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即日完売?予定価格?新築マンション販売のウソ・ホント

華やかなモデルルーム、スケール感あふれるジオラマや大規模模型、さらにはシアター映像やキッズルームまで、 新築のモデルルームには購買意欲を掻き立て、また長時間の商談にも飽きさせない工夫が数多くなされています。 エアコンも効いているし、お茶やジュースも飲めて、子供もベビーシッターにお任せOK。 そのうえ、「来場すれば○○プレゼント!」なんてキャンペーンもよく目にしますよね。

今回は、そんなモデルルーム訪問の際に良く見聞きする営業トークや、販売手法の「ウソ・ホント」ををご紹介します。

マンション販売の「ウソ・ホント」

嘘・本当

即日完売とは?

チラシやモデルルームでよく目にする「即日完売」という表示。 一般の方からすると、もう完売してしまったのかな?と思う方もいらっしゃるかもしれません。

この即日完売という言葉の定義ですが、「一定の申込受付期間中に、その時期に売り出した住戸にすべて申込が入った」ことを指します。 (不動産広告には法律で細かく定義がありますので、殆どの事業主で定義は同じとなります)

例えば、総戸数100戸の物件のうち、第1期で30戸を7月1日~7日まで1週間売り出し、期間中に30戸全てに申込が入れば、「第1期即日完売御礼」となる訳です。

既にお気付きかもしれませんが、「即日完売」表記にはいくつか矛盾点があります。

  • ・そもそも、「完売」はしていない
  • ・たとえ「契約」がなされなくても、「申込」が入っただけで完売と表記される
  • ・人気がなくとも、販売対象戸数を減らせば、「即日完売」と謳える
  • ・「即日」と謳っているが、申込期間の前にも、モデルルームのご案内等は既に数ヶ月前から行っている。しかも申込期間も大抵1週間程度と長い

仮に販売戸数が3戸しなかくても、全てに申込さえ入ってしまえば「即日完売」と言えてしまいます。

中には「第●期登録申込即日完売(○○戸)」・「第●期契約即日完売(○○戸)」などちゃんと消費者に分かりやすく表示している業者もありますが、 いずれにせよ、この「即日完売」については、単に売り手が、“売れている感”をアピールするものですので、あまり惑わされすぎないようにしましょう。

予定価格とは?

販売価格

よくマンションギャラリーで、「まだ価格が決まっていないので、予定価格のお知らせとなります。 価格表もお渡しできません。」と言われます(実に多いです)。 なぜ‟予定”なのかと言うと、正式な販売開始直前まで、お客さんの検討状況を見て価格判断をつけるからです。

この価格判断というのは、単にマンション全体の高い・安いもそうですが、「売れ残り」となるタイプやフロアを出さないためにも、住戸ごとの人気・不人気をマンション内であぶり出し、 全体予算の中から価格操作を事業主側で行います。

ですので、“予定”であることは真実なのです。

しかしながら価格は購入意思を決定する上で、立地と並んで最重要項目ですので、仮に「4,500~4,600万円」等の幅があったとしても、 筆者は極力価格表を消費者に渡す事業主の方が、真摯な姿勢であり信頼できる会社だと思っています。

大手デベロッパーで多いのは、第1期の販売開始前までの案内期間中に、いわゆる「購入要望書(詳しくは次で説明します)」の提出状況などを見て、 「価格調整」を繰り返し、販売の前週までに正式価格を決めるというやり方です。

しかしながら、「もう第3期なのに予定価格と広告されている」なんて話もよく聞きます。

これには下記の通り2種類の理由があります。

  • ①全戸の価格は決まっているが、どの区画を次に売り出すか決まっておらず、予定としている(一度決めて告知をすると、宅建業法上後から変更がしにくい)
  • ②販売期ごとに事業主が価格を都度設定する方針である

基本的には①であることが殆どです。 ②は元々ごく一部のデベロッパーがやっていた手法ですが、直近のような価格上昇段階では、 1年前に売っていたマンションのキャンセル住戸などが、1~2割ほど値上げされて売られることが業界内で当たり前になりました。
いずれにしても、未販売住戸に関しては、事業主側で後々価格を操作することが可能ですので注意が必要です。 もちろん、このあたりは事業主によってスタンスが異なりますので、担当者に都度質問をしましょう。

購入要望書とは?

