収入金額3,336万円以下)。

住宅ローン控除は10年間に渡って適用を受けられますが、1年目に合計所得金額が3,000万円以上であっても2年目に3,000万円未満であれば控除を受けられますし、逆に1年目に3,000万円未満であっても2年目に3,000万円以上であれば控除を受けることはできません。

・床面積が50㎡以上であること

住宅ローンを利用して購入する物件の家屋の床面積(登記上の面積)が50㎡以上である必要があります。 店舗や事務所などの併用住宅である場合、家屋の床面積の2分の1以上が専ら自己の居住用であり、全体の床面性が50㎡以上であれば適用を受けることができます。

なお、登記上の面積は内法面積と呼ばれる壁の内側の線を結んだ部分の面積となります。 分譲マンションのパンフレット等では一般的に内法面積より広い壁芯面積(壁の芯を結んだ部分)が記載されており、壁芯面積では50㎡以上でも内法面積が50㎡以下ということもあるため注意が必要です。

・居住用財産の譲渡の特例を受けていないこと

不動産を売却(譲渡)した場合、その利益に対して譲渡所得税が課されますが、居住用財産(マイホーム)を売却した場合には3,000万円特別控除等の特例の適用を受けることができます。

これらの特例と住宅ローン控除は居住の用に供した年とその前後2年ずつの計5年間、重複して適用を受けることができません。

マイホームを売却して新しく住宅ローンを組む場合にはこれらの特例と住宅ローン控除どちらがお得となるのかよく比較する必要があります。

・中古住宅の場合耐震性能を有していること

中古戸建や中古マンションを購入した場合、上記全ての要件を満たした上で、以下の要件を満たす必要があります。

・耐火建築物は築25年以内、非耐火建築物は築20年以内であること

中古住宅の場合、耐火建築物の場合は築後25年以内、非耐火建築物の場合は築後20年以内という条件を満たす必要があります。

構造 築年数 備考
耐火建築物 25年以内 マンションなど
非耐火建築物 20年以内 木造一戸建て住宅など

・上記条件を満たさないもの

耐火建築物において築25年以上、非耐火建築物において築20年以上のものは以下の要件を満たすことで住宅ローン控除の適用を受けることができます。

  • ①平成17年4月1日以降に取得したものについては地震に対する基準に適合することが証明されていること
  • ②平成25年4月1日以降に取得したものについては既存住宅売買瑕疵保険に加入していること
  • ③平成26年4月1日以降契約したものについて、中古住宅を購入して引き渡しを受けた後に買主が自ら耐震改修工事を実施し、入所前に所定の証明を受けること

平成26年以前は、築年数の要件を満たさない場合、一定の耐震基準を満たすための要件として取得の日よりも前に耐震性が証明されていなければならず、売主の協力を得ないと住宅ローン控除を受けられませんでしたが、平成26年の改正により引き渡しを受けた後でも所定の工事と手続きを行えば住宅ローン控除の適用を受けられることとなりました。

●増改築等の場合工事費が100万円以上であること

住宅ローン控除は居住者が増改築をした場合にも適用を受けることができますが、その適用要件は以下の通りです。


・自己が所有し、自己の居住の用に供する家屋について行う増改築であること

・増改築後の家屋の床面積が50㎡以上であること

・増改築等の工事費用が100万円を超え、その2分の1以上が居住用部分に充てられること

・次のいずれかの工事に該当する増改築等であること

  • ①増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕又は大規模の模様替え工事
  • ②マンションなどの区分所有建物の内、その区分所有する部分の床や階段、壁の過半について行う修繕や模様替え工事
  • ③家屋のうち居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関又は廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕や模様替え工事
  • ④建築基準法施行令の構造強度等に関する規定又は地震に対する安全性に係る基準に適合させるための一定の修繕や模様替え工事
  • ⑤一定のバリアフリー改修工事や省エネ改修工事

■所得税と住民税について

住宅ローン控除は、所得税における税額控除の制度で、例え4,000万円の住宅ローンを組んだとしても所得税と住民税合わせて40万円以上の税金を納めていなければその1%である40万円の還付を受けることはできません。

自分が毎年どれくらいの所得税を納めているかは、給与所得者であれば勤め先の企業より年末に発行される源泉徴収票でその額を確認することができます。

所得税は配偶者控除や扶養控除、生命保険料控除、医療費控除など各自異なりますが、年収800万円程度で源泉徴収額が40万円といったところです。

年収 所得税額
500万円 10万円
600万円 17万円
700万円 26万円
800万円 41万円

(配偶者控除有/サラリーマンの所得税支払額目安表)