検討が進むと、「購入要望書を出しましょう」と営業マンから言われることが非常に多いです。
これは、次の販売期までの間に時間がある場合に、下記の理由により記入を促されます。

  • ①基本的に新築販売の場合、一斉販売が主流ですので、次の販売期になるまで申込・契約ができません。そのため、法的拘束力はありませんが、書類を書かせることで意欲固めを行うため。
  • ②第1期の販売開始前であれば、購入要望書の提出状況を見て、価格調整を行うため。(弱点住戸のあぶり出しにも有効です)

これだけ見ると、「法的拘束力もなくて、良いように価格調整に使われるだけなら提出しない方が良いのでは?」と思われるかもしれません。
ただ筆者は、本当に気に入った物件があれば、購入要望書は「出した方がいい」と考えます。なぜなら、正式な申込後の抽選を避けられる可能性が増すからです。

事業主や販売会社としても、せっかく買う気になってくれた方がいれば、抽選にせず、うまくばらけさせられた方が効率も良いですし、 営業マンとしても抽選に落ちれば成績に繋がらないだけでなく、人間ですから、お客さんに申し訳ないという気持ちになるものです。

ですから、予め「絶対買うので守ってください」といって購入要望書を出しておくことは、プレッシャーをかける意味でもある程度有効です。 (当然、それでも抽選になる可能性はありますし、なっても文句は言えませんが)

また、出さない方が価格調整で有利なのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、1件出るか出ないかであまり大勢に影響はありませんので、 その住戸が欲しいのであれば、他の検討者に先を越されないようにした方が得策でしょう。

ちなみに、この「購入要望書」や、「購入申込書」について、よく「出した後にキャンセルできますか?」と言われる方がいます。
回答としては「契約前ですので問題ありません」となる訳ですが、一点注意事項があります。

一度堅く約束した上で出した書類をキャンセルした場合、その不動産会社内では、「過去にキャンセル歴あり」と履歴が残ることがあります。 共同事業で3社合同のような場合には、各社の履歴に残ることもあります。

そのため、その物件はもちろん、その後に販売された同事業主のマンションを購入しようとした際、「購入要望書」の効力が実質的に弱まることがあります (営業マンから「またキャンセルされるかな」と思われれば、一生懸命抽選をさけようとしてもらいにくい)ので、提出する際も、やめる際も、 慎重に考えてから出すべき書類と言えるでしょう。

予約はした方がいい?

予約

よくHPやチラシに、「土日は混雑が予想されますので、事前にご予約ください」と記載があります。
これについては本当に盛況な物件でも、そうでない場合でも、大凡の物件で書かれていますので何とも言えません。

なぜ事業主がそう記載するかというと、「せっかく良いお客さんが来てくれても、じっくりと商談できなければもったいない」からです。

ではこちらからはどうした方が良いのか?それはケースによって分かれます。
まず、「予約ありのお客さん」「予約なしのお客さん」を比較した際、成約に至る可能性が高いのは圧倒的に「予約ありのお客さん」です。

購入意欲が予め高いお客さんは、「しっかり説明を聞きたい」という方が大半なので、大体予約をされます。 そうすると、営業マンも敏腕な方や所長クラスの方がついてくれたり、あるいは時間や席ををしっかり確保してもらえる可能性が高まります。

一方で、「アポなし」で訪問する場合は、どうしても参考程度の方の割合が多くなりますので、販売側の対応にも違いが出てしまうものです。 また「事前案内期間中」と呼ばれる案内の初期段階や、高額物件、棟内モデルルーム等の場合、アポなしですと案内不可とされる場合もあります。

以上の理由から、「興味があるのできちんと話を聞きたい」という場合には、必ず予約をされることをお勧めします。
一方で、「参考までにモデルルームや価格を見たい」という程度の場合には、あえてアポなしで行くのもアリでしょう。(ただし定休日と営業時間に要注意!)

なぜ販売期を分けるのか?

第1期、第2期、第3期・・・と何回にも分けて行われるマンションの分譲。なぜそんなややこしい売り方をするのでしょうか?

理由はズバリ下記の通りです。

  • ①販売対象住戸を絞ることで、常に好調な売れ行きをアピールしやすい
  • ②販売対象住戸を絞ることでコンスタントに販売を行うことができ、「買う」と決めた方の意欲が変わってしまう前に契約ができる
  • ③お客さんへ決断を促す際、スケジュールに期限がないと、なかなか決断してもらえない
  • ④人気のある物件の場合、一斉に全戸売出しを図っても対応がしきれない

上記のほかにもまだまだ売り手側にとってのメリットがあり、近年は販売期を分ける売り方以外はあまり見ません。(小規模物件などで一部例外はあります)

基本的には、販売期が変わっても、一度決めた販売価格は変えない事業主が殆どです (ただし、販売終盤の値引きは別)ので、「●期で買うのが得」ということはありませんが、申込が重複すれば“抽選”となってしまう上、 契約済み住戸は当然手出しできなくなる訳ですから、やはり気になる物件は早めの来場、早めの検討がお勧めと言えます。

先着順販売とは?

先着

上記「期分け販売」の他に、「先着順販売」という売り方があります。
チラシなどでも「先着順申込受付中」という文言を見ますよね。

この販売方式は、期分け販売で売れ残った住戸に対して行うことが殆どです。
例えば、第●期の販売概要が、【7月1日10時~7日18時まで、販売対象30戸】であり、実際の申込受付住戸が25戸・無抽選という結果であった場合、 売れ残った5戸は、7月7日18時からいきなり「先着順販売住戸」となります(一部例外もあり)。

そのため、モデルルームでもらう価格表にも、「第●期販売対象住戸」と「先着順販売対象住戸」とが混在しているケースがよくあります。

この先着順住戸については、原則「申込書」を早く提出した方が無抽選で購入権利を得られる、 まさに“早い者勝ち”の制度ですので、前述の「購入要望書」は一切関係がなくなります。

“早い者勝ち”と聞くと焦ってしまいがちですし、営業マンも即成果に繋がりやすい(しかも抽選にもならない)ため、 積極的に決断を迫ってくることがありますが、当然慎重に見極めた上で結論を出したいものです。

「お勧めプラン」はなぜお勧めなのか?

チラシやHPに、「お勧め間取り特集」や「ピックアッププラン」などと、特定の住戸をオススメしているケースがありますが、 これに関してはご察しの通り、まず売れ残り住戸と思って間違いありません。
また営業マンが特定の間取りに促そうとしている場合も、その可能性が高いでしょう。

一般的に広告物に載せる間取りには、2つの目的があります。

  • ①万人受けする人気の間取りを載せて、物件としての魅力をアピールする
  • ②売れ残りの間取りや、クセのある間取りを載せて、その間取りに関心を示す人からの反響(来場)を一本釣り式に獲得する

①は、「資料請求受付期間」や「グランドオープン」時など、幅広く反響を獲得する際によりその傾向が強まります。
一方で②のような打ち出し方は、申込登録直前などで、ダイレクトにその間取りを求めてくる人を探しているときに掲載することが多いです。

新築マンションの場合、多くが青田売り(未完成販売)となりますので、使い勝手のイメージを湧かせるためにも、 間取りについてはプロの意見に耳を貸すべきと筆者は考えますが、あまりにも特定のプランを“ゴリ押し”されるような場合には、少し冷静に考えてみても良いかもしれません。

なぜ「FP相談」が無料なのか?

無料

モデルルームに来場すると、「今後のライフプランの見直しや、予算の決定のために、 一度FP(ファイナンシャルプランナー)との個別相談を受けてみませんか?無料ですので。」と勧められることがよくあります。

不動産会社がわざわざ勧めるのは、

  • ①FPを通してヒアリングすることにより、資金内容や物件の検討度合いなど、より顧客のホンネが聞きやすい
  • ②FPを通じてコンサルティングすることで、予算をコントロールしやすくなる
  • ③FP相談をフックに呼び込めば、次回の予約も確約でき、商談の機会を再度得ることができる

という理由があるからです。

ちなみに、FP相談中は営業マンは通常離席しますので、お客さんもホンネが出やすいですが、言うまでもなく営業マンとFPは繋がっていますので、全て筒抜けとなります。
「このお客さんの予算アップ(ダウン)に協力してください」と、都合よく営業マンが依頼しているケースもあるでしょう。

では逆に、FP側はなぜ不動産会社にそこまで協力するのでしょうか?決して、報酬をもらっているわけではありません。
じつは彼らの多くは、AFPやCFPといったライセンスを保有した“保険会社の営業マン”なのです。 保険会社の営業マンからすれば、住宅の一次取得層(30~40代くらい)と接触するチャンスを得られるわけですし、 家を買う・買わないにかかわらず、関係性が深まれば営業成果に繋がる可能性が高まります。
そしてマンションの営業マンに協力することができれば、また別のお客さんの紹介を受けられる・・・といった相互関係にあるのです。

もちろん、このFP相談の内容にものすごいズレや間違いはないと思いますが、本当に自分の予算や、将来のファイナンシャルプランニングを見つめなおしたい方は、 不動産会社や保険会社とは関係性のないFPと相談する方が、より客観的な提案を受けることができるでしょう。

まとめ

以上、新築マンション販売の裏側の事情をお伝えしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
住宅購入は人生における大きなイベントですし、不慣れなことが多いので、営業担当の方にはいろいろ頼ったり質問をしたりするべきです。

一方で、買い手側は素人につき、過度な営業や情報操作による後々の不満・クレームが後を絶たないのも事実ですので、 くれぐれも「冷静な判断」を心がけて購入に挑みたいものです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

中古マンション購入に掛かる費用や手続きの流れについて知りたい方は下記のページをご参照ください。
中古マンション購入の流れと注意点、費用の目安などについて

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