●配偶者控除と住宅ローン控除

夫婦共働きのご家庭の中には、ご主人が配偶者控除を受けるために奥様の年収を103万円以下に抑えているという方もいらっしゃるでしょう。

しかし、配偶者控除と住宅ローン控除は同じ所得税からの控除のため、住宅ローン控除の適用を受けて全額還付を受ける場合配偶者控除を受ける必要がないケースも出てきます。

もちろん、年収を103万円以下に抑えることで奥様自身の税金が発生しなかったり、社会保険料の支出がなかったりと配偶者控除以外のメリットも有りますが、ご主人が住宅ローン控除を受けている期間だけ奥様の仕事の量を増やして収入を増やすという選択を検討してみるのも良いでしょう。

●住宅ローン控除は住民税から控除を受けることもできる

仮に、住宅ローンの年末残高が3,000万円の方の所得税支払額が20万円だった場合、所得税から還付を受けられるのは所得税支払額である20万円までとなります。 しかし、住宅ローン控除は最大40万円まで、住宅ローン年末残高の1%分受けられるため、10万円損となってしまいます。

ところが、住宅ローン控除では上記のように所得税額から控除しきれない分がある場合には控除しきれなかった分だけ住民税から控除できることとなっています。

ただし、住民税で控除できる金は所得税額の7%、最大で136,500円までと上限が設けられています。また、所得税と住民税の合計額が控除額の限度となります。

・住民税の控除は翌年から

住宅ローン控除は、住宅ローンを実行した翌年の確定申告で所得税の還付を受けることになりますが、住民税は前年の所得税を基に算出されるため、住民税の還付は所得税の還付を受けたさらに翌年となります。

そのため、所得税は住宅ローンの実行をした翌年から10年間、住民税は住宅ローンの実行をした2年後から10年間控除を受けられることとなります。

・住民税の控除手続きは所得税の確定申告をするだけでOK

住宅ローン控除において所得税の還付を受けるためには確定申告(2年目以降は年末調整)をする必要がありますが、住民税の住宅ローン控除は所得税を基に手続きが進められるため納税者側は得に手続きをする必要はありません。

■住宅ローン控除の権利を2人で分けることもできる

住宅ローンを配偶者との連帯債務で組むような場合、その住宅ローン控除の権利を2人で分けることができます。

この割合は、例えば3,000万円の借入をするのであれば夫が2,000万円、妻が1,000万円と住宅ローンの債務を分ければ、住宅ローン控除の権利も夫が10年間で200万円まで、妻が10年間で100万円までとすることができます。

ただし、この割合は概ね連帯債務者の年収の比率に近くする必要があります。(上記例であれば夫が年収600万円、妻が年収300万円など)

●出産や育児の時期には控除を受けられない

住宅ローン控除で受けられる還付金は支払った税金の還付であるため、10年間の住宅ローン控除期間に出産や育児などで一時的に収入がなくなる場合にはその期間控除を受けられなくなるため注意が必要です。

特に奥様に住宅ローン控除の権利を持たせる場合には、出産や育児で職場を離れる可能性や、仕事をパートに変えるなど今後どうするのかによってその割合を考えると良いでしょう。

■必要な書類について

住宅ローン控除は、住宅ローンを実行した翌年2月15日~3月15日の間に確定申告手続きをする必要があります。

サラリーマン等の給与所得者の場合、以下の書類を揃えて確定申告会場に向かいましょう。

  • 源泉徴収票
  • 売買契約書/建築請負契約書
  • 金融機関からの借入金残高証明書
  • 確定申告用紙は事前に税務署で取得することもできますが確定申告会場でスタッフに確認しながら作成することもできます。

    【関連】

    住宅ローン控除に必要な書類とその入手方法

    ■住宅ローンを借り換えた場合

    住宅ローンを組んで一度住宅ローン控除の適用を受けていた場合でも、住宅ローンの借り換えをすると原則として引き続き住宅ローン控除の適用を受けることは出来ません。

    しかし、以下の条件を満たすことができれば引き続き住宅ローン控除の適用を受けることができます。

    • ①借り換えした住宅ローンが当初の住宅ローンの返済のためのものであること
    • ②借り換えした住宅ローンが住宅ローン控除の条件に当てはまること

    特に②の要件を満たすためには、借換えした後の返済期間が10年以上要する点に注意が必要です。

    【関連】

    住宅ローンを借り換えた場合に住宅ローン控除はどうなるのか?

    ■まとめ

    住宅ローン控除は10年間合計で最大400万円もの控除を受けられる可能性があるもので、住宅購入を考える人にとっては最大限活用したい制度です。

    中古住宅購入の場合や増改築の場合の適用要件や、夫婦で住宅ローンを組む場合など内容を良く理解しておきましょう。

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